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【不思議な夢】誓いの剣

ある女性を守ると誓い、強敵と壮絶に戦った夢の話。

夢に出てきた場所が一体どこであるのかは分からなかった。
車が出てきたので近代だと思われるが、建物や人々の雰囲気が少し古い感じも受けた。
現代より少し前の昭和か平成の最初の方くらいの日本に近いかもしれない。

私はある女性のボディガードをすることになっていた。
女性は女子高生くらいの若い子だ。
黒い長い髪をたなびかせた割と強気な女性だった。

なぜ、この女性のボディガードを受けることにしたのかは分からない。
気が付いた時には護衛すると誓っていたのだ。

私の手には武器が握られていた。
短剣に自由自在に伸び縮みするチェーンがついていた。
遠近両方攻撃できそうな武器のようだ。

この武器は見たことがある。
私が普段遊んでいるオンラインゲームに出てくるチェーンブレイドそっくりだ。
私はゲームの中ではチェーンブレイドをメインに使っている。
だから、夢の中でも私の武器として出てきた可能性はありそうだ。

私が護衛をすることになった女性はある存在に狙われているらしい。
敵のボス的存在はグレー髪の上品な年配女性。
奴らの目的は分かっていない。
だが、私は敵の侵略から護衛対象を守らなければならない。

敵のボスにもボディガードがついている。
凄腕の傭兵と思われる長身の屈強な男剣士。
彼の身長より大きな大剣を装備している。

グレー髪の年配女性を守るように突っ立っている。
彼のアッシュグレイの瞳は常に敵が居ないか見張っている。
その鋭い眼差しに私は少し恐怖を覚える。

きっと彼と戦ったら無事ではいられない。
おそらくは壮絶な戦いの末にどちらかが倒れるかもしれない。
だけど、私は護衛対象を守らなければならず、彼もまた守らなければならない存在がいる。

お互いの守る存在が敵対勢力のために相容れないのは当然である。
出来れば私は護衛剣士の彼と戦いたくはない。

護衛剣士の衣装は真っ青な作業着のようなものだった。
動きやすそうだが、かなり目立つ色である。
私はどちらかというと茶色を基調とした衣装を着ていたので、地味で目立たない。

短剣と大剣、茶色の衣装と青い衣装・・・色々と正反対である。

護衛剣士の目線はこちらに向いている。
私の目にも彼が映っている。
もう、戦いは避けられない。

私はチェーンブレイドを握りしめ、彼は大剣を構えている。
お互いに様子を伺っている。
どちらが先に動くか・・・私の方が先に動いた!

チェーンを伸ばして短剣を彼に向ける。
彼は大剣でそれをはじき返す。
私はもう一度彼に短剣を投げつける。

やはり跳ね返される。
間髪入れずに彼が突撃してきた。
剣が私に触れる直前に回避に成功する。

私の体は後方へ移動しつつも彼の動きを探る。
油断していると一瞬でやられそうなほど強そうな相手だ。

彼の突撃は止まらない。
私は刃先をギリギリで回避していくが、いつまでも避け続けるわけにはいかない。
反撃のチャンスを狙う。

彼の姿が私に近づく。
真剣な眼差しに圧倒されてしまう。
彼の顔を見てしまったことが命取りになってしまう。
私の足はふらついて倒れそうになった。

やられる!

彼の無表情な顔に少し余裕が出ているようだ。
勝てると思っているのだろう。

あの大きな剣で斬られたらひとたまりもない。
まずい、このままでは倒されてしまう。

護衛対象の女子高生は不安そうな顔で私を見ている。
一方でグレー髪の年配女性は不敵な笑みを浮かべている。
どう考えてもこちらが不利である。

ふと、私の視界にある建物が入った。
レンガ作りの円形の塔だ。
あそこに移動するしかない。
転がりながらも塔の中に逃げ込んだ。

護衛剣士は私を追撃してくる。
ひたすら階段を登って逃げる。
彼は私を追い続ける。

必死になって上に登っていくが、策は何も浮かばない。
とにかく、今は逃げるしかない。

塔のてっぺんまで到着した。
背後には彼が居た。
私に逃げ場はない。

もうだめだ・・・と思った矢先に彼の口から意外な言葉が出てきた。

護衛剣士「塔の下を見てみろ、面白いものが見れるぞ」


私は彼に促されるまま塔の下を確認する。
グレー髪の年配女性が乗った車に大勢の人が集まっている。
どうやら、暴動が起こっているようだ。

たくさんの人に詰め寄られた車はひっくり返ってしまった。
グレー髪の年配女性は大慌てでどこかに逃げ失せてしまった。
護衛剣士を残したまま・・・。

え?
何この展開。

護衛剣士はなぜ護衛対象であるグレー髪の年配女性を最後の最後で見捨てたのだろうか?
何か特別な事情があって守らされていただけなのか。
本人の意志とは無関係に。

護衛剣士に話を聞こうと顔を向けると、彼は優しそうな笑顔を向けた瞬間にどこかに走って行ってしまった。

私は何も知ることなくその場に残されてしまった。
護衛対象の女子高生の姿も消えていた。

私は、これからどうすればいいんだろう。

・・・いつの間にか目が覚めていた。

何とも変わった夢を見せられたものだ。
最初は敵だと思っていた護衛剣士は実は敵ではなかった。
最後の最後には敵のボスが人々の手によってやられそうになっていた。

私が戦った意味はあったんだろうか。
でもまぁ、あの護衛剣士に倒されずに済んでよかったと思う。

彼はあの後どこに行ったのだろう。
もしかしたら、何にも誰にも縛られずに自由気ままに冒険でもしているのかもしれない。

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