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好きな食べ物が無いという話

カステラの法則というのをご存じだろうか。

「カステラが好きだ」と言い続けるとカステラが貰えるから好きなものは言って言った方がいいという話らしい。

それ自体はその通りだと思うし、貰う方は元よりお土産を買っていく方にしても選択肢が絞られるのは大変ありがたい話だろう。

そこに異論は全くない。

問題は私に好きな食べ物が無いという話である。

完全に私の個人的な屈託した精神の話になって申し訳ないので、好きな食べ物がちゃんとある人はカステラとぶぶ漬けを差し上げますのでお召し上がりになっててください。


嫌いな食べ物ならある。

レタス、わさび、ピーマン、春菊、グリーンピース…

緑の物は大体嫌いだ。

逆に好きな食べ物となると「それ以外」としか言えない。

嫌いなもの以外はほとんど全く同じくらい好きなのだ。

嫌いなものが10点とかだとするとそれ以外はほとんど80点とかなのだ。

とは言え多少の優劣はあるわけだが、そこで何が問題かというと先ほどの「カステラの法則」だ。

仮に私の一番好きなお菓子がカステラだったとして、「カステラが好きだ」と言い続けたとしよう。

法則通りだとすると、誰かが旅行に行ってお土産を買ってくるたびに私はカステラを食べることになるのだ。

カステラ、そんなに食べるか?


また旅行に行った友人はこう思うのだ。

「旅行先のホテルで珍しいお饅頭があったけどあの人カステラ好きだって言ってたからこっちのカステラにしよっと」

いや饅頭買ってきてくれよ。

先ほど言ったように嫌いなもの以外は大体好きなので、出来れば色んな種類のものが食べたい。

なんだったら72点くらいのものだってたまには食べたい。

しかし「カステラの人」となってしまう事で数多ある美味しいものに出会えなくなってしまうのだ。

なので今日も私は胸を張って「好きな食べ物は無い」と言う。


ちゃんと好きなものがある人は言った方がいいと思います、本当に。


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