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家族の危機に私がとった行動Ⅳ うつ病患者の話をどこまで聞くのか 私の取捨選択

前回のお話はこちら↑

家族にうつ病患者がいたからといって、あまり私の生活に変化はなかった。いつも通り粛々と生活していたように思う。いろいろと気を付けて行動していたつもりではあるけれど、それはやはり、うつ病の相手のためにしたことではなくて、私のためにしたことばかりだ。

前回も書いたけれど、家族を守るためには私が元気でないとどうしようもない。私が元気でいられるために、二つの縛りを作った。

①私が私に嘘をつかない
②善意の押し売りに、見返りを求めない

これを守っていれば、『あの時~だったのに!』といって過去に縛られて我を忘れたり、『あの時~で嫌だったのに』などと自分の過ちを相手に擦り付けなくても済むようになる。結果的に私はご機嫌でいられるし、いちいち、どっと疲れなくて済む。

うつ病を患っていた夫とは、様々な話をした。私は、私の為だけに、私の受け答えには嘘がないように。私の自分よがりを自覚して、夫に見返りを求めない様に注意した。

夫の話はだいたい3つに分けられた。

①感情(主に負の感情)
②アドバイスを求める
③妄想+100、0思考

③だけは、とっても腹が立った。うつ病を患っているからそうなのだけど。発達障害の特性でもあるのだろうけれど、それでも、どうしても我慢できなかった。だから私は、私の心の健康のために意見した。

どんな話だったのか。具体的には書けないが、要するにこういう事。

自分の中で妄想が妄想を呼び、たった一つのなんとなく『変』と、たった一つのなんだか『嫌』を使って、『絶対にこうだ!』『こうに決まっている』『だからこうなってしまう恐ろしい』と言う。

どうにも我慢ならなかった。だから、そこにあった息子のスケッチブックを一枚破り、その時に夫が話したことを相関図にした。どこにも因果関係はない。ただの妄想。けれど、夫にはそれが現実のものと同じか、それ以上の力で襲い掛かっていたのだと思う。

私は、スケッチブックに書いた図を見せながら言った。『確かめてもないことに、絶対などと言わないほうがいい。確かめてみて、そこにそれがあったのならば、できることはたくさんあるはず。けれど頭の中にある絶対をどうにかすることなどできない』(実際には、もう少しオブラートに包んで優しく言ったような?でも内容的にはそういう事を伝えた)

夫はその後、本当に確かめに行った!それにはびっくりした。多分、相当辛かったのだと思う。『絶対』に縛られている状態も、確かめに行くのもどちらもキツイと思う。それでも確かめに行った、その勇気にとても心があつくなった。確かめに行ってどうなったのか。『絶対』は無くなった。夫は妄想に、その時打ち勝ったのだと思う。

ハリーポッターで、ハリーがディメンターに襲われ、記憶を吸い取られる夢を見ているシーン。あんな感じの苦しさのように、私には見えた。エクスペクト・パトローナム!守護霊を作り出す呪文。幸せな記憶がしっかりとイメージできないと使えない呪文。悪夢や悪魔と戦うには、強い心が必要。強さを得るためには幸せの記憶が必要。ハリー!大切なことを教えてくれてありがとう。これからも息子たちといっぱい見るよ!

他の二つ①感情②アドバイスを求めるに関しては大切なことだし、もちろん腹は立たないから、ちゃんと?それなりに?聞けるときは聞いていた。

①感情ってものは、自由なもので、誰かに止められたり我慢を強いられるようなものでは無いと私は思っている。だから、全然OK。まぁ聞いてるようで聞いてないのかもしれない。でも、相手がいた方がいい時もあるしね。そんな程度の気持ちで聞いていた。ただ、①感情が③妄想を作り出すことがあるから、それだけは注意して聞いていたと思う。

②アドバイスを求める。それができるってことは割と冷静だろうと思う。アドバイス聞けるかどうかや、アドバイス通りにするかは問題じゃなくて、アドバイスを求めようとすることが結構大切なんじゃないかなと感じている。色々な所から得たアドバイスに、自分なりのエッセンスやスパイスを加えて料理してから食べる。それくらいでないと、誰かのアドバイス通りにやったけど、上手くいかなかった!と憤慨することになってしまう。そっちの方が危険度が高い。とても依存度の高い思考パターンだと感じる。

依存的な思考パターンは非常に従順であることが多い。従順であることで自分を守り安全を確保したいという事なのだと思う。けれど、従順であればあるほど、時に相手への強烈な憎しみを生んでしまいかねない。

うつ病を患っている人はとてつもなく視野が狭まっているように見える。私はうつ病の経験はないから、実際にどうなのかは分からないけれど、隣にいて思うのは、思考パターンがどうしても依存的になってしまいがち。どうして依存的なのかは、恐らく視野が狭くてまわりが見えないからなのではないかなと思う。発達障害特性にも当てはまるから、うつ病の特徴ではなくて、発達障害からくる二次障害の特徴なのかもしれない。

まわりが見えてくれば依存しなくても済むようになる。狭い狭い視野の中で妄想に取りつかれていたとしても、外はすっきり晴れて洗濯日和なんてこともある。外がすっきり晴れているようには、とても見えない。その何かしらのフィルターが取り外すことができれば、きっとうつ状態は終わりに近ずくのではないかと思った。

我が家に猫がいてよかったと思う。猫は単独行動の生き物なのだけど、猫には猫のコミュニティが存在するし、適度な距離感を上手く保ちながら争いを防いでいたり、寒さをしのぐために寄り添っていたりする。

人が病を患っていると、そっとそばにいる。私は、あなたと居たいだけよ。そんな顔をして。猫先生の暮らし方は私たち家族のお手本。いつも勉強になります!

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