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【人怖話】名前教えろ、に対して

レジ店員をしていると、どうしてもカスハラ(カスタマーハラスメント)と遭遇することが多い。
特にセルフレジを導入してから増えた気がする。

一番多いのはレジ絡みで暴言を吐かれることだが、中には店員に絡んで困らせる人も一定数存在する。

私がかつて対応したカスハラの中にこんな人がいた。

商品が入ったカゴをセルフレジまで持ってきた年配のお客さん。
黙って商品を登録していく。
全部登録終えたと思ったら支払いをしないで持っていこうとしたので、支払いが済んでいないことを伝える。

チッと舌打ちされて渋々支払いを済ませたお客さんの最後の一言がこれだった。

男性客「お前の名前なんだ?教えろや!」

私は自分の名札を堂々と見せて「〇〇です」と即答した。
その瞬間男性客は固まってしまった。
そして黙ってその場を去って行った。

後日、上司にその時の出来事を話したのだが、私の態度が毅然としていたことが良いと褒めて頂けた。


上司「ブルーさんの毅然とした態度良かったと思うよ、カスハラに屈しないところが強いところだね」

私「実は少し前にYouTubeでたまたまオススメにカスハラへの対応みたいな動画が紹介されてたので見たんですよ」

私「それによると、名前を聞かれた時には堂々とした方が良いと説明されていたんですよ」

上司「普通だと名前聞かれるのは嫌がる人多いよ」

私「もし本社にクレーム入れられたとしても、逆に本社に対して事情を説明してカスハラ対策を練って欲しいと直談判したと思います」

上司「心配することないよ、名前聞いて本当にクレーム入れる人なんてほぼいないし、もし入れられたとしても本社はある程度状況察してくれるから問題はないよ」


上司曰く名前を聞かれた際に嫌がる人の方が多く、そういう態度を見るとカスハラが余計に調子に乗るのだそうだ。
よって、今回の対応は最善策と言える。

この、名前を聞かれるというものは実は初めてではない。
現在の勤務先では3回ほどあった。
その3回の中でたった1回だけ店舗責任者に連絡を入れられたことがあったが、店舗責任者は私を咎めることはなかった。
むしろ「ああいう人の暴言は気にしない方がいいよ」と心配されてしまった。

ちなみにこのカスハラへの不満を知人に相談したところ、知人がカスハラの勤務先に苦情を入れてくれたようだった。
それ以降はカスハラは私の顔を見るなり血相を変えて逃げていき、二度と来店することはなかった。

何故カスハラの勤め先が分かったのかというと、領収書を発行したことで発覚したわけである。
その話を知人に聞いてもらい、勤め先が分かったから後は任せろ、となったわけだ。

その知人が一体どういう苦情を入れてくれたのかは今でも分からないままだ。
知人曰く「知らない方がいいよ、知ってしまうと後々やりにくいでしょ?」とのことだった。

助けとなる味方はどこにいるか分からないものだ。
コンビニに勤めていた時は常連客が味方になってくれたこともあるし、現在の勤め先だと先程の知人もそうである。

カスハラに悩んでいる人はひとりで抱え込まない方がいい。
違う職種の知り合いでもいいから相談すれば、解決策が見つかることもあるし、予想外の結果になることだってある。

そして、カスハラにはこう言いたい。
名前を聞いて実際に苦情を入れたところで、苦情を聞いた者は何があったのか真相はどういうものかを必ず防犯カメラやその場にいた他の従業員に聞き取りをすることでどういう状況であったか必ず調べるからだ。

苦情を入れたからと望むような結果が得られるわけでもないということは理解した方が良いだろう。
私の知人のような反撃をするものだっているのだから、どこで誰が動くか分からないと言ってもいい。

まぁもしも、状況を調べようともせずにむやみに名指しでクレーム入れられた人を叱るような職場だとしたら、そこは紛れもなくブラック企業と言えるので、そのようなところはさっさと見切りをつけた方が良い。
転職をオススメする。

そして、近頃はSNSや動画サイトにて顔や名前を出しながらカスハラ対策のアドバイスをしてくれる方の勇気には凄いと思わされる。
いつどこでアンチから嫌がらせされるか分からないというのに。
私はその方々を全力で応援したい。

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