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小説を書いて6年、書籍化の話が来たけど断ったワナビ

どうも、久保です。
普段はシナリオライターとして活動する傍ら、Webに小説を上げています。


「小説家になろう」がこちら
https://mypage.syosetu.com/464223/

もうかれこれ高校三年生の頃から数え、6年余り小説を書いてきました。
三国志を題材の中心に扱うようになったのは、ここ1年くらいの出来事。

最近は大変ありがたいことに、Web上のコンテストで名前が挙がる程度の存在になれてきたのかなと、何となく感じています。

特に、Web小説サイト最大手「小説家になろう」様にて、歴史ジャンルのランキングに自分の作品が掲載されたことで、自分も何とか「底辺作家」を脱する事が出来たのかなと(笑)

他にも「MAGNET MACROLINK」「アルファポリス」といった投稿サイトでも、コンテストで賞もいただきました。

ただ、やはり、スタート地点である「書籍化」には手が届かないのが現状。

賞をいただいても、数千円の賞金と、名前が掲載されるだけに留まります。
まぁ、鳴かず飛ばずだった数年間に比べれば、大きな飛躍であることは間違いないのですが。

でもやっぱり「書籍化」は一つの目標でもあります。

人生賭けての「夢」は、大河や映画になるような、そんな原作を書く事。
分かりやすく言えば「キングダム」を超えること。
司馬遼太郎を超えること。

道のりはまだまだ遠い。書籍化も出来てないくせに。

そんな中、自分の下に一本の電話がかかってきます。

何を隠そう、大学時代は精神をこじらせて、みんなの嫌われ者、臭いものには蓋をしろ、そんな扱いを受けていた僕です。
もちろん友達なんかおらず、連絡をしてくれるのは親くらいなものです。

いつもお米ありがとう。

聞きなれない着信音にビビりつつ、電話を取りました。

『もしもし、○○文庫の△△△という者です』

つい先日、新人賞を開催していた文庫の名前であった。

とりあえず字数制限もゆるく、短編でも投稿できそうだなと思ったので、こちらの文庫に「魏延 ~裏切り者と呼ばれた男~」という題名で短編小説を応募していました。

一応作品はこちらです。
https://ncode.syosetu.com/n2110fb/

ただ、応募したのも結構前だったので、すっかり忘れていたのです。
発表された受賞作品にも、掲載されてなかったですし、おすし(._.)

『久保カズヤ様で、お間違いないでしょうか?』

「え、あ、はい」

本名じゃなくてペンネームで呼ばれると、ムズってするよね。
始めて好きな人に下の名前で呼ばれるあの感覚。

あ、俺、恋人いなかったわー。その感覚分かんねーわ。
泣いちゃおっかな。

『先日は、作品をご応募いただきありがとうございました』

「いえいえ、こちらこそ、ありがとうございますぅ」

『それでですね、久保様の作品を読ませていただきました。短編ですが、文章の構成も素晴らしく、やはり長いこと小説をお書きになられているのでしょうか?』

「かれこれ、六年ほどですかね。他にもシナリオも書いてます」

『なるほど。それでですね、こちらの短編を長編にした形か、それか短編を詰め合わせたような形で「三国志」の書籍を出版するお気持ちはないでしょうか? というご相談でお電話を差し上げました』

ついにきたと。
心臓が跳ね上がり、右へ左へ暴れてるような感覚でした。

ようやく僕も、スタートラインに立てると。

そう思いました。しかし


ただ、こちら、自費出版という形になるのですが


おぅふ。

口から出かかった二つ返事が、のどちんこにしがみつき、うわーいと臓腑に駆け戻る。

というのも、出版業界での噂というか、通説として
「自費出版は九割五分、闇の深い話」と言われてます。

その深い闇の部分の話は、別に書籍化作家でもない自分にはわからない話なので、それなりに名の知れてる作家様が出してるエッセイをご覧ください。

自分で言ってて寂しくなるとか、逆自家発電。


そもそもの話として人は「良いモノ」にお金を支払うのが世の仕組みです。
嫌なモノ、どうでも良いモノにお金は払いません。

自費出版というのは、自分でお金を出して書籍化しませんか? という話。

言い換えれば「私たち出版社側からは、特にお金を払ってまで書籍化しようとは思わないけど、まぁワンチャンあることにはあるかもだから、テメーで金払ってくれれば書籍化しますよ?」という話になります。

そりゃ、いい作品なら、こちらがお金出しますんで書籍化しましょう!
これ絶対売れますんで! 頑張りましょう!!

となるはずじゃないですか。

とあるツテで話を聞いた、某出版社の編集者さんもこう言ってました。

自費出版はほぼ「闇」の様な話です。
「売れる」作品なら、出版社は普通に作家と契約を結びます。


と。


「大変ありがたい話なのですが、自費であれば、お断りさせていただきたく思います」

『三国志であれば今後、盛り上がっていく業界だと思いますし、リターンも見込めると思いますが、何か理由はあるのでしょうか?』

「根本の話ですが、お金のリターンでは無く、『面白い作品』だと読者に思っていただけるかどうか、を大切にしたいんです。お金を出してでも読みたい、書籍化したい、そういった信頼のある作品を書けるように、頑張りたいと思います」

『分かりました。まだ久保様もお若いですし、考えが変わった場合は是非、ご相談ください』

「ありがとうございます」

こうして、23歳のスタートラインは、また遠くへと離れていきました。
まだ僕は、誰にも認められてない。旅路は続く。


書籍化をゴールとするなら、自費出版は良い手段だと思います。

ただ、僕の場合はここがスタート地点。
今後のことも考えないといけません。


僕の判断は間違ってなかったと、自分に言い聞かせながら、今日も小説、シナリオ執筆に励みませう。


いやーでも、悔しいなぁ(笑)



< 終わり >

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