「再会」
「どうも」
大学を2年で辞めた僕は、前日の仕事の後大学時代の悪友の家に泊まっていた。
帰り際にその悪友のアパートに「君」はやってきた。
僕と悪友の良祐が所属していたサークルの後輩だと紹介された。
長い髪とぱっちりとした目の女の子らしい可愛げのある娘。
「君」は少し恥ずかしげに軽く頭を下げた。
その時「僕」はすでに「君」を知っていた。
(あいつ、この間まで同じ年の彼女いたのにもう新入生に手出したのかよ。
どうしてあいつはすぐ彼女ができて俺にはできないんだ?)
彼女というものにほとんど縁のない僕はずっと彼女のいる悪友を半分妬みながら
(へん、俺にはギターがあるさ。他のやつらと同じに女なんかにかまうものか。)
と自分に言い聞かせた。
明らかに妬み根性なことはわかっていたけれどそう思うことで僕はギターへの思いをさらに強くしていった。
つづく
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