一橋大学マンキューソ准教授についての手記①

 一橋大学のマンキューソ准教授が差別発言をしていたことで問題になっています。私は2018年度に彼の授業を受講していました。ARICの署名活動を見て、かつての受講生として思うところがあったので、彼の授業で実際に見聞きしたことをこのブログに書くことにしました。

 初めに断っておきますが、私は今でもマンキューソ先生を英語教員として尊敬していますし、彼の厳しい指導のおかげで英語が身についたと思っています。ARICが主張するような、差別発言を理由に先生をクビにするべきだという立場には賛同できません。ただ、それでも先生の側に行き過ぎた言動があったことは事実です。この記事を読んだ方には、双方の意見を聞いて冷静に議論をしてもらいたいです。

 私が初めて受講した4月の1回目の授業で、先生は受講生一人ひとりに対してARICメンバーか否かと問いただし、メンバーの場合には受講する権利がないと告げました。ARICという団体について詳しくは知りませんでしたが、教員が特定の団体をことさらに敵視しているようで少し不安を覚えました。

 その後も私は受講を続けていましたが、違和感を覚えたのは7月3日の授業中のことです。その日は、説得力あるプレゼンテーションの学習として『アメリカンヒストリーX』という映画の一場面を視聴しました。この映画は、白人至上主義の兄弟を通じてアメリカにおける人種差別を描いた作品ですが、授業の中では極右の主人公のスピーチが題材として扱われました。

 主人公はスピーチの中で黒人に対する差別的な表現を多用していますが、先生は「この映画には「ニガー」とか、悪い言葉がたくさん出てくる。でもただの映画だから、そんなことは気にしなくていい!」と言いました。

 また、「これは文句なしに素晴らしい映画だ!」とも付け加えました。私を含め、教室にいた学生の多くが映画の表現にショックを受けていましたが、先生は「日本語字幕なんて気にするな、差別用語なんて気にするな」と言い放ちました。

 先生がプレゼンの題材としてこの映画を使いたかったことはわかるのですが、差別的な表現にショックを受ける学生がいた中で「気にするな」だけで済ませてほしくはなかったです。

 このような授業には問題があると思い、大学に直接相談することも考えました。しかし、一橋では2年前に百田尚樹氏の講演会をめぐって学生がネット上で攻撃を受けるという事件がありました。

当時から、一橋大学は内部の問題についてあまり力を入れていない印象を受けていました。また、授業中に黒人差別スピーチの映像を流しただけで差別的と言えるかはわからなかったので、誰かに相談することもありませんでした。


しかしその後の授業で、マンキューソ先生は酷い差別発言をしました。

この続きはまた次回の記事で書きます。

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