私を私たらしめる音楽 虹よりもフルカラーな景色を見たいんだ


ここに立ち会ってくれてありがとう
まずはお礼を言いたい
そして何気ない私の人生の片時に少しだけ触れてくれると嬉しいんだ

誰でもない君だから嬉しい


私は至って普通で凡人で煩悩

だからこそ心に決めた大事なものは絶対に離さない
いつからかそう感じていた

これまで生きてきた約29年
思い返せばある程度のことはなんでもできた
友人にも恵まれた
一時不安定で嫌な思いをしていたこともあった

これら全てに通ずる問題点
運とか出会いとか親とか
そういう話じゃない
自分に問題はあった


私は自分を主張して発言するのが苦手だった

小学校は野球クラブを
友人に誘われるがまま、とりあえずでやっていた
褒められるのは嫌いじゃなかった
みるみる成長した

ただ試合には出れなかった

中学は思春期真っ盛りだ
初めて他人を強く意識して
全てが恥ずかしかった
野球は続けていた、経験者だからと試合も出た
彼女もできた、一目惚れとのこと
友人もいた、全く知らない学校の人たちだ

イジリを超える過度なイジメ
自然消滅をして
テンションに追いつかなかった

高校はほぼひとりぼっちだった
中学からの腐れ縁もいた
たまたま一緒だったからかクラスは違えど昼は一緒だった
他クラスで食べる昼飯は落ち着かなかった

その時出会えた

「この人たち知ってる?
  UNISON SQUARE GARDENって言うんだけど」


何気ないただの昼休み
友人のイヤホンを耳に差し込むと流れ込むメロディ

全身に衝撃が走り脳が震え鼓動が早くなる
今でも覚えている衝撃だった
それは「サンポサキマイライフ」

心配ない大丈夫さと言う彼らは
当時流行りのスリーピースバンド
要するにback numberやヤバTやWANIMAなど
ギターベースボーカルで成り立つ最もシンプルで効率の良いバンドの形だった


その走る旋律に
高らかに響く声に
止まらない興奮が押し寄せた
そしてすぐ虜になった

これが「私が私になる始まり」だった


ここで一つ紐解いておきたい事がある
彼らのバンドとしての形だ
UNISON SQUARE GARDENだから…四角い箱庭!
とか言う理論は実に面白い、だが彼らに言わせればそれも一つの答えだ!

ギター 斎藤宏介 早稲田卒 ギター ボーカル
ベース田淵智也 早稲田卒 ベース コーラス ダンサー
ドラム鈴木貴夫 スプラめちゃ上手い ドラム変人 コーラス

錚々たるメンツだ
え?いや、気のせいだよ、錚々たるメンツだろう?

UNISON SQUARE GARDENの魅力

ここには大題をつける
①世界一不器用でかっこいいバンド
②よくわからんが踊ればOK
③この田淵智也って人天才でヤバい
よければ見ていってほしい


①彼らは世界一不器用なバンドだ
時に愛を歌うアーティストは
好きだ、愛してる、ずっとそばにいてほしい と
こう叫ぶだろう

ここから不思議だUNISON SQUARE GARDEN
愛を叫ばず、語らず、作品にただ一つを詰め込んでいるのだ

つまり回りくどいってこと
いくつか心が震えた歌詞を並べておく

  • "コントラストが五線譜を飛び回り歌とリズムになる"

  • "涙キラキラ西の空に光る
    モノクロでは説明できない
    変幻自在のキャッチボールを"

  • "ハローグッバイ奥手なシャンデリア願いを放て
    夢見てる僕らは気づかない世界が始まってないことを"

  • "早すぎる季節の中心で
    大切なこと早押しでも3択でも答えられない"

  • "遠く遠く目指すとして
    「一体何が見つかるか」なんて
    考えてる時点で夢中 心コースアウト
    見逃すなよその瞬間をスコープしろ"


あげすぎるとキリがないのでここまでにしておく…
(たまたま聞いてた曲をピックアップした)

この歌詞は全て曲の一部を切り取った
だかわかりそうでわからないと思う
でも誠実さや綺麗な言葉なのは
これを見た君たちにも伝わるかな?

また、彼らのすごいところが一つある
そう、アニメのタイアップだ
彼らは多くの作品のテーマソングを担当した
有名なところだと「血界戦線」「ブルーロック」など

彼らは根幹を捨てない
しかしアニメへのリスペクトは絶対するのだ
何が言いたいかと言うと

OPやEDで流れる1番のみの曲が
フルで聴くと全く違う曲に変貌するのである

一番だけなら作品理解◎なかっけぇ曲なんだが
フルで聴くと何かを訴えてくる様に聞こえる
それはそのアニメから想像し難いものになる

一つのことを言いたいのに一曲丸々かけてしかも届かないかもしれない
それでも彼らは"それ" を表現するんだ
ただ一貫して伝えていることはあり、私もうっすらとだがそれを感じた…

自分の好きに聴いて
自分の好きに歌って
自分の好きな解釈を持って
自分の好きな楽しみ方で
俺たちを聞いてくれと


②よくわからんが踊ればOK
先述した通り好きに楽しんでほしいスタンスだ
だがロックバンドな彼ら
ライブは想像がつかない程熱く激しい

彼らの作品にこういう歌がある
「instant EGOIST」

:今世界に1人だとしたら
:溢れ出すリズムは君のもの
:ほら足を鳴らしちゃって
:ほら指を鳴らしちゃって
:やり様はいくつだってあるよ


これが一番サビ前ライブとはバンドと自分の空間
観客が作るライブもあるがそうじゃ無い
ここは君1人の空間なんだから好きに楽しんでと
そして2番だ

:偏屈で不気味なくらいの風模様
:どいつもこいつも右にならえ
:「ほら、手を叩こう?」
:気持ちがどうも乗らないなら地蔵さん
:そんくらいは許されて

周りに合わせることはない、手を叩きたくないならいいんだよと言う
ただ裏拍で叩けないだろうからせめて見ていてよね
そしてこれに続く様にサビ前

:それでも不揃いに出揃った
:心ステンドグラスは綺麗だろう
:ほら首を振るとか
:ほら腰を叩くとか
:やり様はまだいっぱいあるよ

なんてこった!
この高揚感を「心ステンドグラス」と称した
そして地蔵になってても指や首なら簡単に動かせる
無理せずノったっていいんだよ!と言う

ライブには十人十色で様々な生活を送る人がいて
生い立ちや性格もバラバラ
それが一同に集結してるんだから
意気が合わないこともあるのだ

全ての人が平等に楽しむ権利があるのに合わせるのは惜しい
いや、それを楽しみに来てる人もいるだろうが
それを強要されるのは違う
社会はそういう感じだから忘れつつある自分を
ここだけはそれぞれの楽しみ方を、インスタントにエゴイストでいてくれと言うことなんだろう

作詞の田淵智也さんの美しい表現力や言い回しも
またこのバンドの魅力だろう


③この田淵智也って人天才でやばい
ではUNISON SQUARE GARDEN
この支柱となってる作詞作曲
これがベースでコーラスでダンサーの田淵智也さんだ
はっきり言って想像がつかないほど天才だろう…

彼らの曲はすでに200を超えてる
その9割9分が田淵智也氏による作品となる
(1曲だけボーカル斎藤氏が作詞作曲したものがある)
その全てがポップでロックで不器用だ

ちなみにLiSAさんに師匠と呼ばれている
彼女の作品のヒット作の大半は田淵氏の作品がある
crossing fieldとかrising hopeとかね

デビュー当初(Angel Beats後の初アルバム)で妄想コントローラーという今でも愛される作品も2人が手がけた作品だ


ここまで読んでくれた君に
気がかりになっていてほしいことがある
ロックバンドでダンサー?

そう彼は激しくステージを駆け巡り
ジャンプしてはベースを投げ
挙句ハンドスプリングで盛り上げるのだ
(全て曲中に行う)

そんな人が目の前にいたら
あ、私は何してもいいんだって思ってしまう
きっとそれが伝えたいのだろうか


SNSはめっぽう苦手な人
今はなきTwitter約12年前から3年ほどやっていたはずだ
彼の不器用で分かりやすい知性ある文章は
それはそれは反響ばかりで
酸いも甘いも全てやってくるものに
目についたアンチコメやちょっと違う解釈にすぐ違う解釈で意見を述べたり
それはそれは見応えあるものだった

数年後、オフィシャルサイトブログで
「SNSは私に合わないし止められたのでやめた」
先見の明があるに違いない


さてさてさてさて
ここまでいっぱい書いておいてなんだが
これがなぜ私を私たらしめるのか

ただただ伝えるのが不器用な作品に魅力を感じたのか
その作品の寄り添う形に共感したのか
正直まだわからない

今でもはっきりわかるのは
この体が勝手に踊り出してしまうから
なのは理由の一つで間違いない

だって仕方ないだろう
体の神経から細胞にかけて
楽しく跳ねて踊り回ろうとするから
止めることができないんだ。止めるつもりもないが

いつまでもまっすぐ
心に正直に
周りに振り回されない人生を歩みたい
彼らを横に添えて


P.S.
おすすめなアルバムは「CIDER ROAD」
と「populus populus」だ
曲ならまずfirst takeに出た2曲
シュガーソングとビターステップを聴こう

もし気が向き、彼らに触れてみたくなったら
1〜endまで順番に聞くと彼らがわかるかもしれない
曲順にある仕組みがあるそうなので解き明かしてほしい

いつでも話は聞きたいので
またその日まで

ぼんのう

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