言葉は強くて嘘つきだから僕はゆらゆらする

最近よくゆらいでること。言葉は強くて嘘つき。
僕は思っていることの8割くらい、いつも言葉にならないまま生きている感じがする。いわゆるコミュ障ってこういう人だと思う。言葉の早い人は早く人を動かして、次々に一緒にいろいろなことを生み出していく。尊敬するし、いいな~と思う。
僕にはできないことが歯がゆいけど、僕には言葉にできない理由がある。言葉にしない理由がある。その理由に納得しているから、このままで居てもいいと思う。
でも伝えたいこともある。言葉にしないと伝わらない。ゆらゆらする。ゆらゆらを不完全な言葉にする。


言葉は強い。
わかりやすさが強さになる。りんごを知っているひとに「りんごが」といえば、その人にもりんごが浮かぶ。はやい。言葉は人類の大発明。
数字はさらに強い。「3時に」「50人に」数字はゆるぎない客観性がある。

言葉は嘘つき。
なにか目の前で起きたこと。なにか思ったこと。それを日本なら日本語にあてはめる。あてはめているだけだから、必ず言葉≠事実になる。「りんご」と言われて頭に浮かぶりんごは、だれひとり同じリンゴじゃない。だから、言葉は必ず嘘になる。
言葉は不完全で、クセがある。そのクセをうまく使う人もいる。
 200円より198円の方がお得な感じがする。
 「私は~だと思う」よりも「これは~だ」って言いきった方が人を動かす。
 資本主義×言葉はかなりスパイシーな組み合わせ。日々スパイシーな言葉を振りかけられて、人類みんなカレーになりそうだなとか思う。

言葉使いは魔法使い。使い方をまちがえたら黒魔術。言葉がうまくなるほど、うまく伝わるようになるほど「伝わった」って勘違いしてしまう。
言葉で伝えた気になってはいけない。言葉は強くてうそつき。気を付ける。言葉は今日も世界中で一言ごとに誤解を生みだし続けている。しかもわかった気になる誤解だから始末が悪い。

「わかるわ」「わかった」っていわれるほど「わかってないんじゃない?」って言いたい。
「わからない」って言われると、「わかろうとしている」って思う。

僕は伝えたいから言葉にする
言葉は強くて嘘つき。だから伝わってない。僕の言葉を聞いた人は、「わかろうとしてわからない」でいてもらえたらうれしい。それが一番誤解がない。でも効率が悪い。仕事が進まない。その人はもやもやしてる。

そんなことを考えている間に、今日も早い人の言葉が目の前を通り過ぎて、僕は言葉にしない日々が過ぎていく。