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【不思議な夢】蘇る記憶

謎多き男剣士が今までとは違う形で登場した不思議な夢の話。

気付いた時には夢の世界に居た。
落ち葉が舞い、涼しい風が吹き、弱い太陽の光が射している。
どこか懐かしさを感じさせる風景が広がっていた。

少し歩くと公園が見えてきた。

ベンチに座り、私はバッグの中から一冊の漫画本を取り出した。

何も考えずにパラパラとめくる。
ふと、あるページに目が留まった。

これはあの人だ!

私の夢に何度も出てきた謎多き男剣士が漫画の登場人物になっていた。
紳士のような振る舞いをした彼の物語が綴られている。
戦闘シーンはなく、今まで私が見てきた漆黒の衣装や大剣は一切描かれていなかった。

バトル漫画ではないのかな。
それにしても何かが変である。
よくよく確認すると何が変なのかすぐに理解した。

吹きだしの部分が真っ白で何も文字が書かれていない。
内容からして何か台詞はあるはずだが・・・。

彼の表情は真剣そのものだ。
誰かと大事な会話をしているシーンが描かれているが、相手の姿は確認できなかった。

吹き出しの部分はどのページも表示されていない。
これでは話の内容が把握できない。

がっかりした私は漫画を読むのを辞めてしまった。
目を閉じて彼のことを思い出す。
あの日、モノトーンの世界で消滅した彼のことを・・・。

いつの間にか目が覚めていた。
また、謎多き男剣士の夢を見てしまった。
といっても、彼が登場する漫画を読む夢であって、夢の中で彼と対面したわけではなかった。

それでも、彼の存在に触れられただけでも嬉しかった。
どんな形でもいい、会いたい。


そしてこれは別の日に見た夢の話だ。
夢の中の私はコンビニでアルバイトをしていた。
バックルームの整理整頓をしていた際にバイト仲間がこんな不平不満を言い出した。


バイト仲間「この前辞めた〇〇君さぁ、いつまでも私物ほったらかしにしているんだよね、困っちゃうよ」

私「何が置いてあったの?」

バイト仲間「荷物が入ったバッグなんだよね、まさか貴重品入ってないよね・・・」

私「さすがにそれはないでしょ・・・で、そのバッグはどこにあるの?」

バイト仲間「これ」


差し出されたバッグにはたくさんの物が詰め込まれている。
バイト仲間が言うには最初からチャックが開いており、中身が丸見えの状態だった。

バッグの持ち主は以前働いていたフリーター青年のものだ。
辞めてからそれなりの日数は経っているはずだが、いつになっても取りに来ないのはどうしたものか。

悪いと思いつつもバイト仲間と一緒に中身を確認させてもらった。
中には日用品に混じっていくつかのゲームソフトが入っていた。
パッケージを確認した私は驚きを隠せなかった。

これは謎多き男剣士が出てくるゲームなのか!?

彼の顔がでかでかと描かれており、ケースの裏面にはゲームの画面が載っている。
ざっと見た感じだと20年ほど前のかなり古いタイプのゲームのようだ。

RPGの戦闘画面の横に書かれてある説明文を見る限りは本編ではなくてサイドストーリーのようだ。

謎多き男剣士の追憶・・・彼の記憶が辿れる内容に興味をそそられる。

肝心のゲームのタイトルは英語表記だったために、学生時代英語をあまり頑張ってこなかった私には理解するのが難しかった。

フリーター青年の忘れ物にうんざりしていたものの、まさかのアイテム発見で私のテンションは高まってしまった。

このゲームプレイしてみたい!
やりたい!今すぐ遊びたい!
このゲームの内容がすっごく気になる!

とはいうものの、持ち主の許可なく勝手にプレイすることは出来ない。

あーもう、もどかしい!
なんでこんなに悩まなければならないんだ!

・・・もやもやしていたところで目が覚めてしまった。

漫画に続いてゲームにまで登場した謎多き男剣士。
夢の世界だからどんなことが起きてもおかしくはない。
だけど、ここまで様々な形で登場してくるとは思わなかった。

本当に彼はなんでもやってくれる。
面白い、そして自己主張が強すぎる。
次はどんな形で登場してくれるか楽しみだ。

フリーター青年にも感謝をしなければならないな。
彼のおかげで面白いものを発見できたのだから。
それにしても、どういう経緯で手に入れたゲームなのだろうか。

次に会うことがあったら詳細を聞いてみたいものだ。

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