スケールクエスチョン

動機づけ面接法のポイント④

前回までは、オープンクエスチョンの質問技法を使ったチェンジトークの引き出し方を解説しました。
質問が上手になると、相手なりの価値観や動機が詳しく見えてきて、本当に自分と相手は違うんだな…と気つきます。

今回は、その価値観や動機のバロメーターについて、さらに正確に理解するための『スケール・クエスチョン』について解説します。

スケールとは『尺度』のことです。
・10段階だと、何段目くらいですか?
・100%だと、何パーセントくらいですか?

と聞くだけです。簡単です。

でも、動機づけ面接法は『動機』にフォーカスしている技法なので、チェンジトークを戦略的に引き出す狙いがあります。
スケール・クエスチョンは『3つのステップ』で展開します。簡単かつ効果的な質問技法なので覚えておいて損はナシです。

では、以下の例文にそって解説します。

STEP①
10段階のうち、どの辺にいるかを聴く

部屋が汚いので いいかげん掃除したいとのことでしたね。そのために、まずは要らない書類を捨てようとのことでした。
要らない書類を捨てることは、あなたにとってどのくらい重要なことでしょうか?
10が もの凄く重要で、1が 全然重要ではない、だと、どの辺にいますか?

「5かなぁ…」

STEP②
(その数字より)下ではない理由を聴く

『5』ですね。
『5』ということは、3.4を超えて半分まで来ているということですが、半分まで来た理由を教えてもらえますか?

「そうだなぁ… いつかは やろう・やろうと思っていたし、この機会にいよいよ取り組んでみようと思ったから… それに、そろそろ結婚とかもしたいし、相手と一緒に暮らす前に片づけて置かないといけないからね。」

STEP③
その数字をもうちょい上げる方法はないか聴く

書類を捨てたり部屋を片付けることは、もともと考えていたことだったんですね。しかも、結婚に向けての準備という意味もあったのですね。
では、先ほどの『5』という数字を『10』にしろとは言いません。
『6』『7』くらいまで上げる方法は、何か考えられますか?
または、過去にもトライしてみた方法があれば教えてもらえますか?

「そうだなぁ… とりあえず、段ボールを用意して、要らないモノをガンガン入れることにしよう。それを『要らないものBOX』と名づけます。そうすれば、捨てられない症候群から脱出できそうですね。とにかく1年間使っていなかったモノはガンガン投入したいと思います。あぁ~やる気が湧いてきました。」

STEP おまけ
最後の最後に、だめ押しで聴いてみてもOK

では最後に、『要らない書類を捨てること』をする可能性を教えてください。100%のうち、何パーセントくらいやりそうですか?

『100%っス!』

<まとめ>
人の言葉は曖昧な部分が多いです。
だからこそ、数値化したり、その数の持つ意味を聴いたりすることで、価値基準を探究することが自己理解への近道となります。
さらに、数値の意味をプラスの方向へと焦点づけるお手伝いをすることで、モチベーションは高まっていきます。
簡単な方法なので、大切な人へプレゼントだと思ってガンガン活用してください。

以上、よろしくお願いします。

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