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勇者の剣と盾

スクールカウンセラーとの出会い|ボンボン @qgBuGbDfcaLx7Q5|note(ノート)https://note.mu/bombomribbon/n/nd985547a34fd
スクールカウンセラーと学級担任と学級補助員|ボンボン @qgBuGbDfcaLx7Q5|note(ノート)https://note.mu/bombomribbon/n/n3e21d55abcf5

こちら↑の続きです。

新たな登場人物

弟(発達障害児)の二つ年上、我が家の長男。
いわゆる、アホ男子。クラスにいる目立つやつ。いつだって、ファーストペンギン。『おっしゃ俺がいったる~』っていうアゲアケな人。なのに、時々、ポエマー。染みることをさらっと言ってくる憎めないやつ。

息子の通う学校では、春は運動会、秋は学習発表会の二大イベントがある。春の運動会の時の息子は、散々だった。正確に言うと、運動会の練習がまずかった。今はそれが特性によるものだとわかるのだけど、その当時はまだ発達障害について診断はおろか、障害を疑ってすらいなかったから、わかるはずもなく、散々だった。

運動会では、ダンスを披露する場面があったのだが、ぶつかったり、間をあけすぎたり、詰めすぎたり。ちょうど良い間隔と言うものが息子には分からなかった。
何度も何度も注意されて、何度もやり直しさせられいた。なのに、不思議なことに、本番にはめちゃくちゃ強い息子。あんなに注意されてたのに?本当はできるんじゃん。それは、幼児の頃も同じだった。練習ではできない。だから、どうにかしてくれと先生には言われるが、なぜか本番では完璧○。本番に強いのはなぜなのか?それも特性なのだろうか。もしくは、先生達の求めるOK ラインに満たないけど、私が良くやった!完璧○と思っているだけなのか。そこは、いまだによく分からない。

二学期が始まり秋が深まると、学習発表会の練習が始まる。う~ん。息子は大丈夫だろうか。その頃はちょうど、発達障害の診断が出たばかりで、担任の先生とも何度か話し合いをもうけたり、月に一回のスクールカウンセリングにも通っていた。学習発表会の練習についても運動会の反省を生かして、距離感への対応などをお願いしていた。

連絡帳を見る限り、どうにかやっているようだった。しかし、これが更なる悲劇の方向へと向かってしまったのだ。息子に発達障害があると分かったことで、それまで集中的に息子を攻撃していた先生への、監視の目が強まったのだと思われる。どうやら、先生は、息子と言う『はけ口』を失ってしまったのだろう。その後、この先生は集中攻撃ではなく、全体攻撃へとシフトしているのではないか?そんなエピソードがどんどん聞こえて来るようになっていった。

その日はたまたま、息子の気分が乗って、宿題をゴネずに終わらせた。そんな奇跡的な日、いつもだったら、二つ年上の兄が学校から帰ってきても弟は『わーわー』ゴネているか、『○○くんが××してきて△△で』と愚痴っているはずなのに、今日は何やら大好きな遊びを始めようとしていた。

兄がふと寄ってきて、一緒になんとなくしゃべったりしながら穏やかな時間が流れていたその時。

弟はポツリ、兄にこう言った。

弟『ねぇ、兄ちゃん。先生がさ、俺のテストの名前に❌をつけるんだ。』

私はこの事実をずいぶん前から知っていた。バツを付けられる理由は、『一年生のうちは、名前はひらがなで書かなくてはならないから』うちの息子の苗字も名前もとても簡単な漢字で構成されていて、一年生のうちに習う漢字がほとんどだった。

息子の言い分は、『書けるようになったから、書いた』

先生の言い分は、名前はひらがなで書くと決めてあるのに、何度言っても漢字で書いてくる。だから、❌。

この件に関して先生は、特別何か言ってきたり、連絡帳に苦情が入るわけでは無かった。ただただ、大きく赤で❌を付けられているテスト用紙がとても苦しかった。やるせなかった。もちろん、息子には、漢字で書いたことは悪いことでは無いことを伝え、とても上手に書けたね♪と一緒に喜んだがやっぱり、本人は相当なダメージをおっていた。

弟『ねぇ、兄ちゃん。先生がさ、俺のテストの名前に❌をつけるんだ。』

兄『は?なんだそれ!なんで!?(怒)』

弟『ひらがなで書かなくちゃダメだって』

兄『はぁ~?なんだそれ!(激怒)』
 『一年生だそ!なんだその先生は!俺が一年生の時なんて、漢字書いたらもうその時点で⭕!⭕!ハナマル💮だぞ!書き順が間違っていようが、字がヘタクソだろうが、やったらやったぶん全部⭕なんだぞ!一年生でも二年生でも、低学年はそれでいいんだぞ!しかも、名前に❌を付けるっておかしいだろ!お前はぜんっっぜん悪くない!それいつからだ?』

弟『夏休みの前から。だって、先生は、俺や友だちが、なんか悪いこといっぱいする、バカばっかりだから、このクラスはバカ年バカ組にかえましょうねー。って言うよ』

兄『はぁ~‼?(超絶怒)そいつやべえぞ!マジか!お前、それで学校行けなくなったの?』

弟『…』

兄『わかった。なんかあったら、俺んところに逃げてこい。三年の教室わかるだろ?俺が守ってやるから!』

兄ちゃ~ん~~‼最高の兄ちゃん。みんなで肩を抱き合って結束した瞬間でした!た、た、頼もしい。いつの間にそんな頼れるやつになっていたんだ!勇者だよ。あんた、勇者だよ。三年生にして勇者だよ!

『勇者よ!お前に剣と盾を与えようぞ!』
兄は勇者の剣と盾を手に入れた。テレテレッテテ~♪ゲームの世界なら無敵だよ。カッコいいよ~‼母ちゃん目がハート♥だよ~‼頼んだよ兄ちゃん!

兄『え?俺、ポケモンのがいいけど』

サトシを越えてるよ!目指せポケモンマスターだよ!兄ちゃんのポケモンはメガ進化してるよ!Z技もガンガン使えるよー!

勇者兄(ポケモンマスター)の後ろ楯を得た弟は、元気を取り戻していった。心強かったと思う。それまでの兄は、弟が学校で上手くやれていないことを、なんとなく嫌がっていた。『俺にだって嫌なことはたくさんあるし、それでも頑張って学校行ってる』そんな思いもあったのだろう。だけと、弟のそれは、兄の世界観を越えていたのだ。弟を守るため、兄は、勇者にアップグレードしてしまった!すげぇ~。困難は人を育てる。しかも、周りまで育てる。神様は居るね。この時、そう思った。

兄『だから、俺、ポケモンがいいって』

もう勇者でも、ポケモンでもなんでもいい~‼とにかく弟のために立ち上がってくれた兄ちゃん!めっちゃ愛してるよ~‼

全体攻撃に出てしまった、先生はもう止められなかった。おそらく『モンペ』も発生していた。二者面談の順番待ちをしていた時、前の番のお母さんの剣幕はすさまじかった。親は『モンペ』になりたくてなってる訳じゃない。子どもを守る術がそれしか無いような状況に追い込まれているから。それは、見方によっては『モンペ』扱いをされてしまう。

私たち家族には、発達障害と言う勇者の盾があたえられたのだ。発達障害と言う診断はマイナスの要素ではない。子どもを守る盾なのだ。私が『モンペ』にならなくても済んだのは、この盾のおかげ。全てを守れる訳ではないけれど、それでも、この盾があることで、前に進む事ができた。

この盾無しで戦う世の母親達の苦しさ。自らを盾にして矢面に立たねばならない母親達の勇気を知っている人がどれ程いるのだろう。子育てを通して母が強くなる。それはただの美談なんかじゃない。矢が刺さったくらいで盾が無くなるわけにはいかないんだから。

だから私は思う。母達は、自分と子どもを守る盾を持たなくちゃいけない。盾を探さなくちゃいけない。どこにあるのか?知っている人は教えてあげたらいいと思う。盾は宝物じゃないから。道具だから。道具は使ってなんぼ。独り占めするようなもんでもない。

発達障害の診断が盾になること。診断は恐ろしいものではない。子どもを守り、育てる。そんな道具に過ぎない。盾は攻撃してこない。守る為の道具だから。

~To be continued~

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ボンボン

レトロでノスタルジックな世界観を好み、猫のいる生活がたまらなく心地好い、2児の母です。毎日のストレスをできるだけ減らせる考え方や感じ方をいつも模索しています。

家族の半分は発達障害

発達障害者とその家族からみた世界や日常生活。学校の事、仕事の事、投薬の事、二次障害の事などをまとめています。
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コメント3件

どんな理由があっても人様の名前にペケ印をつける時点で教師として、いや人間としてどうかと思ってしまいますね。お兄ちゃんステキ。
はずれスライムさん!おぉ~泣きそうですよ。そうです。名前に間違いなんて無いんです。わかってくださる方が読者で、私は幸福者です⭕
Linusさん!あぁ。わかってもらえる嬉しさを、噛み締めております。スキありがとうございます。
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