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遊佐未森の『潮騒』がヤバかったので全アルバムを聴いた(その2)

前回の続きです。

遊佐未森のアルバム『潮騒』がヤバい

繰り返しになりますが、この記事で言いたいのは「遊佐未森のアルバム『潮騒』がヤバいからみんな聴いたほうがいいよ!」という一点です。

遊佐未森の音楽はどう進化してきたのか?

遊佐未森の音楽性の変遷

前回はメルヘン期の話まで書きましたので今回は模索期から。

模索期

メルヘン期は『HOPE』『モザイク』で完成を見てしまった。
そうなると次が難しい。
ここから次の音楽性の模索が始まります。

ベスト盤『桃と耳』を挟んでリリースされたのが『momoism』です。
メルヘン期の雰囲気も残しつつ新しいチャレンジが行われています。
アフリカの民族音楽的なミニマルな楽曲が多いです。

「土の話」ではストレートにアフリカの民族音楽のサンプリングが使われています。

サンプリング元はこちら。

またボーナストラック的な「ブルッキーのひつじ」は「みんなのうた」っぽいですね。


で、これもしっくりこなかったのか、次のアルバムではまた新しいチャレンジをします。
アイリッシュフォークバンドNightnoiseとともに制作された『水色』です。
これが本人もよく語っているようにキャリアの大きな転換点となります。

ここで白眉となるのは何といっても Island of Hope and Tears。
これはNightnoiseの曲に日本語詞を付けたカバーなのですが、これが素晴らしい。
この曲でようやくファンタジー路線ではない遊佐未森に自信が付いたんじゃないですかね(憶測)。

さて、ではこのままアイリッシュフォーク路線で行くのかな?と思ったら次はハワイアンでした。
これが『アルヒハレノヒ』。

そして『アカシア』。このアルバムは楽曲のクオリティは高いのだけどアルバムとしてのまとまりに欠け、イマイチな印象。(個人の感想です。)

ニューエイジ期

ここへきてようやく覚悟を決めたのか、『水色』で成功したアイリッシュ音楽をベースとした音楽性に舵を切ります。
ただ、ここでいうアイリッシュ音楽は Windham Hill Records 系のニューエイジ音楽としてのアイリッシュ音楽ですので、ネーミングとしてはニューエイジ期としています。

で、アルバム『roka』です。アイリッシュ音楽の要素を自家薬籠中の物としてオリジナルな音楽を作り出しています。
こちらはタイトル曲の後年のライブ音源。

手ごたえがあったのか、『ECHO』『庭』『small is beautiful』『honoka』とこの路線のアルバムがしばらく続きます。

「青の行方」は遊佐未森で最もロックな曲でカッコいいですね!

しかし、遊佐未森も時代の変化と無縁というわけではありません。
次に現れるのが短いエレクトロニカ期です。
しかし。このエレクトロニカ期、最新アルバム『潮騒』を理解するうえで重要な作品だったりもします。

といったところで記事を分けます。


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