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きもの を読んで

 最初に読んだ時、るつ子の、着物に対するこだわりが、なんだか面倒な子、と思って、途中で読むのを止めてしまった。

 2回目に読んだ時は、貧乏で苦労している同級生の和子さんに反物をあげたい、るつ子をお母さんとお婆さんが、説得するシーンが、とてもいい。と思った。

 「〜うちで役に立たないものが、あちらに役に立つかね。あげたあとで、こちらの心は痛まないかね。貰ったあちらも喜ぶだろうか。なんだいこれは、と思わないかね。気性の強い人ならむっとするだろうに。るつ子はまるで、受けるほうの身になって考えてはいないし、あげると言うこともよく考えていないよ。」

 着物に限らず、今でもリサイクルとして、アフリカに衣服が送られ、ゴミになっていて、地場の繊維を産業を衰退させてると言う。良いことをしているようで、迷惑なことをしているのでは?と、自分を見返ることが大切と、思う。

 お婆さんのセリフは、何気ないようで、とても重たい言葉だ。

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