子供のために「やることリスト」作ってみた話

ある朝、あまりに登校前の支度に時間がかかる長男と喧嘩になった。
「あと10分で時間だよ!鉛筆削ったの?!」
「わかってる!そういうこと言わないで!」
「じゃあママはもう何も言わないよ?!自分でやってよ!」
もう幾度となく繰り返されたこのやりとり。

その日はあまりに私は腹が立ってしまい「もっとしっかりしなよ!もう小学生なんだよ!」と口に出していた。
でもこの言葉、自分で言った言葉だけど、口に出してから「ほんとうに?」と思ってしまった。

「もっとしっかりしなよ!」は無責任な言葉だったんじゃない?
こんな漠然とした言葉を言われたところで子供自ら「はい!しっかりします!」ってなるわけない。
しっかりする、って具体的にどうすればいいんだ?

自分で言った言葉に自分でモヤモヤした私は子供たちを送り出した後一人で100均へ向かった。
ホワイトボードと好きな大きさに切られる両面マグネットシートを買って、子供のためのTodoリスト「やることリスト」を作った。

「朝やること」
あさごはん。はみがき。きがえ…
「帰って来てからやること」
てあらい。うがい。しゅくだい。えんぴつけずり。じかんわり…
マグネットシートをチョキチョキ切って「やること」の札を作る。
マグネットシートは両面記入出来るものを選んで、例えば「あさごはん」の裏面には「すききらいしなくてえらい!」とかメッセージを書いた。
やることを1つ終えるごとにひっくり返してメッセージを確認してクリアの欄へ移動させるようにした。
ちなみにここのサイトをお手本にして作りました。

https://limia.jp/idea/122434/

学校から帰宅した長男に、朝怒り過ぎたことを謝り「やることリスト」の使い方の説明をした。
長男は「これ、いーじゃん!!」と目を輝かせてまずは手洗いを完了させて「てあらい」の札をひっくり返す。
裏面のメッセージを確認して「バイキンバイバイって書いてる!次はどれをやろう?」と自らやるべきことをクリアしていってくれた。

いつもは朝にやっている「じかんわり」「えんぴつけずり」をわざと「帰って来てからやること」のリストに入れておいた。
「君はいつも、時間割と鉛筆削りを朝にやってるじゃない?でも、この2つを夜にやってしまえば、朝のやることってこれしかないんだよ?楽ちんじゃない?」とボードを使いながら説明した。

長男は「えー?!ほんとだ!朝がこんなに余裕になるの?」と本当に心から理解したようだった。
私はこの長男の様子を見て結構な衝撃を受けてしまった。
「学校の支度を夜のうちにやっておけば朝すごく楽」ってことは言葉では何度も伝えていたはずなのに長男は全然ちゃんと理解してなかったんだ…!
私も、子供が見ている世界と自分が見ている世界は違うってことを全然ちゃんと理解してなかったんだ…

理解してないことを理解している程で話を進められるのってしんどかったよね…と長男に対して申し訳なく思った。
学校に入学してからの半年間、私もわからないことだらけで不安や焦りもあって、周りの子が出来ているんだから自分の子も出来ていなくちゃいけないんだっていつのまにか思い込んでたのかもしれない。

長男はおそらく耳から入る情報を飲み込むのが苦手だ。やらなきゃいけないことを頭の中だけで並べることがうまく出来ないし、途中で違う興味がある方へ引っ張られてしまう。
それをカバー出来る方法をもっと私が考えなきゃいけないし、長男自身もそれを自分で身につけていかなきゃいけない。

これは、「やることリストを作って、子供がやるべきことをやってくれるようになりました!やったね!」って話ではないんだ。
このリストを作ることによって、子供が見えてる世界を親がやっと少し理解出来ました。道のりは長いぞ。という話。
現に、このリストがあっても「じかんわりとえんぴつけずり、朝にやるからいいや〜」ってやらない日もある。
1つのやり方が全ての子供でうまくいくわけじゃないし、1度うまくいったからと言ってずっとそれが使えるわけではない。子育てのあるあるだよねぇ…
全子育てしてる人たち、がんばろ…




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