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アクティブ・ブック・ダイアローグを取り入れた講読の試み

「日本語研究史」という授業を非常勤で担当しています。その授業を今年度はアクティブ・ブック・ダイアローグ(ABD)という手法でおこなっています。

どういう経路でこの手法にたどり着いたかは忘れたのですが、学生たちが主体的に読書できるような授業にしたいと思ったのがきっかけです。

というのも、ぼくに日本語学史をわかりやすく解説するだけの知識がなかったからです。

だったら一緒に教科書を読んで、一緒に学んでいくやり方にしようと思いました。

前回までは、オリエンテーションとして、ABDのプロセスを3つに分けて(コ・サマライズ、リレー・プレゼン、ダイアログ)、それぞれを順番に練習していきました。

この記事のトップに掲げた写真は、あるグループのダイアログの軌跡です(練習なので、教科書とは違う文章を読みました)。

学生たちにとって「本を読む」というと、一人で、黙々と、静かに、頭から順を追って読むのが当たり前だと思っていたようで、ABDのやり方に戸惑う学生もいます。

しかしABDの作業(要約を作る、プレゼンする、意見を共有する)は慣れれば楽にできるようになることばかりだと思うので、このまま焦らず、様子を見ながら、進めていこうと思っています。

実際、毎回の授業アンケートで「先週よりも(要約やプレゼンが)できるようになった」と回答してくれる学生は週を重ねるごとに増えています。

ABDの最大の魅力はダイアログにあると私は思います。ひとりで読むのでは得られない気づきや学びが必ずあるからです。学生たちのアンケートを見ても、「他の人と話すのは楽しい」と感じてくれている学生は多いです。また「普段の授業では思うことがあっても言う機会がないので新鮮だった」と言ってくれる学生もいます。

明日からはいよいよ本格的に教科書を読み進めていきます。前回まではABDのやり方に慣れることを目標にしていましたから、中身の理解は二の次でしたが、これからの授業では中身の深い理解も目指せたらと思っています。


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