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桜の花のゆきつく先

 桜の写真を撮るなら、夜か水面に限る。

 私が撮影した写真を第三者に評価してもらったことはないのでこれは完全に主観だ。ただ夜間や水面に映った桜の姿の方が自己満足度の高い写真が撮れる。

 おそらくこれは私が遠近感のある構図が好きであることと同根で、被写体の輪郭を曖昧にすることで“想像の余地”が拡がるからだろう。
 あと水面に近付けば写したくないものーー人物やナンバープレート、を遠ざけつつ奥行きを確保できる。ついでに言えば満開を過ぎた桜でもそれらしく撮ることができる。

 花、風に落ちる花びら、水面の花。空、緑。水面、水底。

 水に落ちた花は溶け、一部は泥となり一部は下流へ流れていく。この季節の海には桜の花が溶けている。

 泥は魚の滋養となり、海の水は空へと繋がる。いつか私も花のように尸解して、あの青色へ還りたい。


今日の英語:Decomposition

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