物理療法学(温熱療法2)
ホットパックとパラフィン浴について記載しています!
良かったらご参照ください!
ホットパックとパラフィンの補足説明を記載しています!
【ホットパック】
・仕組み
シリカゲル
(成分は純度が高い=酸化ケイ素。吸水性に優れている、乾燥剤の内容物)
ベントナイト(粘土鉱物の一種)
厚い木綿の袋やジーン布の袋で包んだもの。
比熱の高い水を含むことが可能=熱エネルギーを多く持つことが可能。
・使用機器・用具
加熱浴槽(ハイドロコレーター):湯温度は70~90℃
ピックアップバー
ホットパック
タオル
ビニール袋(乾熱法の場合)
乾熱ホットパック
ビニールやナイロンの袋で覆う。
その上からタオルで包む(治療面側4~6枚)
→皮膚温が38~42℃になるように設定。
※タオル量が少なくて済む。持続時間が長い。拭くなどの手間が少ない。
利点:衣服が濡れない。
欠点:湿熱よりも熱伝導率は低い(タオルと空気を介するため)
湿熱ホットパック
直接タオルで包む。(治療面側6~8枚)
→皮膚温が38~42℃となるように設定。
衣服が濡れいないように配慮し不快を与えない。
利点:乾熱より熱伝導率が高い
欠点:蒸気によって患部・衣服が濡れてしまうことがある。
※治療後、水分の気化などによって、治療部位の皮膚温低下は乾熱よりも早いため、皮膚に直接当てることが望ましい。
電熱ホットパック
電源を入れ皮膚温を設定する。
蓄熱式とは異なり電流回路由来のジュール熱にてパック自体が発熱し
その伝導熱を生体に伝達する。
蓄熱式による温熱提供と比較し効果が限定的。
特徴:皮膚など浅層組織を伝導熱で刺激。
電気的発熱のため、温熱時間に制限が無い。
パックのサイズが限定されるため広い部位では複数枚必要。
乾熱であるため、湿熱と比べ熱伝導率が低い。
効果:温熱刺激→温熱局所の皮膚血流促進・皮膚伸張性促進・
交感神経活動抑制・神経伝達速度改善。
表層筋・腱の加温→筋内血流・代謝促進・筋・腱の停止部疼痛緩和・
筋スパズム軽減
利点:湯ホットパックよりも準備時間が短い・一定温度保持可能・
水分を含まない分軽量
欠点:適用中に冷めないため、熱傷リスクが湯ホットパックよりも高い。
【パラフィン浴】
グローブ法
一層よりも二層目以降は遠位にする。
パラフィン浴に2~3秒浸し、固まり不透明になるまで空気にさらす、
その後つける。これを5~10回繰り返す。
患部をビニールで包みその上を1-2枚のタオルで覆って
20-30分ほど保持する。
利点:浴中法程欠点が無い。上肢を安楽な位置における。
持続法
各手指・手を広げ浴槽内に患部を浸す。
いったん引き上げパラフィン被膜を形成し、固まり不透明になるまで
待つ(2回以上)。再び浴槽に入れ、持続的に浸しまま静止する。
利点:保温性はよい。
欠点:患部の温度が下がらない為、温度設定と熱傷注意が必要。
患部が下垂位になる。治療中、機器を一人の患者が占領。
患者の肢位が長時間窮屈となる。
浴中で被膜の破損に気づかない可能性。
グローブ法と同様に3層程パラフィン膜を形成してから浴槽内で保温する
→間欠液浸法
対象部位を浸し続けるもの
→持続液浸法
塗布法
治療領域の上にブラシでパラフィンを塗る。
パラフィンを数回塗り、塗布した領域をビニールで包みその上でタオルで
覆い保持する。
利点:体幹や四肢の中枢部に適用可能
→ホットパックや赤外線で代用されることが多い。
参考文献
奈良勲:標準理学療法学 専門分野 物理療法学、第5版第1刷、医学書院、2020。
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