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この一冊を通して、僕はあなたに救われた気がする(知らんけど)


「別れたい。しげき君のことは信用できない」

「金沢だって行かないし、もう会いたくもない」

Go To トラベルキャンペーンを利用して、金沢に旅行する5日前のこと。
彼女から泣きながら言われた言葉だ。

ズドン。

僕の頭に雷が落ちて、しばらくどうすることも出来ずにいた。
喧嘩をしたのはこれが初めてでは無いし、別れようという話になったのもこれが初めてでは無かった。でも、なんだかこの日は本当に別れてしまうんじゃないかと不安になるほど彼女は本気のようだった。

原因は当たり前に僕にある。
(長くなるので割愛するが)僕と彼女の間に多少の誤解があったにせよ、
僕は彼女を傷つけた。これは紛れもない事実だ。

電話やラインをしてみたけれど、

「しげき君のことは好きだけど、信用できない。」

「このまま長く付き合って結局、最後に傷つくくらいならここで別れたい」

という言葉ばかり返ってきた。

彼女は傷つくことをひどく嫌う人だ。
”傷つくくらいなら最初から無ければいい”と思うくらいに。
この言葉は喧嘩するたびに何度も耳にしてきた。

もう2度と、今回の喧嘩の原因となったことのようなことは起こさないつもりだと彼女に伝えても、彼女からの信用が無い僕は信じてもらうことが出来ない。

このまま彼女を傷つけるくらいなら、もういっそのこと別れてしまった方がお互いにいいのかも知れない。そんな風にまで思っていた。(実際に金沢のホテルをキャンセルし始めたりした)

しかし、別れよう。

と考えれば考えるほどに、彼女との楽しかった思い出がどんどんと溢れ出てきた。そのまま、完全に深夜のテンションだったとは言え、彼女の好きなところを100個書きだして、手紙にしたためるなどという行為を始めたりした。(思い返せば返すほど、恥ずかしい。本当に23歳?中学生やないんやから)

そして翌朝、物理的にも精神的にも重いラブレターが完成した。
これを渡して僕の想いを改めて、知ってもらった上で信用出来ないというのであれば、もう別れるのも仕方ない。そんなことを考えながら僕は家を出た。

電車に揺られて向かった先は彼女の家。
ではなく、渋谷。

今日は渋谷スクランブルスクエア2Fの「ヘラルボニー ポップアップストア」にて岸田さんが1日店長をするというイベントがあるのだ。

臆病でずっこい僕はめちゃくちゃ勝手ながら、岸田さんの溢れるパワーをもらい自信をつけてから彼女に会おうとしていた。(あと、謝罪用の手土産を買うため)

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お会いした岸田さんはとてもパワフルさに溢れており、見ているだけで元気がもらえる騒がしい人だった(もちろんいい意味で)

そんな岸田さんに会い元気も注入、手土産も購入出来、準備万端と状態。
彼女との待ち合わせの時間まで少し時間があったため、休憩がてらカフェへ。先ほどのイベントで購入した岸田さんのサイン入りの『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』を読んで時間を潰すことに。

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この本を読み進めていくと、ポロポロ涙がこぼれ落ちてきた。

「大丈夫やで!知らんけど(笑)」

読めば読むほど、岸田さんが僕に語りかけてくれているみたいだった。

少し前にご本人とお会いしたからかもしれない。
僕が岸田さんと同じ関西出身だからかもしれない。
岸田さんの友だちに話しかけるような文体だからかもしれない。

はっきりとは分からないけど、この1冊を通して、なんだかとても救われたような気がした。(知らんけど)

それから僕は彼女の家まで行き、僕が彼女のことをどれだけ好きなのか、もう一度だけ僕を見て欲しいということを伝えることが出来た。はっきりと彼女に想いを伝えることが出来たのは、この本に救われたからかもしれない。

そんなことをこの本を読み返すたびに思い出す。
これを読んでくれたあなたも是非。
近所のお姉さんに悩みを相談しているような感覚になれるはず。

おしまい。

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#キナリ読書フェス






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