春だから、

春だから
私は忖度しないことにした
春だから
私は空気を読まないことにした

えっ それって
季節問わずにしていいんじゃないのって聞かれるけれど
春だから そうしたくなるのだ
そう 春だから 特に

春は何をするにも良い季節だ
だけど 私は三日坊主になるのが早い
したいと思うことが定まらないからだろうか
それでも 春だから何かをしたくなる

今年の春は何をしよう
たった数人のコトバに傷ついて
しばらく書かなくなっていた詩を
思いつくままに書いてみようか

いつだか狂ったようにたくさん買い溜めしていた
ルーズリーフの束が書かれずに積み重なっている
言葉を書く者としては自殺行為をしていた
その手を自分で救わなければ

新聞 ニュース ネットにSNS
情報はアンテナを出してたくさん流れている
けれど 私が紡ぐべき言葉は
いつも この春を通り過ぎていた

春がどのくらい過ぎていけば
この世界が良くなるんだろうかと
日々の生活を生きる私は
窓に射す青空と光に目を細める

やり直しができない人生の中で
唯一やり直せることがあるとするなら
あのとき 書くのを止めていた自分の想いを
再び 書き連ねることを始めるのだ

春は何をするにも良い季節だ
したいと思うことが定まってきたんだろう
詩集と句集を読みふけりながら
ルーズリーフに青いインクで書いていく

そして 私の想いは春に生まれる
さらに 夏秋冬と想いは重なる
人に忖度せずに 空気も読まずに
私は私の想いを 春から綴っていく

春だから
はじまりの 春だから

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