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Japaninoを復活させる(1)

大人の科学マガジン(ムック)のVol.27に、「テクノ工作セット」と題して、「Japanino」という名の小さなコンピューターが入っています。
今回は、元々持っていたJapaninoを、現代でも使えるようにしていこうと思います。

そもそもJapaninoのスペックって?

実はこれ、Arduinoのサブセット的なもの。
当時のArduinoでいうところのDuemillanove(2009って意味です)に近いスペックなのですが、細かく観ると結構違ってたりします。
ちなみにDuemillanoveは、最近まで主力だったArduino Uno (~R3)の前の代の主力でした。R4からはAtmega328(8ビット)からARM Coretex M4(32ビット)ベースにMCUが変わっています。
※ここではR4についての話は本題からそれるため割愛します。ここでの”Arduino”は、特に指示がない限りUnoR3までのものを指すこととします。

MCU 

DuemillanoveはMCUがAtmega168版とAtmega328版があって、初期は前者、後期は後者になっていて、Japaninoは前者をベースにしてある感じです。
ちなみにDuemillanoveは通常版ですが、JapaninoはVタイプ、つまり省電力版を使ってます。古いArduino Lilypadに使われていたものと同じものです。

クロック(速度)

Duemillanoveはクロックが16MHzに対して、Japaninoは半分の8MHz。
一応Japaninoに使われているMCUは正式名をAtmega168V-10AUと言って、最大10MHzで動作します(し、Arduino Uno R3などで使われているAtmega328-PUは本来20MHzで動作は可能です)。他との互換性を考えてクロック数を少し控え目にしているのでしょう。無論これでも速度的には十分ですが。

電源周り

Duemillanoveは(今とは多少回路は違うものの)9V入力からMCUの動作電圧である5Vに落とすためのレギュレーターがついていますが、Japaninoは簡略化されていて、レギュレータ類はありません。電源を供給するためのコネクタはJST-XH(通称XHコネクタ)で、USB以外からだとそこから供給する必要があります。
ただ、安全のためUSBに接続時は5Vコネクタは外しておいたほうが無難でしょうね。

USB-シリアル変換IC

AtmegaシリーズはUSBに直接接続ができないため、ArduinoにはUSB-シリアル変換ICがついています。
ここは昔から結構変遷があり、本家の方はFT232系→今はAtmega16U2になっています。16U2はこれ自体が立派なマイコンであり、プログラムでUSB-シリアル変換をさせてます。無論これもプログラミングできます(が、やらないほうが安全です)。
一方Japaninoは、M5Stack(最近はMSX0システムにも採用されてますね)のUSB-シリアル変換と同じ系列のCP2104が使われています。
Windows10+最新のArduino IDEでは何もせず認識してますが、場合によってはドライバーが必要な可能性も有る、と書いておきます。
ちなみに中華のArduino互換機だと、CH340というものが使われてたりしたことがあります(こちらは昔は色々問題がありましたが、今はWindows側で問題なく認識するようです)。

次回はソフトの設定をしていきます。


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