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光景を覚えているとして

白いものがふる
それを雪のように錯覚するたび
寒さを感じる

何度も

何度も感じたはずの空の高さに わたしは
そのたびに様々なものを架けていた
若さも 通り過ぎるだけのはずであった感情さえも

ある日の朝、部屋の中から引きずり出したけだるさ
それも 空の下では白く輝いていた

(夏の空の青さの下でわたしの中から生み落としたお前たち)

まだ見つけられないでいるものは いくつだってうごめく
いつか生み落としたものたちも白く変えていた うんざりするほど

うんざりするほど 同じ道にいつも落としていたはずのわたしの日々!

日々のかけらが、
ひとつも整合性の無い線を保ったまま空に架かって白く光る
かつて自身を抱きながら見た光景と同じ

前兆

わたしの起こる前兆だった、と思う

コンクリート
少し照らした光にエフェクトをかけたような薄い色
全部知っていて辿るふりをしたわたしの、靴をはいた両脚 



<解説>
過去に更新していた「Christmas morning bell, after six years.」というウェブサイトをいったんお休みするに当たって、それまでのテーマを総括するために書いた詩です。

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