見出し画像

【機材紹介】名前のないギター

・・・ってタイトル書くと、ノーブランドかよ!って突っ込む方がお見えになるので書いておきます。

タカミネ製です。
ヘッドにもちゃーんと書いてありますし、ボディ内部のシリアルシールや焼印もちゃーんとタカミネ純正であります。

じゃあなんで「名前がない」のか。

このギター、実は「型番が無い」のです。

普通ならここにラベルが貼ってあるんですが、これにはありません。剥がした跡もありません
左側の「PALATHETIC」はシールではなくインレイです。

このギターとの出会いは、2023年。
某ネットオークションで1万ちょいで落札したのがきっかけです。

え?なぜ入札したのって?
やすいタカミネが欲しかったから。
でも、これがまさかプライスレスなヤバいタカミネだとは、到着して2週間経過するまで誰もしりませんでした。
なにしろ出品した人も多分知らないと思います。知ってたらもうちょっと高くなるようなタイトルをつけるはずです。「激レア」とかいうキーワードも無かった、単純に「タカミネエレアコ EST.1962 アコースティックギター」だった覚えがあります(EST.1962って単純に創業1962年って意味なのであんまり関係ないです)。

さて、到着して、いろいろわかりました。
まずは製造年月日が1983年5月10日ということ。(刻印あり)

逆さですが、「MAY 10 1983」の刻印があります


そしてシリアルナンバーから海外向けProシリーズ(日本向けには無いのですが、ホンダでいうVTECエンジンのような、全てベテラン?の手作りシリーズで、中上級者向けの高級シリーズもの)。

通常のタカミネ製と違い、当時のProシリーズは西暦下2桁+生産月2桁+シリアルでした。
ちなみに左側の茶色いプラスチックは電池ボックスです。


でも実は型番がありません。
同一のものをglobal siteのアーカイブでも調べたんですが見当たりません。

で、ダメ元でタカミネに(一部の部品がないか確認ついでに)聞いてみました。
なんと・・・・

頓珍漢な答えが返ってきました(笑
(多分本社もわかってないってことですね・・・・ただ偽物ではないと言うことはわかりましたが・・・あ、ちなみに部品は運良く入手できました、タカミネさんには大感謝😀)

えーーーーーーーー😓
と思ったんですが、よくよく考えてみたらもう製造からちょうど40年経過してるわけで・・
当時20で就職しても多分定年退職してることになりますからねぇ・・・そりゃわかるわけ無いわなぁ・・・と。

で、途方に暮れていたら、なんと別のサイト(英語です)で「タカミネでわからないことがあったらここに聞け!(英語)」と書いてあったのが、なんとFaceBookのグループにありました。
わらにもすがるつもりで、初めましての挨拶がてら書いてみました。

すると・・・
もう海外ニキは大興奮状態w
いやいや興奮とかええから!気持ち悪いわ!型番知りたいねんこっちは!
と思っていると、そこの管理者(実はこの方が一番ご存知なのだそうで)が、
「これ、多分ショーモデルやで・・・(英語)」と。
ショーモデルっていうのは、いわゆる楽器ショーとかの展示会向けに作られた、いわば「デモンストレーションプロトタイプ」。
車で言うなら「参考出品」の、アレです(笑
ならば型番がないのは当然のこと。
なにしろ1978年に、タカミネの当時の画期的なピックアップである「パラスティック・ピックアップ(世間一般でいうところのピエゾピックアップ)を完成させ、当時はそのピックアップのついたエレアコギターを世界に向けて大々的に売出し中。インレイにも「Parathtic」とわざわざ入れてありますから。

管理人さんの話から考えるに、このモデル、EF360S(ボディ、ブリッジ、パラスティックピックアップ+アンプ)+EF360SBG(ネックというかヘッド形状)というもの。
※ただしヘッドのTakamineロゴは更に違っててEF360SCっぽいですが。。。

考えられることは2つ。
・管理人さんの仰るとおり、海外の楽器ショー向けのデモンストレーションショーモデル(プロトタイプ)として作られて、それがなにかの縁でユーザーの手に渡り、流れ流れて里帰り(タカミネは我が地元です)してきた
・Proシリーズのシリアルがついているので、(元々タカミネはカスタマイズやオーダーメイドはできたとのことなので)そのオーダーメイドで作られた1品の可能性

どちらにしても、これは「1本モノ」。
あくまで推測ですが、これがついていたソフトバッグは、どうみても日本の男性が使うようなバッグではなく(新聞の記事のようなものが印刷されてるビニール生地で、缶バッジやワッペンをみても)日本の女の子が使うようなものでもなさそう。
(実際入っていたペンチは日本で売られているものではないちょっと特殊なもので、しかも錆びていて、ピックケースも女性っぽいもの、中にはいっていたピックも同様、ただし今どきの女の子が使うようなものでもない)
私と同年代かそれより上の女性、しかも海外ユーザーが前ユーザーで、もう演奏しないからと手放したのが私の手に来たのかなと思うとちょっと感慨深い。そのギターも里帰りしたかったのかなぁと。

そんなプライスレスなギター。
まだ少し調整中ですが、タカミネのギターは低音中心の爆音?、そしてエレアコが売り。日本製でエレアコといえばタカミネ、と言われるぐらいのもの、大事に使おうと思います。
・・もう寒いのでアレですけど、春になったらタカミネ本社に持っていこうかしら(休みの日に記念撮影でもしに)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?