抵抗を手玉に取る

動機づけ面接法のポイント⑤

いよいよ飽きてきたので、動機づけ面接法を紹介するブログは今回で終わりにします。

最後にご紹介したいのは『抵抗を手玉に取る』の質問技法です。
動機づけ面接法では、コレがめちゃくちゃ肝です。
コレができない人は、動機づけ面接法をやらない方がいいです。ってほど重要です。

セラピストは、クライエントが抵抗したら、すかさずResist(レジスト)です。
※Resist:あ~せ~こ~せ~情報提供する気持ちを抑えること
そして、抵抗しているときに出る『維持トーク』はぜ~んぶ話してもらうことがポイントです。

以下は、Resist(レジスト)できないセラピストの例です。こうなると最悪…

あなた「ダイエットは順調ですか?」
相手 「いや~… ストレスが溜まって夜中にお菓子食べちゃいました」
あなた「えっ!この前、約束したじゃないですか!」
相手 「でも、余裕がなくて… 残業も続いて… もうどうでもいいって気持ちになって…」
あなた「夕飯はしかたないにしても、せめてお菓子は我慢してくださいよ!」
相手 「でも、甘いもの食べないと気が狂いそうで…」
あなた「も〜困りましたね。糖質と脂質は控えてください!」
相手 「でも… 帰りが遅くて、駅前の牛丼屋しか行く気が起きなくて…」
あなた「もう、勝手にしてください!」
相手 「ごめんなさい…」

上記の話し合いでは、クライアントからは『維持トーク』しか出ていないので、自分の『維持トーク』を聞いて、現状維持でいることを信じつづけます。
そして、変わらない決意を固めます。
そして、セラピストに非難の感情を抱き、この人とは二度と話したくないと心に決めます。

一方、セラピストも「あ〜せ〜こ〜せ〜 変われ変われ」と、はじめのうちは良かれと思って情報提供するものの、終盤には『こんなに言ってるのに、なんで分かってくれないんだ(怒)』という信念が固まっていきます。
セラピスト側も自分の言った言葉を信じるので…

この不毛なやり取りによって、お互いにお互いを『大嫌い』が加速していくのです。

だから何度も言いますが、抵抗しているときに出る『維持トーク』はぜ~んぶ話してもらうことがポイントです。
さらに重要なことは、「分かる分かる。私もそうだ。そう考えるのは最もなことで、一般的なことだ。」と、一切の嫌みなしに共感していく姿勢が大切です。

あなた「ダイエットは順調ですか?」
相手 「いや~… ストレスが溜まって夜中にお菓子食べちゃいました」
あなた「ストレスが溜まると食べちゃいますよね~ 。ちなみに、なに食べました?」
相手 「シュークリーム と ポテトチップス です…」
あなた「疲れているときのシュークリームは最高ですよね!」
相手 「そうなんです… でも、翌朝になると後悔してしまって…」
あなた「分かります。でも美味しいですよね!他にも好きなお菓子はありますか?」
相手 「夜中のアイスは最高です」
あなた「そうそう!アイス派の人は多いですよね~」
相手 「やっぱりみんな同じですね。反省反省…」
あなた「そうそう。みんな反省します!どう切り替えていきましょうか?」
相手 「ん~ 朝方の生活に切り替えて、早めに出社しようかなぁ…」
あなた「そうすると、どんな効果がありますか?」
相手 「思い切って残業を止めれば早く眠れるので、食べなくて済みそうです」
あなた「いい方法ですね!他にも何か考えられますか?」

実は、上記の会話のように、
抵抗しているときに出る『維持トーク』に対して、思い切って乗っかってみると不思議な現象が起こります。
クライエントの方から反省の弁が出てくるのです。そして、勝手に『チェンジトーク』を話してくれるのです。
あなたの役割は、また『チェンジトーク』をたくさん話してもらうことにシフトするだけです。

まとめ
抵抗したら、まずはResist(レジスト)です。
あ~せ~こ~せ~指示するのはやめましょう。
そして、思い切って『維持トーク』に乗っかってみます。
「分かる分かる」と共感して聴き続けましょう。
そのうち、反省の弁が出てきます。
反省の弁は『チェンジトーク』です。
そこからは、前回までに紹介したオープンクエスチョンの技法を使って、『チェンジトーク』をたくさん聴きまくってください。
これが『抵抗を手玉に取る』です!

さて、もう『動機づけ面接法』のブログを書くのは疲れたので今回で終わりにします。

やればやるほど対人関係がうまくいくので、ぜひ、試してみてください。

以上、よろしくお願いします。

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