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2019.5.24 女性のための起業セミナーvol.2 「ビジネスモデル」

「アイデアを形にする方法がわからない…」
「情報や知識、人脈がほしい…」

そんな起業家の皆さんの1人ひとりの悩みやニーズに対応し、次なる一歩を応援しよう!というのが、この山梨中央銀行主催「女性のための起業セミナー」です。
全4回の連続セミナーのプログラムデザインと講師をNPO法人bondplaceが務めさせていただいています。

本セミナー全体の趣旨や私たちが大切にしていることは、こちらのレポートにありますので、ぜひこちらもご覧ください。

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■講座概要

2019年5月24日(金)10:00~13:00
セミナールーム昭和(山梨中央銀行 昭和支店)を会場に講座を開催しました。

今回の講座では「ビジネスモデルキャンバス」を活用し、起業家1人ひとりのビジネスを見える化することを目的にワークを組み立てました。

定義:ビジネスモデル
ビジネスモデルとは、どのように価値を創造し、顧客に届けるかを論理的に記述したもの。
引用元:ビジネスモデル・ジェネレーション

「ビジネスモデル」を9つの要素に分けて整理するのが「ビジネスモデルキャンバス」です。
9つの要素とは、顧客セグメント(Customer Segments)、価値提案(Value Propositions)、チャネル(Channels)、顧客との関係(Customer
Relations)、収益の流れ(Revenue Streams)、リソース(Key Resources)、主活動(Key Activities)、パートナー(Key Partners)、コスト構造(Cost Structure)です。

さらに詳しく学びたい方はぜひこちらの書籍をご覧ください。

今日の講座の目標は3つ。
1. ビジネスの「現在」と「これから」を描いてみる
2. 支援者の力を借りてブラッシュアップする
3. あなたのビジネスを人に説明してみる

ビジネスモデルキャンバスを起業家と支援者が一緒に使いながら、1人ひとりのビジネスを整理していきました。

■ビジネスを「見える化」するということ

なぜビジネスを「見える化」するのか?

ビジネスというと「利益をたくさんあげるもの」という見方もありますが、今回の講座で考えたいビジネスのイメージは「つぶれずにこれから先も持続可能なもの」としています。

「どうやったらこのビジネスを長く続けていくことができるのか?」を考えた時に重要になるのがビジネスの見える化です。

ビジネスの見える化とは「自分が理解すること」+「相手が理解すること」。
自分のビジネスを自分自身がよく理解することで、届けるべきお客さんがわかる、お客さんに合わせてサービスを変えていくことができる。
また、相手に自分のビジネスをよく理解してもらえることで、「このお店にはこういうときに来よう!こんな人を連れて行こう!」と必要な時に思い出してもらえる。

自分も相手もより理解できるように「見える化」することで、ビジネスがより深まっていくんです。

講座のナビゲーターを務めていただいた合同会社カタコトデザインの内田文子さん。
ビジネスモデルキャンバスを活用し、日本全国の農家さんのサポートをしています。

■現在のビジネスを「見える化」する

起業家の皆さんのビジネスの現状を、ビジネスモデルキャンバスに当てはめながら整理していきました。
起業家の皆さんが自分のビジネスについて話し、それを支援機関の方々が聞き取りながらビジネスモデルキャンバスのシートに書き起こしていきました。

どんな活動をしているのか?どんなお客さんがいるのか?どんな価値を生み出しているのか?どんなリソースを持っている人なのか?
起業家の皆さんの話を聞きながら、支援機関の方々が第3者からの視点でまとめていきます。

■これからのビジネスを「見える化」する

ビジネスの現状を整理したあとは、起業家の皆さんがこれからやりたいと思っていることを説明し、それを支援機関の方々が聞き取り、先ほどのビジネスモデルキャンバスの要素を動かしていきました。

例えば、自宅でエステサロンを経営していた方が、背術に用いる化粧品やケアアイテム・アロマなどの物販を始めたいとすると、物販を始めるに伴ってビジネスモデルキャンバスの9つの要素が動いていきます。
物販の取りまとめや発注を行うスタッフ人件費が発生したり、仕入れをする必要が出てきたり、仕入れ先の化粧品メーカーがパートナーとして新たに入ってきたりします。
ただ、それによって「自宅でも施術後の美しさを維持できる」という新しい価値が生まれ、顧客価値が上がり、心配だったスタッフの人件費も確保できるといったビジネスモデルの成長を描くことができます。

起業家の皆さんのやりたいことを聞き、それを「わくわくするビジネス」になるような内容に高めることを目指し、支援機関の方々に関わってもらいました。
「わくわくするビジネス」とは、
・お客様×価値が明確であること
・その人の強みやこれまでの経験が活かせて、その人らしいものであること
・決して楽な道のりじゃないけど、そのビジネスが成長することでより多くのお客さんが幸せになる・応援してもらえるもの

と定義しています。

■「ビジネスの見える化」の先

起業家の皆さんと支援機関の方々が二人三脚でまとめてきたビジネスモデルを、他の人たちにプレゼンしフィードバックをもらう時間も作りました。
プレゼンを聞いた人は、そのビジネスモデルに対して「Continue(この部分は続けたら?)」と「Consider(この部分はいちど考えてみたら?)」を書いて渡していただきました。
いろんな人に聞いてもらいフィードバックをもらうことで、どんどんビジネスが見える化していきます。

ただ、ビジネスの見える化はあくまでも第1歩。
計画をつくる時間にあまりにも多くの時間を費やしてしまってはもったいない!
パッとデザインしてチャッと試すことが大事です!

自分が目指しているところと現状の間にはギャップがあります。
そのギャップをこれからどうやって埋めていくのか?を考え、とにかく動くことが大切。
やりたいことはたくさんあると思いますが、ご自身の時間や体力は限られています。だからこそ、「何をやるか?」も「何をやらないか?」も大事です。

セミナーが終わってからも、もっとこの部分を整理したいからビジネスモデルをみてください!と個別で問い合わせをくださる方々もたくさんいます。
セミナー参加者の個別での相談はいくらでも受け付けておりますので、どうぞお気軽にご連絡ください!

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次回は6月7日(金)
収支計画や資金調達といった「お金」に関する講座とともに、今回のビジネスモデルキャンバスをさらに整理していく時間もつくろうと思っています。

また次回の講座のレポートもお楽しみに!

山梨中央銀行 女性起業家応援プロジェクト「女性のための起業セミナー」
主催:株式会社山梨中央銀行
共催:山梨県信用保証協会 株式会社日本政策金融公庫
後援:山梨県 公益財団法人やまなし産業支援機構 山梨県よろず支援拠点
講師:NPO法人 bond place
Photo & Writing:芦沢郁哉(Twitter:@ashi_19


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