「発熱」を考える

発熱を見た場合はまず敗血症、細菌性髄膜炎か否かの判断が必要。

敗血症はqSOFAスコア(下記参照)を利用しスクリーニング。

qSOFA:
Glassgow Coma Scaleが普段より低下
収縮期血圧≦100mmHg
呼吸数≧22/分

2項目以上ありで敗血症が疑われる。

敗血症が疑われる場合は血液培養、必要に応じて尿培養、痰培養を提出。
その後抗菌薬の投与。

細菌性髄膜炎の所見は発熱、頭痛、意識レベル低下、後部硬直あり、Jolt Accentuation(1秒間に2−3回首を振ると頭痛が増悪する)陽性等

細菌性髄膜炎が疑われる場合は血液培養、抗菌薬投与、頭部CT、腰椎穿刺の順番に施行。

その他エマージェンシー疾患(急性閉塞性化膿性胆管炎、壊死性筋膜炎、結石性腎盂腎炎、CAPD腹膜炎、化膿性関節炎、膿瘍形成等)もできるだけ除外を心がける。

上記疾患が否定できた場合はtop-to-bottom approach(頭のてっぺんから足の先までしっかり)で診察を行う。

高齢者、血液疾患、糖尿病、腎臓病・透析、肝硬変、担癌患者、化学療法・免疫抑制剤・ステロイド投与、人工物留置、好中球減少症は急変しやすいため注意。

入院患者の発熱は肺炎、尿路感染、CDI(Clostridium difficile Infection)、SSI(Surgery Site Infection)、デバイス感染をまず鑑別に上げる。

その他に見逃されやすいものとして薬剤、褥瘡、偽痛風、深部静脈血栓症などがある。


参考文献:内科レジデントの鉄則 第3版



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