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「意識の置き所」と柔らかさ

天真体道瞑想クラスで取り組む稽古の中に、ワカメ体操というのがある。その名の通り海藻のワカメみたいになりきって柔らかく動く事で、体も心もほぐしていく体操だ。

一人で行うやり方から複数で行うものまで様々なバリエーションがあるが、一人がワカメ(受け役)になり、もう一人が海(押し役)になって二人で組手を行うスタイルが割と多い。

ワカメ役は海役を信頼しきって任せきり、一切抵抗せず、ひたすら柔らかく受けてその力を流す(ただし足は移動はしないようにする)一方、海役は全身の動きを柔らかく統合しつつ、その流れを片手の指先に集約してワカメ役の人を様々な角度から様々な方向に押して行く。

慣れて来ると、海とワカメが一つになって互いに溶け合うような動きになり、傍から見ていても自然で美しい動きになって来るし、自分がワカメや海をやっていても境界線が溶けて行くような心地よさを味わう事ができる。天地人々ワレ一体を目指す体技としては、その状態になれれば良いのだが、稽古の中では色々と実験的な事にも取り組んで、心身の状態と技の利きの関係や、個人個人の差異についての探究を深めたりもする。

そうした中、最近行ったある取り組みは、初心者からベテランまでほぼ一貫して同じ感想が得られる大変興味深いものだったので、その条件と結果、そして、そこから得られる考察をベースに、日常にどうフィードバックできるのかの可能性についても述べてみたいと思う。

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