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Blue Prismのバージョンアップってどんな感じ?

皆さま、昨年はBlue Prismライフをエンジョイ頂けましたでしょうか?
今年もBlueprismerの皆さまを下支えする記事を書いていきたいと思いますので、宜しくお願い致します。

今回の記事は、バージョンアップがテーマです。選定の背景としては、そろそろバージョン6系のサポート切れのアナウンスが出そうといった話がチラホラ・・、今年はバージョン7系にアップグレードされるお客様が増えるのかなと考えたこと、にも拘らず、バージョンアップにフォーカスした記事が見当たらない・・、ということを認識したためです。

なお、当記事における具体的な対象バージョンとしては、ご利用が多いバージョン6.10.Xから7.2.Xをターゲットケースとし、過去の弊社サポートへの問い合わせや実施事例などから対応が見込まれる重要ポイントやバージョンアップの進め方などの参考となるコンテンツを共有させて頂きます。


1. アップグレード作業の全体像を把握し計画を立てる

Blue Prismは実装されたデジタルワーカーが上位バージョンでも互換性を保って働けるように設計されている製品です。しかしながら、ソフトウェア製品一般論と同様、潜在的な問題が顕在化するリスクがどうしても残ってしまうため、動作検証を推奨させて頂いているのが実状です。
それを念頭に作業の全体像を理解、具体的な準備や計画を検討頂く上では、下記のコンテンツ群が有用です。

製品のリリースノート関連

基本的なところですが、製品のリリースノートは、該当バージョンの制約や要件、変更点などの各種注意事項が纏まっておりますので、ご確認ください。

リリースノート(Ver7.2.1の例)
アップグレード通知(Ver7.2系の例)

アップグレード通知

アップグレードの進め方の勘所(ウェビナー動画&資料)

進め方の実施シナリオや作業環境の考え方など全体感を把握頂く上で重要なポイントを概説させて頂いております。規模を問わず緻密に実施いただくことをベースにした汎用的な内容になっておりますので、自社の状況を踏まえるかたちで緩急つけて頂くと良いかと思います。

アップグレードの進め方の勘所ウェビナー

2. 対応が見込まれる重要な確認ポイントを押さえておく

前項のアップグレード通知や弊社サポートなどへの問合せ事例に基づき、ほぼ全てのお客様において対応が見込まれる重要な確認ポイントをインフラおよびデジタルワーカー(プロジェクト/オブジェクト)の観点から下記に抜粋しました。作業計画や動作検証時の考慮事項として押さえておいてください。

インフラ観点

① Application Server Controlled Resources(ASCR※)用のポートを構成
Ver7系で追加された機能、ASCR用にポートを構成する必要があります。
※ASCRは、コネクティビティを合理化し、単一のBlue Prism環境に配置できるランタイムリソースの数を増やすものです。ASCRを使用すると、Ver6系と比べて、単一のBlue Prism環境に2倍以上の数のデジタルワーカーを配置できるようになります。

デジタルワーカー(プロジェクト/オブジェクト)観点

Ver7.2では、Blue PrismのコアコンポーネントであるAutomate.exeが64bit化されております。それに依る影響と想定される問い合わせが、比較的に多く発生しておりますので、動作検証において意図しない事象に遭遇した場合の確認ポイントの一つとしてください。

① アプリケーションモデラー>アプリケーションマネージャーモードの初期設定値「埋め込み(デフォルト)」が64bit化(※)
Ver7.2以前のバージョンで「埋め込み(デフォルト)」を選択したオブジェクト(VBO)において、データベースをアップグレードされると、表面上は同じ設定値でも意味合いが32bitから64bitに変わっております。そのため、HLLAPI(グリーンスクリーン/ターミナルエミュレータライブラリ)など、自作またはカスタム外部レガシー32bitのDLLを参照するオブジェクトにおいては問題が発生する可能性があり、その場合は、明示的に32bitモードを設定するといった対応が必要です。この点に関してはナレッジベースでの記事も公開されておりますので、ご参考ください。
Why do VBOs that reference 32-bit libraries trigger compiler exceptions when the Blue Prism Enterprise interactive client is run as a 64-bit application?

※補足ですが、32ビットデバイスで32bit版のBlue Prismを実行される場合、埋め込み(デフォルト)の意味合いに変更はありません。

アプリケーションマネージャーモード

② 64bit化に伴いコアVBOの1つ「File Management VBO」が更新
Ver7.2系のインストールされたVBOフォルダ内には、従来の32bit版に加え、64bit版のVBOが追加されています。自社用に拡張されていたりなど、旧バージョンのFile Management(JP版含め)を継続利用する場合は、下記サイトより、新しいバージョンの OLDB ドライバーをダウンロード、インストールする必要があります。
https://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=54920
※accessdatabaseengine_X64.exe をダウンロードしてインストールする

当該事項については、弊社DXサイトにアップされているFile Management VBOでもガイドされている内容です。このVBOの位置づけについては、別記事でご案内しております。

Function for Utility - File Management -XXX
https://digitalexchange.blueprism.com/dx/entry/3439/solution/utility---file-management

また、下記のナレッジベースでの記事も公開されておりますので、ご参考ください。
BPE error "The 'Microsoft.Jet.OLEDB.4.0' provider is not registered on the local machine." when using the 'Utility - File Management' VBO after upgrading Blue Prism Enterprise to v7.2 and above

③ ブラウザ自動化で href のJavaScript 問題を回避
Manifest V3に対応したVer7.1以降のブラウザ拡張機能における制限事項となります。Manifest V3への移行に伴い、Web ページの href アンカーとして含まれる JavaScript のプログラムによるトリガーが禁止されました。
そのため、下記に示された回避策の実装が必要となります。
https://support.blueprism.com/en/support/solutions/articles/7000078851

上記以外の包括的な観点でバージョンアップ作業計画の確認を希望される場合は、弊社のプロフェッショナルサービスによる、Knowledge Supportをご活用頂くことも可能です。
引き続き、皆さまのBlue Prismライフの一助になれば幸いです!