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【不思議な夢】桜のお酒

壊れた自販機の中から出てきたピンク色のお酒にまつわる不思議な夢の話。

この夢を見る前にも夢を見ていたが、あまりにも衝撃的な内容だったことで職場のオカルト仲間にしか話していない。
もし、その夢が現実のものとなったら大変なことになる。
だから、大変な夢については一生私とオカルト仲間の胸の中に秘めておくことにする。

一度は目が覚めたものの、再び眠気に襲われて夢の世界に引き込まれる。
気付いた時には夢の世界に居た。

少し薄暗い講義室の中には机が並べられていたが、小学校によく在りがちなあの質素な机によく似ている。
席に座っていたのは20代~30代くらいの大人達だった。

テキストを抱えた教員はそそくさと講義室を出ていった。
授業が終わった直後の自由に動ける時間ということで、席に座っている大人達は楽しそうに会話をしていたり、食堂に足を運ぶ人も居た。

私は荷物を持っていそいそと講義室を後にした。
自販機で何か飲み物を買いたい。
財布の中の小銭を確認して自販機コーナーへ急いだ。

自販機コーナーには生徒と思われる大人達がそれなりに居た。
だが、不思議なことに誰も自販機で飲み物を買おうとしない。
疑問に感じながらも私は財布から100円玉を取り出した。

硬貨投入口に入れたところ・・・チャリンという音と共に硬貨取り出し口に戻ってきてしまった。
おかしいな、読み取りミスでもあったか?

取り出し口の100円に手を伸ばそうと思った瞬間のことだった。
驚くことが目の前で起きた。

じゃりじゃりじゃりじゃり・・・と硬貨が落ちてくる音と同時に大量の500円玉が出てくるではないか!
枚数は50枚くらいはあったと思われる。

慌てた私は自分が入れた100円玉だけを取り出した。
どうしよう。
無関係のお金がたくさん出てきたんだけど・・・。

側で見ていた大人達も唖然としていた。
誰も何も言ってこない。
そりゃそうだ、こんな光景は珍しすぎてどう反応すればいいのか分からない。

すると、自販機の業者と思われる人が姿を現したので、事情を説明して自販機を治してもらうことになった。

カパっと開けられた自販機の中には割と広めの空間が広がっている。
ジュースの缶がいくつか入っていたが、私はあるものに目が奪われてしまった。

30センチほどの薄いピンク色のボトルが1本置かれていた。
ぱっと見た感じは桜テイストのお酒のように思えた。

普段はお酒を飲まない私もこの時ばかりはこの桜のお酒が気になってしょうがなかった。
欲しい、買いたい。

業者の人にいくらで販売しているのか尋ねてみると、〇〇〇円だと言われた。
財布の中を確認するとちょうどその額の小銭が入っている。

ラッキーだ。
珍しいお酒が手に入るなんて。

お金をかき集めている間に後ろから他の人が壊れた自販機にお金を入れてしまった。
ジュースが出てこないことでブーブー文句を言い出すが、自販機の中から炭酸飲料を取り出して満足そうに帰って行った。

よかった、あの人は桜のお酒を持って行かなかった。

お金をかき集めて業者の人に渡すが、1枚だけ違う硬貨が混じっていると指摘されてしまった。
返された硬貨はどうやら外国のお金のようだ。
見たこともない文字が記されていた。

どこの国のお金なんだ?
それよりも、私は外国のお金なんて持ってないはずだけど。
慌てて財布の中を確認する。

・・・ある、足りない分はちゃんと入っている。

それを取り出して再び業者の人に渡すが、また違うと返されてしまった。
どうなってるんだ、これはおかしい。
財布の中に入っていた硬貨は日本円だったのに。
取り出した瞬間に外国のお金に変化したというのか?

・・・まずいな。

このままでは桜のお酒は手に入らない。
うかうかしていたら他の誰かに購入されてしまう。

焦って焦って財布に指を突っ込むものの、出てくるのは外国のお金ばかりだった。

桜のお酒を買うことが出来ないのかもしれない・・・諦めた瞬間にチャリンと音がした。
財布から1円が零れ落ちた。
それを拾って合計金額を確認すると桜のお酒の代金とぴったり合った。

今度こそ手に入る!

業者の人に小銭を渡すと「どうぞ・・・」と言われたので桜のお酒を手に入れることが出来た。

やった!
ようやく手に入った!

もう嬉しくて仕方がない。
念願の桜のお酒が手に入ったのだから。

ボトルをまじまじと見つめていたところで目が覚めてしまった。

・・・一体どんな味がしたんだろうか。

現実の私はお酒が全く飲めないのだが、夢の中では何故か桜のお酒が欲しくて欲しくて仕方がなかった。
紆余曲折あって何とか手に入ったものの、味を確認することなく目が覚めてしまった。

何とも不思議な夢だった。
あの壊れた自販機からあふれ出てきた500円玉にも驚いたが、自販機の空間に居座っていた桜のお酒の存在感も半端なかった。

夢というのは本当に不思議なものである。

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