初耳学

林先生VS高学歴ニート

2019年始まって早々。
1月6日放送のTV番組「初耳学」を見て、心を打たれた。

元々林先生が好きで、初耳学はよく見ているのだが、今回は今の私に刺さるものが多すぎた。
今、「働くこと」「これからの生き方」に悩んでいる若者全員が見るべき番組だった。

林先生 VS 高学歴ニート達

まず、番組の構成。
高学歴ニートに対して、林先生が授業を行う、というもの。
「ニート」と呼ばれる人が日本で増えている、位の知識は勿論あったが、こんなに集められるくらい居るのかと、ちょっとびっくりした。(かくいう私も元ニートなのだが。)

文句を言うなら日本を出ていけばいい

高学歴ニートから、こんな問いがあった。
「全員が好きな仕事をすればいいじゃないか」

それに対する林先生の回答。
「全員が好きな仕事をしたら、社会は破綻する。」

我々の暮らしは、社会的コストがかかる暮らしが当たり前になっている。
好きなことをやるだけで、道路はできるのか?消防士は足りるのか?
そういう公共サービスには、誰もお金を支払おうとしない。
日本の国民が全員「好きなこと」を仕事にしたら、今我々がしている「社会的コストのかかる暮らし」は破綻する。

さらに、ニートからの問い。
「社会が破綻することの何がいけないのか。」

林先生はこう言う。

社会的サービスを受けているくせに文句を言う資格はない。
だったら、日本を出ていけばいいんです。

これに関しては、自分にグサリと刺さった。
つい最近まで、「私はなぜ勝手に国民に組み込まれているんだろう」と疑問を抱いていたからだ。
今は、自分が受けている医療や休職手当等がキッカケで国に守られていることを自覚し、日本に対する感謝しかないのだが。

「やりたい」は偶然。「できる」は必然。

ニートからの次の発言。
「やりたい仕事で、年収が1000万以上ならやる」

私は「ハ?なめとんのかオラ」としか思わなかったのだが。笑
林先生はきちんと言葉を返す。

「やりたい」ことって、結構偶然見つかるものだったりする。
やりたいことの多くは、「情報」から出来ている。
例えば君が100年前に生まれていたら、ゲームをやりたいとは思わなかっただろうね。

僕自身、若かった頃、やりたいことにチャレンジしたこともある。
でも「向いてないな」という感覚が当時からあった。
結局借金が膨らんだタイミングでやめることになったけれど、
振り返って考えてみると、あの頃の僕は情報に踊らされていた。

情報がたくさん入ってくる中で、いつの間にか情報が内部化されて、自分の「やりたい」にすり替わっていないか?

たしかに私が今やりたいことは、自分の病気がキッカケだ。
病気になっていなければ、今やりたいことなんて、まるで違ったと思う。
これはまさしく「偶然」が生んだやりたいことだ。

僕自身、やりたいことにチャレンジしたことは「失敗の実験」だと思っている。だからやってみればいい。

林先生は、やりたいことへのチャレンジも肯定していた。

林先生は塾講師を「やりたくはないけどできる」

番組の中で一番の衝撃だったこと。
林先生は好きで塾講師をやっているわけではないらしい。
「生徒が合格すると嬉しい。自分の教えが実ると嬉しい。」
そんな気持ちなのかと思っていたら、もはや真逆だった。

僕自身が人の話を聞かないから、誰も僕の話を聞くだろうなんて思えない

ただ、林先生にとって、塾講師は「やりたくないけどできる」ことだそうで。
林先生は、「やりたい・やりたくない」の軸ではなく、「できる・できない」の軸が大事な人間らしい。

 図にすると、以下の通り。

この「できる・できない」「やりたい・やりたくない」の二軸のうち、どちらを大切にするか。

確かに、人から求められることは、人間誰しも嬉しい。承認欲求を満たされる。
勿論「やりたくてできること」(この図が示す①)が最善であることは明白。
それでも、ここ最近「やりたいことをやろう!」という言葉をよく耳にする中で、この考え方は私に大きく刺さった。

余ってる体力と社会に噛みつける精神力を分けてくれ

最後に、一視聴者として感じたこと。

不安障害というちょっとした厄介者と付き合っている私には、「やりたくてもできない」ことがある。

会社に勤めること。
電車に乗って通勤すること。
ディズニーランドでデートをすること。
朝起きて、夜寝ること。
毎日自分のやりたいだけPCと向き合うこと。
本を沢山読むこと。(活字が思うように頭に入らない)
小説を読むこと。(小説はもう特に全然頭に入ってこない)

ニートとなっている彼らにも、大きな苦悩や抱えていることがあるであろうことも想像している。
ただ、テレビに出て、林先生に噛み付いて、働かないことを正当化する位の体力と精神力は持っているらしかった。

お願いだ。
その体力と、精神力を、分けてくれ。
私のモチベーションを、最大限に活かすから。
自分を正当化する暇があったら、せめて、動け。

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