【人怖話】勝手に使われた番号
10年以上前に体験した、今思い出してもちょっと不愉快な話。
ある日、私の携帯電話に着信が入る。
画面を確認してみるが、知らない番号だった。
固定電話だったが、私が住んでいる市のものではない。
知らない番号に出るのはちょっと嫌だなぁと思ったのでその日はスルーした。
それから何日か経って、またその番号から電話がかかってきた。
かかってきたのは正午くらいだったと思う。
この番号はこの前のものと同じだ・・・一瞬不安な気持ちになったが、やはり知らない番号だったので出ることを躊躇ってスルーした。
それから数日経って、また同じ番号から電話がかかってきた。
こう何度もかけられるのも気になるし、そもそもどこの市から電話がかかってきているのかも少し気になったので、パソコンを開いて最初の3桁だけを入力して調べてみると、隣県の番号だと分かった。
それで、次にかかってきたら取ってみることにした。
案の定数時間後にまた着信があったので、今度はスルーすることなく電話に出た。
相手は男性の声で、何度も電話をかけたのに何故出てくれないんですか、と早々に文句を言われてしまった。
私は知らない番号だったから出る勇気がなかったので、と理由を説明する。
すると、相手はため息をついてこう切り出してきた。
その時のやり取りを以下に記す。
相手「ようやく出てくれましたね、何度も電話したんですよ」
私「あの、知らない番号だったので出るのを躊躇ったんです」
相手「は?からかっているんですか?」
私「はぁ?何を言ってるんですか?」
相手「こっちの番号を知らないってどういうことです?」
私「まったく心当たりないんですが」
相手「我々は契約書に記された電話番号に電話をかけただけですが」
私「契約書って何ですか?私は最近誰かと契約した覚えはないんですが・・・」
相手「契約書の連絡先の欄には0×0××××△△△△となってますが、そちらの携帯の番号で間違いないんですよね?」
私「はい、確かにその番号は私の携帯のものですが、そもそも契約書に書いた覚えなんてありません」
相手「冗談ばかり言ってからかうのは辞めてもらえませんか?」
・・・ここで、私は声を大きくして反撃することに。
私「さっきから好き勝手なこと言ってますけど、こちらはおたくの番号すら知らないし、契約書も知りません、少しは人の話を聞いたらどうですか!!」
相手「・・・・・・・・・・・・・・・」
私「ただでさえ知らない番号から電話かかってきて不安なのに、出た途端に訳のわからんこと言われてどんな思いしたか想像も出来ないんですか!!」
相手「・・・・・・・・・・・・・・・」
私「ちなみにそちらは〇〇県の〇〇市ですよね?」
相手「・・・・・・・・・・・・・・・・」
私「こちらは△△県の△△市です、私はずっとここに住んでいる者で、そちらに行ったことはありませんし、行く予定もありません」
相手「△△県って本当ですか!?」
私「はい、ここは△△市です、おたく一体どこの職種の方々ですか?」
相手「〇〇市の不動産屋ですが・・・」
私「私は引っ越しの予定もないし、私の知り合いや親戚に引っ越しをする人が居るという話も聞いたことがありません、何故私の番号がそちらの書類に記載されているんですか!?」
相手「そうは言われましても・・・手続きをした際にこの番号を書かれたんですよ」
私「相手はどんな人なんです?女性ですか?男性ですか?」
相手「それはお答えできません、個人情報ですから」
私「・・・では、責任者出してもらえますか?」
相手「それは出来ません」
私「何を言ってるんですか?私はこんなに嫌な気持ちにさせられたんですよ!!」
相手「確かにこちら側の手違いかもしれませんが・・・」
私「携帯電話って相手の番号が表示されますよね?」
相手「はい・・・」
私「この番号で検索したら、どこの不動産屋かすぐに分かります」
相手「はい・・・」
私「もちろん、店舗の連絡先としてメールアドレスも記載されてますよね?」
相手「・・・・・・・・・・・・・・・」
私「そこから苦情のメールを入れてもいいんですよ?」
相手「た 大変申し訳ありませんでした!!」
相手「ですから、ですから責任者にだけは言わないでください!」
私「そんなこと言うくらいなら、最初からちゃんと人の話を聞いて誤解を解こうとしなかったのは何故ですか?」
相手「まさか契約書に嘘の電話番号を書かれるとは思わなかったもので・・・」
私「過去にそういう事例がなかったんですか?」
相手「いえ、はっきりとはお答えできませんが、ないわけではありませんが・・・」
私「でしたら、話が通じないとかかみ合わない時点でどこかに間違いがあると想像出来なかったんですか?」
相手「本当に申し訳ありませんでした」
私「もう二度とこんな対応しないでくださいね」
相手「ご迷惑おかけしました、失礼します・・・」
・・・そして相手は電話を切った。
相手の対応に腹が立った私はマシンガンの如く、不愉快オーラ全開で意見を言いまくったのだが、果たしてこの対応が良かったのかどうかは分からない。
もっと冷静に対応すればいいのにと言われるかもしれないが、知らない番号から何度も電話がかかってくるし、電話に出たら出たで相手の反応があんなんだから、最初は我慢してても段々イラっとしてくるものだ。
相手も不動産屋と名乗っているんだったら、ちゃんと話を聞いてまともな反応をして欲しいものである。
そして、一体誰が私の番号を勝手に使用したのだろうか。
守秘義務がある以上、店側はそれを教えることが出来ないのは分かるのだが・・・。
賃貸の契約をした人が何らかの理由があって携帯を持っていない、或いは実家の番号を書くわけにはいかなかったのかもしれない。
それにしても、その嘘がいつかバレるかもしれないと思わなかったんだろうか。
契約のことで不動産屋から連絡が来るかもしれないというのに、繋がらなかったら困るのはその人だろうに。
書類に嘘を書いたら契約そのものが危うくなるかもしれないし、そうなった時に困るのは誰なのかをキチンと考えろと言いたい。
ちなみに、私の番号を勝手に使用した相手からのアクションは一切なかったので、その場を誤魔化すために適当に書いた番号がたまたま私の携帯の番号だった可能性が高そうだが。
賃貸の契約をするのにどうしても電話番号は必要だが、知らない番号を適当に書くのは辞めて欲しいものである。
誰かに迷惑がかかるから。
そして、不動産屋にも迷惑がかかる。
今回はちょっとしたやり取り程度で済んだからよかったものの。
どんなトラブルに発展するか分からないから怖い。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?