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ラフレシアはデカくてクサいだけじゃない。

あなたはラフレシアという植物を知っていますか。そう聞くとそれなりの人は知っていると答えます。デカい花でしょ、と。クサい花でしょ、と。ポケモンにもなってるでしょ、と。

私もそうでした。知っているつもりになっていました。でもラフレシアの特徴はこんなもんじゃありません。

花が有名なラフレシア。花以外がどうかというと、実はなんと根も葉もない完全な寄生植物だというのです。これは根も葉もないウワサではありません。事実です。

ソースはこちら。音声は英語ですが、テキストは日本語も選べるのでご興味あれば。

植物を緑色たらしめる葉緑体すら捨て去っているので、光合成で栄養を作り出すこともできず、寄生した特定のブドウ科の植物から水も栄養も獲得しています。加えて自らを成長させる遺伝子すら拝借するそうです。あまりにも他力本願。

宿主の力を借りて咲かせた大きな花は律儀に雄花と雌花に分かれています。己の力では受粉できないため、動物の死体の臭いを放ってハエを呼び寄せ、ハエに花粉を運んでもらうのです。だからクサい。花はわずか数日で枯れて種子を作ります。己の力では種子を拡散することもできないため、どこかの誰かがブドウ科の植物に種を植え付けているはずですが、その担い手には諸説あり、未だによくわかっていません。

人が種を植え付ける栽培はあまりうまくいっておらず、熱帯雨林の減少に伴い絶滅の危機に瀕する品種もあるラフレシアの保存はもちろん、その生態の研究のためにも栽培方法の確立が求められます。果たして絶えてしまう前に謎多き花の全容を明らかにすることはできるのでしょうか。

……といったように、皆が知ってそうな特徴と皆が知らなそうな特徴を絶妙なバランスで併せ持ち、知れば知るほど人に話してみたくなる。ラフレシアはそんな植物でした。

余談
ロックマン6のボスのひとりであるプラントマンはラフレシアモチーフだと思っていたけれど、ボディに葉や茎があしらわれているのでラフレシアではないですね……いや、顔がラフレシアで体はブドウ科の植物なのか??

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