忘れない。

2019.5.11.
今回のハロー言葉 vol.3「気づいてほしかった、」で読んだ詩でございます。
直前に大阪で放送されたTVプログラムで起きた出来事もあって、「怒り」について考えていたこともあり、「あの人への『怒り』にしよう」と思ったのです。
そこで決めたのは「差別」という言葉を使わずにその人のことを言っていることが分かる言葉を使おうと思ったのでした。まぁ読んでみれば分かりますよ。

気づいてほしかった、
せめてあなたには、
どれほどの悲しみや怒りがあったか、
気づいてほしかった。

僕があの日 デモに向かったのは
怒りや悲しみがあっただけではない
この場所に来られない誰かとともに
この気持ちを 共有してあげたいと思ったからだ

声を上げた
気持ちをSNSに上げた
無に帰そうとする誰かのことなど
考えることなどできなかった

“生産性がない”
その言葉にどれだけの人が声を上げられただろう
口を塞がれた人もいるかもしれない
言われた側にもかかわらずその言葉を支持した人も

僕はあなたを心から激しく軽蔑する
そしてその言葉を風化させずに語り継ぐ
それが 僕にできること
「こんなことがあったんだよ」って言い続ける

今も消えることのない言葉を忘れずに覚えている
今でも肉屋を支持する豚がいることも知っている
僕は鈍感になってはいけないと思っている
それを許せば僕自身が終わりになることを知っている

人は生きているだけで政治的だ
声を上げたことで何か物申したい人がいるとしても
「うるせえ オレの人生だ」と言ってやれ
薄汚い水脈から出る水を飲ませるわけにはいかないんだ

尖る石でありたい
角が取れて丸くなった石では物足りない
怒りのために 悲しみのために
押し殺せるものなど 何もないのだ

だから、気づいてほしかった、
謝ったふりをして逃げるあなたに、
この怒りや悲しみを無効化することはできない、
気づくまで、ずっと忘れずに言い続ける、


忘れない、と。

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