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Music of Delusion 第1話 ~プロローグ~

私たちが住んでいる世界とは全く別の世界
その名は「セシード」
この世界の中にはいくつもの空間があり
それぞれは互いに干渉せずに存在している。

この物語の主人公は「タビロド」
彼の姿は見る人によって変わる。
しかし、人格は1つ
明るく社交的で好奇心旺盛である。

そんなタビロドが何気ない日常から
大冒険へ出発する。

〜朝〜

「今日も一日何しようかなぁ」
この空間にはタビロド以外には何も存在していない

「昨日は一日中この空間を歩いてたなぁ」
「でも何にもなかった」

〜昼〜

「あれ?何かを感じる」
タビロドが感じたのは赤いゆらゆらしたものだった
「もうしばらく見つめていよう」


〜夜〜


タビロドが赤いゆらゆらしたものを見つめていた時、
1つ思いついたことがある。
「これはなんなんだろう… ? 近づくだけではなくて
 重なってみれば何かわかるかも」

その瞬間、視界が真っ暗になり
気がつくと目の前には田舎の農村風景が広がっていた

そしてタビロドの姿は少年に変わっていた。
「どこだろう。ここ?」

穏やかな自然の山々の中、
風が吹き、草の匂いを感じた。
タビロドは大きく深呼吸をした。

「ふぅー。気持ちいいなぁ」

目の前に続いている獣道を歩いていると
木陰からいきなり、馬に乗った人影が現れ
火のついた弓を射るとタビロドの周りの草が燃え始めた
「熱い!」

タビロドは火から離れるように全力で走った
「誰だ!?お主は!?」

馬の上に乗った男性は尋ねた。
「初めて見る輩だな」
「僕はタビロド。ここには初めて来ました」

男性にはタビロドの姿が愛しい我が子のように見えたため
無意識に手を差し伸べた
「ありがとう。僕はこの場所がよくわからなくて
 行くあてもないんです。」
「そうか、それでは案内しよう」

男性はタビロドを持ち上げて馬に乗せ、
合図を出すと、馬はゆっくりと前に走り始めた。

「ちなみにお名前をお伺いしても?」
「あぁ。私はヒブサメという名だ」
「よろしくお願いします」




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