デザイン経営宣言

2019年1月に渋谷IT企業のデザイン戦略担当に転職したことを機に、およそ1年前に経済産業省・特許庁と、産業競争力とデザインを考える研究会から出された「デザイン経営」宣言を改めて読んでみました。デザイン経営宣言なんぞや?な方は画像をクリック。

デザイン経営宣言は、デザイン業界全般に強力な追い風になることは変わりありませんが、あれから世の中がどれほど変わったのか?デザイン責任者レイヤーの僕らがどれほど成功体験を社会に浸透させてこれているのか?でいうと、戦いはまだまだこれから…という所かと思います。


なぜ国が今これをまとめるのか?という背景は、vsシリコンバレー、vs中国巨大テック、 vsフレンチテックなどとの国際競争力。

イギリスのブレグジットはどうやら先延ばしのようですが、経済は先んじて動くので、世界の高度デザイン人材の流出〜獲得は既に始まっているよう。日本も外国人労働者の受け入れも始まるようで、大きな流れとしては、国を出ようと出まいと、僕らデザイナーひとりひとりも、グローバルにさらされる流れが加速しはじめている感じです。

デザイン経営の定義は
- 経営チームにデザイン責任者がいること
- 事業戦略構築の最上流からデザインが関与すること

どの企業もこれを本当はやりたいはずなので、該当者はどこにいるんですか?(ビジネス側)、と、うちの経営はなんでデザイン経営しないんだ(デザイン側)がお互い歩み寄らないとなあと。

いわゆる経営層にはこの数字を見せるだけでOKなんじゃないか?という数値化、見える化されたわかりやすいビジネス言語指標。だけど高度デザイン人材って一体どこにいるんですか?ってのとセットで語られないといけませんね。

ひとつの会社、ひとつのサービスの中で、デザイナーがいるorいないのABテストが出来れば良いのですが、そうはいかないところ、そしてこれまではそのパターンを社会が持っていないでやってこれた…というのが、なんとも難しい所。

効果測定は、デザインが上流から入るのでものづくりのフローがアジャイル・プロトタイピングに変化するはずで、
- 成功確率
- リリーススピード
- アップデートスピード
このあたりが上がるはずなんだけど、これはいくつかやってみないとサンプル数が増えていかないので、せめて中期でとらえてくれるよう経営との期待値調整をする必要がありそう。(この手の説明コストにデザイン責任者レイヤーが疲れないってのが重要でもあるなあと、笑)

デザイン経営を導入する意義は大きく2つ。ひとつはデザイン経営で作られたサービスやプロダクトは経営の意思やコンセプト、ストーリーが体現されているはずで、サービスやプロダクト自体がそもそもブランディングになっていくはず。

デザイン経営を導入するもう1つの意義は、企業の競争力に不可欠なイノベーションは、開発から社会浸透まで一気通貫で体験設計する必要があり、ユーザー行動からサービスやプロダクトをデザインしていくことが求められている。


デザイン経営宣言を作った人たち、経営の現場で試行錯誤して仕事しているデザイン責任者同志は、なんだかみんな美しいなあと。僕自身が諦め「デザイン経営」宣言が言うところの、イノベーションの社会実装・浸透部分の速度を緩めちゃあいけないよなあ…、よしっ!と。


デザイン経営宣言に唯一違和感があるとすると、それはしばしば
- それが出来るのはデザイナーなんです!
- それがデザインそのものなんです!
って言い過ぎるところ笑。(これ自体はとてもありがたい)

これ自体必ずしもデザイナー固有の強みではないような気がするが、まあいっか笑。

僕らは引き続き、そのアイデアなりコンセプトなりを、的確にサービスやプロダクトで体現するデザイン力というか実装力こそデザイン経営の品質を左右するので、ここはもう、妥協なく取り組み、改善をし続けなくてはいけないことは、言わずもがなだなあと。

信じてくれて、試してくれる経営に恥ずかしくない仕事を、僕たちデザイナーはしていかなきゃなあと思うと、結局、「デザイン経営」宣言とは、僕らデザイナーの仕事に向き合う覚悟を宣言しているのかもしれないなあと。


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あざます!
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