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【葬送のフリーレンから学ぶ】物語を面白くする「バトル描写よりも大事な〇〇」って何?

なかです。かくかくしかじかで、アパレル→マンガ編集者になりました。

ということで、いろいろ勉強している最中なのですが、備忘録的に作品制作段階で調べた内容や、自分も脚本書くの好きなので、そこで得た知見をもとに書いていきたいと思います。


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本題です!バトル漫画で一番ワクワクするのって皆さんどんな時ですか?必殺技?アクション?迫力ある線画?画角?みんな違うと思います。当たり前ですけど、バトル描写は物語に「緊迫感や視覚的な魅力を与える要素」として重要です。

そうなんですが!バトル設定や戦闘技術の細部にこだわるあまり、登場人物たちの内面や人間関係の発展がおろそかにされがちなのも事実だと思っています。特にWebtoonでは、新しい視覚表現の可能性に注目が集まりがちで、キャラクター間のドラマティックな対立や内面の成長が見過ごされることが多いと感じています。

とゆーことで!今回は「バトルよりもヒューマンドラマに注目して脚本を書いてみよう!」という話をしていきます。※今日話すヒューマンドラマはジャンルの話ではないです。要素の話なので注意。

「ドラマ」は、キャラクターの心理的な動きや人間関係の変化に焦点を当て、読者に「共感」を促してくれます。バトルシーンの興奮やスリルとは異なり、物語に深みを加え、キャラクターたちを複雑な感情を持つ人間として描く。このように人間ドラマを丁寧に描くことで、物語性が豊かになり、読者がキャラクターの運命に感情移入することで、作品全体の印象も強く残ります。何度も読みたくなる!

確かに、バトル描写が読者を引きつける手段であることは間違いないです。僕もバトルシステムの真新しさだけで勝負してた時期があります!が、本質はそうじゃなかった!物語の持続的な魅力と感情的な影響を真に高めるのは人間模様である!バトルの背後にある人間関係やキャラクターの内面的な葛藤に光を当てることで、物語はより一層リアルで心に残るものとなるのです。

ちなみにドラマの語源は……ギリシャ語の「行動する」らしい。

ギリシア語のドラン (行動する) に由来し,一般に戯曲の意味に用いられるが,演劇学上の概念としては,悲劇や喜劇のいずれのジャンルにも属さない劇をいう。

ドラマとは? 意味や使い方 - コトバンク
https://kotobank.jp › 

とゆーーーーことで前置きが長くなりましたが、Webtoonにもしっかりと人間ドラマを入れていきたいなぁと考えています。もちろん、縦読みは「サクッと流し読みできる」のがいい点ですが、「流し読みしてたら、気がついたら降車駅を通り過ぎてた!あちゃー!」みたいな漫画を個人的には作りたいわけです。

魅力的なドラマを作る三つのポイント

ヒューマンドラマを構築する上で核となるのは、キャラクター同士の感情の交流と、それに伴う心理的な変化だと思います。もっとざっくりいうと「キャラ同士のやり取り→モヤモヤ→その後◯◯に変化!」が大事ってことです。以下の三つのポイントを押さえて一緒に考えてみましょう!

  1. 共感性(Empathy)
    キャラクターが直面する困難や喜び、そして葛藤が読者に伝わるように描く。登場人物の感情や経験に共感できると、読者はそのキャラクターの運命に深く関心を持ち、感情移入する。共感性を高めるためには、キャラクターの内面を詳細に掘り下げ、その動機や感情が読者に理解しやすい形で表現される必要がある。

  2. 葛藤(Conflict)
    キャラクターの内面的な戦い(自己との戦い)、または外面的な対立(他者や社会との戦い)が含まれる。キャラクターが何に対して戦っているのか、その戦いがどのような影響を及ぼすのかを明確にすることで、物語に緊張感と動きをもたらし、読者の関心を引き続けることができる。

  3. 進化(Evolution)
    物語を通じてキャラクターがどのように成長し、変化するかを描くことは、ヒューマンドラマの魅力を大きく左右する。キャラクターの進化は、彼らが直面する葛藤や困難を乗り越える過程で見られる。この変化を通じて、読者はキャラクターの成長を感じることができ、最終的にはその成功や失敗に対して何かしらの感情を作ることができる。

これら三つの要素を効果的に使用することで、ヒューマンドラマは単なる出来事の列挙から、読者が感情的に関与する深い物語性のある作品へと昇華されていきます。

葬送のフリーレンで解説

ここまで書いてて思ったんですが、「葬送のフリーレン」皆さん読みましたかね?アニメでもいいです。おそらくこの作品がわかりやすい事例と思ったので、解説してみます。

ちなみに、『葬送のフリーレン』は、長い戦いの後に平和な時代が訪れた世界を舞台に、不老不死の魔法使いフリーレンが、かつての仲間たちの遺志を継ぎながら旅をする物語です。LINE漫画で無料で読めます!

以下解説!

  • 共感性(Empathy)
    フリーレンは不老不死でありながら、彼女の周りの人間は老いていく。彼女が長い時間を生きる中で、仲間や弟子との別れを経験することによる孤独感が、読者に共感させる要素。特に、彼女がかつての仲間たちと過ごした日々を回想するシーンでは、失われた時間と友情の価値が痛烈に描かれている。

序盤のヒンメルとのシーンめっちゃ好きです。引用:葬送のフリーレン|小学館
  • 葛藤(Conflict)
    フリーレンの内面的な葛藤は、彼女が不死であることから生じている。生きることの意味を見出そうとする彼女の苦悩や、過去の戦いでの行動が現在にどのように影響するかという葛藤が物語に深みを与えている。また、新しい弟子であるフェルンとの関係性を通じて、過去と未来、教師と生徒という異なる立場の間の外面的な葛藤も描かれる。

物語が進むにつれてフェルンが成長していくのが、なんと儚く魅力的なことか。引用:葬送のフリーレン|小学館
  • 進化(Evolution)
    フリーレンがどのように過去の自分と向き合い、そして成長していくかに焦点も当たっている。彼女は旅を続ける中で、かつての戦友たちの思い出や教訓を受け入れ、それを自己成長の糧としていく。弟子であるフェルンとの交流を通じても、彼女自身が変化し続ける様子が描かれ、それによって読者は彼女の内面的な成熟を感じ取ることができる。物語が進行していくにつれて、だんだん変化する娘を見ている感覚に襲われます。

引用:葬送のフリーレン|小学館

とまぁこんな感じで、物語内にバトル描写や魔法システムの解説など独自要素もありつつ、一番面白い部分は深いヒューマンドラマなんですよね。もう号泣ものです。

では、『葬送のフリーレン』を題材に、
・キャラの背景や動機
・感情の描写
・葛藤の設定
この三つをどう表現しているか、考えてみるとよく分かるのでもう少し深ぼってみましょう!

キャラクターの背景や動機を具体的に設定

フリーレンというキャラクターは、不老不死という特異な存在であるがゆえの孤独と、長い時間を生きることの意味を模索する姿が描かれている。彼女の背景には、長い戦争を経て友人たちや師匠と別れ、一人残された寂しさが根底にある。また、彼女の動機は、亡き戦友の願いを果たすことにある。このようにキャラクターの背景や動機を具体的に設定することで、彼女の行動や選択が読者に説得力を持って伝わる。

これが彼女の行動原理
引用:葬送のフリーレン|小学館

感情の描写

フリーレンの感情は、しばしば彼女の行動や対話を通じて巧みに描かれています。特に、過去の回想シーンでは彼女の内面的な苦悩や、失った仲間への愛着が細やかに表現しています。例えば、彼女が若かった頃の無邪気な笑顔と現在の落ち着いた表情の対比からは、時間の経過と共に彼女が内面的にどれだけ変化したかが読み取れますね。

引用:葬送のフリーレン|小学館

葛藤の設定

フリーレンの内面的葛藤は、彼女自身の不死であることによる孤独感や、過去の行動に対する後悔がある。外面的葛藤では、新しい弟子であるフェルンとの関係や、彼女が過去の戦友たちの願いをどのように実現していくかという点が挙げられる。これらの葛藤が物語に緊張感と動きを出し、読者の関心を持続させることができる。

こんな感じで、バトル描写って結構少ないんですよね。バトルも迫力があるというよりかは、敵との対話の中にバトルがある感じ。だから面白い!

ちょっと長くなってきたので今回はこの辺りで終わりにしたいと思います。終始フリーレンすごいという話をしましたが、僕が好きな金色のガッシュや、鋼の錬金術師も人間ドラマが中心ですごく面白いですよね。

Webtoonであれば、バトルじゃないけど人間ドラマを勉強するなら、以下の二つはおすすめです。

ということで、今回は以上です。殴り書きなので、文章おかしい部分とかありますが、ご容赦くださいませ!

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では、また!

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