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2019年10月3週目のアフリカ最新ニュース:ナイルダム紛争からケニア鉄道、黒人向化粧品、アフリカ内進出、Brexit後、ロシアの狙い、エチ通信民営化まで

2019/10/16-10/22 に取り上げたアフリカ最新ニュースです。
Twitter(@BlueBaobabBar)や
Facebook(https://www.facebook.com/cafebarbluebaobab/)でアフリカ記事をほぼ毎日ひとつ紹介していまして、そのまとめです。

#アフリカ 310 2019/10/16
【エジプトとエチオピアがモスクワで会談 ナイル川ダム問題で】

ナイル川のダム建設を巡ってエジプトとエチオピアが揉めてるのですが、モスクワで会談予定という話。

気になるポイントが複数ありましたが
まずモスクワでロシアーアフリカサミットをするので、そのついでに会談するようですがロシアもアフリカに力入れてますね。

また植民地時代からのナイル川利用割り当て&拒否権があるようで、エジプト有利なのか、それを維持したいエジプトと
批判するエチオピア。

それとは別に、ナイル川沿いに9か国あって、ナイル川使用協定に9か国全部は合意出来てない様子。

問題沢山のようです。
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・エジプトのシシ大統領とエチオピアのアビー首相がモスクワで会談予定
・長く続くナイル川ダムの問題を巡って、前向きに話し合い
・スーダンでの会談が決裂して2週間後の話
・10月後半のロシアーアフリカサミットの際に行うとみられる

・エチオピアの大規模プロジェクトGrand Renaissance Dam (GERD)
・ダムはほぼエチオピアの出資、水力発電目的
・エチオピアのスーダン国境付近、6千ワット発電
・ブルーナイルは世界最長の川であるナイル川の86%の水供給
・エジプトは飲料水の90%をナイルから取得

・スーダンは電力と灌漑の恩恵を受けるが、歴史的にエジプト寄り
・エジプトともめてるので工期が伸びてる

・エジプトは植民地時代からナイル川使用権、使用拒否権を主張
・アフリカ最大のダム

・昨年、ナイル川沿いの9か国でナイル川使用協定 エジプトとスーダンは調印せず
・先月の国連大会では両国とも自国の正当性を主張

Egypt and Ethiopia to meet again in Moscow over dam dispute
https://www.theafricareport.com/18670/egypt-and-ethiopia-to-meet-again-in-moscow-over-dam-dispute/

#アフリカ 311 2019/10/17
【ケニアの鉄道 第二フェーズが開通】

ケニア鉄道、第2フェーズ開通♪
おめでたい話かと思ったら、
遅延、支払い拒否、高い、負債増加とネガティブな情報が多かったですw

でも車窓の風景は良くて、アフリカ鉄道旅行なんかも良さそうですよね~
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・ケニア大統領ケニヤッタは15億ドルの中国敷設の鉄道を開通
・首都ナイロビからNaivashaの Rift Valley まで

・2017年にモンバサ港とナイロビ間の路線が開通。32億ドル
・中国の一帯一路の一環

・ケニアはNaivashaに工業公園を作る計画だが遅延
 -製造業への投資で法人税下げる提案
 ー近隣の地熱電力への優先課税なども
 
・鉄道は2期目のケニヤッタ大統領の肝入りプロジェクトだが問題多い
 -4月中国はウガンダへの鉄道園長費用37億ドルの出資を拒否
 ー政府は代わりに自己出資で植民地時代の路線を修復予定

・モンバサーナイロビの新路線は高すぎると輸入業者ら。政府からの使用要請に怒り
 -トラックだと800ドル、鉄道だと1100ドルかかる
  終着駅から内陸保管庫までの移動で余計なコストがかかる

・鉄道や道路建設による政府負債は巨額に
 GDPの55%が負債。2013年にケニア大統領が政権の座に着いた時は42%

Kenya opens second phase of modern railway
https://www.africanews.com/2019/10/16/video-kenya-opens-second-phase-of-modern-railway/

#アフリカ 312 2019/10/18
【ブラックの肌と髪へのイノベーション アフリカの科学者】

大手化粧品ブランドが黒人向け化粧品の研究開発に力を入れてる話。
白人と黒人では肌・髪が違うから、黒人向けの商品を作る必要があるって、
そりゃそうでしょ!と思いますけど
メーカー側も消費者側もやっと機が熟してきたということなんでしょうね。

この前、日本在住の黒人女性が「オイリーな日本人髪用のシャンプーはドライになりすぎるから使えない。シャンプーを本国から送ってもらってる」と言っていて、そんなに違うんだ!と思いました。

あと、髪をあんなに引っ張ってて痛くないのかしらと思ってましたが、やはり脱毛の原因になる様子。
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・グローバルな大手化粧品ブランドは白人向けオンリーだったが黒人向けの肌・髪ケア商品にも視線
・2017年のアフリカ美容品市場は110億ドル(1兆円強)
・ロレアル、ユニリーバも黒人向け強化
  黒人向け企業を高値で買収
・研究開発も強化 
 ・ロレアルは3人の科学者を表彰
  ・ニキビ跡の色素沈着@ダカール
    明るい肌より暗い肌色の人が顕著
  ・大気汚染の肌への影響@ナイロビ
  ・脱毛の原因調査@ラゴス
    ウィッグや編み込みで髪をひっぱりすぎ
・世界の肌トラブルの25%は黒人だが、研究対象としてはたった1%
  黒人の肌・髪は特性が異なるので、主流ブランドの商品では合わない
  ->彼らの需要にあうものを作る時代になった
  
・リアーナのFentyビューティブランドは40タイプのファンデを発売。
 一月で1億ドル(100億円)と超売れた
・白人の老化は皺に現れるが、黒人の肌では紫外線ダメージは色素沈着となる
・黒い肌は紫外線に強く、皮膚がんが白人より少ないが、そのため発見が遅れて致命傷になる

・ロレアルなどの大手ブランドは途上国市場に目を向けてる
 - アフリカ人の肌・髪の研究
 - アフリカ人研究者との協働
 ->アフリカ人研究者にもアフリカ人消費者にとっても良い方向になってる

African scientists are leading the next wave of innovation and research on black skin and hair
https://qz.com/africa/1730016/black-hair-skin-care-research-led-by-african-scientists-loreal/

#アフリカ 313 2019/10/19
【南アフリカはアフリカ大陸でどうビジネスしていけば良いのか】

南アフリカが他のアフリカ諸国にどう進出すればいいのかという話。

アフリカ同士でも、課題は日本と変わらないのが面白いです。この波に乗らないと!というのも同じ。

「諸外国がアフリカへ」という話はよくありますが、「アフリカがアフリカの他の国へ」という視点は珍しいなーと。

南アのCEOネットワーキング会で
様々な企業トップが様々なことを語っている記事なので
まとまりは無いです。
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・急成長を遂げるアフリカの波に南アビジネスはどう乗るか?
 -10/15のヨハネスでのアフリカCEOネットワーク会議での中心議題
 
・言語を変える
  アフリカ大陸内で、その土地に合わせた言語を使う
  
・南アの今年の成長率見通し 0.6% 来年1.2%
ケニア 5.7% ガーナ6.2%
→南ア国内だけでなく、成長するアフリカ諸国に目を向ける
 Afcfta(アフリカ自由貿易圏協定)も役立ちそう

・ビジネスリーダーらで公平な分け前を。単独で成功する人はいない
・ビジネス界で女性の活用を。取締役会の男女比は50/50にしたい
・南アビジネス界の評判:取締役会の人種と性別に多様性が無い

・小売りのマスマート(Massmart)社:次の3年でケニア、ザンビアに新たな13店舗オープン予定
 -アフリカ全体の都市化と工業化はビジネスにとって追い風
 -中間の年齢が19.3歳というアフリカの若さも強み
 -若い起業家、イノベーターらは、Massmart社との交渉でも慈善は求めていない
  サプライチェーン、バリューチェーンに入り込みたがっている
・中国からの教訓
  ・南アで上手く行ったことは南ア国外でも上手く行くわけではないと認識すべき
   司法制度も異なる。適切な地元スポンサーを見つけるのが肝
   Group Five社は現にガーナで失敗してる南ア企業
    300MWの発電所計画@ガーナがとん挫、係争中で数百万ドルの損失
  ・南ア企業はリスクを避けがちだが、リスク耐性を付けるべき  
  ・中国はひとまとめに狩りをしてアフリカをマスターした
   南アもバラバラに突撃して、失敗して帰ってくるのは避けよう
・パートナーと構造的問題
 ・欧米は年金基金の資金を巨大インフラプロジェクトに投資
  しかし南アは年金基金構造が不十分
 ・保険会社のビジネスモデルは地元パートナーが大事 
   各国全てのことを知れないので、地元を良く知るパートナーが重要
 強気でビジネスを拡大するが、準備は大事
   
How South Africa can do business with the rest of the continent
https://www.theafricareport.com/18878/how-south-africa-can-do-business-with-the-rest-of-the-continent/

#アフリカ 314 2019/10/20
【アフリカ南部国が英国とブレクジット後の取り決めに調印】

政治的にはBrexit進んでるのかゴタゴタしてますが、
離脱後の貿易協定は着々と進んでるんですね。

アフリカで一番若いボツワナの投資大臣、32歳の方が調整を進めてたようです。高齢長期政権のトップも多いですが、こんなに若い大臣もいるんですね!
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・10月10日ロンドンで正式に調印
  9月に英国と6つの南部アフリカ国モザンビーク、南ア、ボツワナ、レソト、ナミビア、エスワティ二の調印後
・貿易の「継続性と確実性」を確保する合意内容
 英国のEU離脱後も変わらないビジネスをできるように
  英国とモザンビーク+南部アフリカ関税連合SACU
・現在の関税なし、一部国への割り当てでのEC市場へのアクセスと同等のものを保証
・2018年で英国ー南部アフリカ関税連合の貿易は970万ポンド 電化製品、飲食物など
  英国にとっても大事な市場
・交渉はアフリカで一番若いボツワナの投資貿易産業大臣Kenewendo氏、32歳が主導

・英国は既に16の貿易継続合意
  チュニジアー英国、マダガスカル・シーシェル・モーリシャス・ジンバブエとも

African nations sign post-Brexit trade deal with UK
https://africanbusinessmagazine.com/region/southern-africa/african-nations-sign-post-brexit-trade-deal-with-uk/

#アフリカ 315 2019/10/21
【ロシアは”政治条件無しに手助けする”とアフリカに】

ロシアのプーチン大統領がロシアーアフリカサミットを前に、「搾取の西欧」と批判しつつ、ロシアはアフリカの味方だと武器輸出しながら言う話。

こんなにハッキリ西欧批判するものでしたっけ。
サミットにはアフリカ首脳47人が参加と大規模ですね。

利用できるアフリカを巡って、大国同士が牽制しあってるイメージ。アフリカにメリットのある話になれば良いのですが、結局みんなに搾取されそうな。
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・ロシアでのアフリカ首脳陣とのサミット開催前に
プーチン大統領は政治条件無しに手助けするとアフリカ諸国にメッセージ
・”旧宗主国を”搾取する西欧”と呼ぶ 
・黒海沿いのソチ市で今月下旬、47名のアフリカ首脳らが集まるモスクワ初のロシアーアフリカサミット
・アフリカでのロシアの影響力強化とビジネス推進を目的
・ロシアの影響力は高まっている
  アフリカ30か国以上に武器供給、軍事技術協力協定

Russia offers African countries 'help without political conditions'
https://www.africanews.com/2019/10/21/russia-offers-african-countries-help-without-political-conditions/

#アフリカ 316 2019/10/22
【エチオピアの電話通信会社の民営化で広告、モバイルマネー解禁に】

アビーさんの改革の一環だったと思いますが、エチオピアの通話通信市場が開放される話。

参入しそうなのは、いつものアフリカのメジャーな通信会社MTN、Vodacom、Orange。となぜかベトナム国営企業。

自由化でメディアやモバイルマネーが発達しそうだけど、規制コントロールに課題もという話。
記事では小規模企業が参入できない規制を批判してるけど、
インフラ投資が必要だし大企業だけでいいような。
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・世界最大規模の電話通信会社の独占企業が民営化予定、競合参入OK
・国営のエチオ・テレコムと他2社にライセンス発行
・独占市場から競争になることで市場が活性化される見込み
  広告->メディアの発達、衛星TV、モバイルマネーなど
  
・参入候補はMTN、Vodacom、Orange。ベトナム国営のViettelも
・サブサハラのこんな巨大市場が開放されるのは珍しい。エチオピアの公的財政にもプラス
  
・過剰な中国サプライヤーへの依存も減らせる見込み
・適切な規制が重要、そこがちょっと懸念

Ethiopia telecoms privatization can unlock advertising, mobile money
https://www.theafricareport.com/18984/ethiopia-telecoms-privatization-can-unlock-advertising-mobile-money/

◆ニュースソース

基本的に以下をチェックしてます。
Africanews http://www.africanews.com
allafrica.com https://allafrica.com
the africa report https://www.theafricareport.com


このアフリカニュース投稿について。
だいたい毎日、英語のアフリカニュース複数サイトから気になるニュースを1つ選んで
自分で日本語で要約して投稿してます。

ニュース鮮度は良いかと思いますが、翻訳間違いや内容間違いを含んでいる可能性があります。
主に自分のアフリカ情報収集と英語訓練目的で、多少皆さんのアフリカ情報のお役に立てればと思っております。
記事に対するコメント、ご意見、感想お待ちしてます!元記事のURLも貼っているので翻訳に対する指摘も歓迎です!
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Photo by Maksim Shutov on Unsplash


Blue Baobab Africa ブルー バオバブ アフリカ。 東京タワーの麓でアフリカとメンタルヘルスと色々のごちゃ混ぜをやっているカフェですがゴーイングコンサーンに疑念しかないので サポート頂けると嬉しいです。