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【不思議な夢】出会いと別れ

謎多き男剣士と冒険をした不思議な夢の話。

この夢を見たのは2年くらい前だろうか。
気付いた時には夢の世界に居た。

現世とは似ても似つかぬ中世的な世界観が目の前に広がっている。
外は暗かったので夜中だったと思う。
廃墟と化した古い建物の中にほわっと温かい空気と共に明るい光が見えてきた。

誰かが焚火をしているようだが・・・私は何の迷いもなく廃墟の中に入った。

中には20代後半から30代前半くらいの長身の男剣士が立っていた。
焚火をしていたのは彼のようだ。

彼は私の姿を確認するなり警戒ひとつしないで私を招き入れた。
こちらに来い・・・と。

私は彼に近づいた。
どこかで見たことがある人物のようだが・・・?
ある時は敵対していた護衛剣士、ある時はピンチに陥った私を救ってくれた人物だった。

2人で焚火を囲い、少し会話をした。
何の話をしたのかは今となっては思い出せない。
ただ、何となく温かい感じがしたので、それなりの交流が出来たはずだ。

彼が何故このような場所に居たのか。
それに関しては一切答えてくれなかったが、旅をしている・・・とだけ語ってくれた。

何かを探す旅の途中で夜を明かすために火を起こして暖を取っているそうだ。

パチパチパチ・・・焚火の音だけが響いている。
それ以外の虫の声や風の音などは聞こえてこない。
とても静かな環境だった。

しばらくすると意識が飛んだ。

ふと目を覚ますと夜が明けていた。
彼は焚火の後始末をすると「一緒に来るか?」と私に尋ねてきた。

私は彼に興味を持ったので承諾した。

それからは目まぐるしく世界が回っていった。
私が彼と様々な場所を旅している光景だけが私の頭の中に記憶として刻まれていった。

ある時は平原を歩き、ある時は山道を歩き、ある時は街でゆっくりとくつろいでいた。
その時の感情や思いは省かれている感じだ。

行動だけが私の頭に浮かんでくる。

そして、また時間がゆっくりと流れ始めた。

再び彼と焚火を囲っているシーンだ。
何か談笑をしている。
とても楽しそうだ。

どうやら、旅を続けているうちにそれなりに親しい関係になれたようだ。
友達?
それとも冒険仲間?

どちらでもよかった。
私は彼と一緒に居られるだけでも楽しかったからだ。

まだ恋愛感情を抱くほどの関係ではなかった。

このまま一緒に旅を続けられるといいな・・・そう思っていた。

だが、その願いは簡単に打ち砕かれてしまった。
彼と離れなければならない時が来たのだ。

私と彼は真剣に話し合っていた。
どうやら、時間がないようだ。

離れなければならない事情は全く分からなかったが、どうやら今後は一緒に同じ道を歩むことが困難になるとのことだった。

一体どうして。
あんなに仲良くなれたのに。
突然の別れに私は悲しくなった。

時間は待ってくれない。
彼は行ってしまう。
ひとりで何処かに・・・。

引き留めるか?

いや・・・引き留めてはいけない。

離れなければならない切実な理由があったからだ。

彼は黒い道に、私は白い道に行かなければならない。
決して相容れる道ではない。

心がきゅっと締め付けられる。
行かせたくない、私も出来ることなら彼と同じ道に・・・行きたかった。

気付いた時には目が覚めていた。
しばらくぼーっとしていたが、なぜ彼と同じ道を歩むことが出来なかったのかはすぐに理解した。

彼の歩く道筋にはなぜか黒い影が存在していたからだ。
正義のために剣を振るう私とどこか暗い影を背負っている彼。
遠い未来、私は彼との関係に終止符を打たねばならない時が来るかもしれない。

これが、私と彼の歩む運命なのだろう。
私の心の中に永遠に居座り続けるであろう長身の男剣士。
とても魅力的な人物である。

私は・・・神が用意した運命に従わなければならない日が来る。
出来ることなら違う未来を選ばせて欲しい・・・。


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