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リヨン散策。

 南仏から戻り、宿で就寝。流石に疲労が連日続いたので快眠、と言いたいところだが再び3-4時に目が覚める。ここまで時差ボケが酷いと思いもしなかった。コロナ禍で海外旅行とは無縁の生活を3年送り、すっかり感覚を忘れている。すると、外から騒音がした。また若者が荒れているのか。7年を経てリヨンの治安は変わってしまったのかもしれない。

 無理やり身体を寝かしつけて朝6時に目が覚める。今日はリヨンを回ろうと思っていた。以前ペラシュ駅の近くのステュディオを借りて住んでいたので行ってみる。そのステュディオを選んだ理由は、通っていた大学附属の語学学校が歩いて5分だったので寝坊の心配が無いと思ったためだ。外に出る度、説明し難いあのフランス独特の匂いが街中に漂って気分が良い。煙草や香水、汚物の不快な匂いとは違った記憶に刻まれた匂い。幸い天気も良くて散歩日和だった。リヨンの朝晩は日本で言う12月並みに寒いが日中は暖かい。そして、相変わらずローヌ川は美しい。 

ローヌ川

 宿からペラシュ駅の方まで歩いて20分強。ルイ14世の像がある有名なベルクール広場を通る。広場はイベント仕様に変わっていて周りに多くのランナーが見られた。どうやら今日はリヨン市内マラソンでもあるようだ。語学学校も広場から直ぐの場所にあるので、近くまで行って外から覗くとIDを翳さないと中には入れないようでセキュリティが強化されていた。ここには1ヶ月の夏季集中講座に通っただけなので先生は覚えていない。クラス分けテストの結果、B2+に入り、毎日周りに圧倒されていた。ただ、この学校で知り合った台湾人や日本人留学生とはソワレした良い思い出がある。

 広場を後にし、ペラシュ駅まで行く道を真っ直ぐに突き進む。この通りは店が多く入っており、飲食店も多い。目に入ったブーランジェリーに入り、朝ご飯にする。店に入った瞬間、女性店員の明るいBonjourという挨拶に応えるよう挨拶する。リヨン名物のプラリネの練り込まれたビエノワズリーとホットチョコレートを頼む。注文する際、フランス語でスムーズに事が進むと今の語学力でも通じるのかと安心する。寒いのに現地人の雰囲気に呑まれてテラスで食べた。勿論味は言うまでもなく絶品。良いバターが使用されているのが一口で分かる。たとえ円安でも日本で買うよりも安いのはありがたい。フランスに来たと実感する瞬間の一つだ。

ブーランジェリー
プラリネ

 満喫した後、昔住んでたステュディオまで歩く。ここも外観からしか分からないが建物を見た瞬間懐かしかった。リヨンに引っ越しが決まり、初めての一人暮らしがフランスなんて夢みたいと思っていた当時はその後の苦労に想像を絶する。毎日自炊したり、家事をしたり合間にフランス語予習復習したり、ソワレも…と忙しい1ヶ月だった。

 少し戻り、今度はソーヌ川へ行ってみる。リヨンを象徴する2大河川のうちの1つだ。ソーヌ側は旧市街に面しているので落ち着いた印象がある。ローヌもソーヌもそれぞれの良さがあり、風情を感じられる。川沿いを歩き、辿り着いたのは市庁舎。これもリヨンの顔だろう。近くで見ると赤い血の様な染みが見えたので近づくとパレスチナ擁護のメッセージだった。日本より中東情勢に対する危機感を感じた。これを書いている24年2月も収束する気配は無い。和平交渉が一秒でも早く行われる事を願う。

ソーヌ川
リヨン市庁舎
パレスチナ擁護のメッセージ

 ここからメトロに乗って向かったのはクロワ・ルース。景色が有名な丘があるリヨン名所の一つ。晴れていたので素晴らしかった。昔住んでいた頃、あまりに来た事が無かった(一度だけ来たかも)ので落ち着いた住宅街という印象。ここから歩いて降るとテントが沢山あった。テントにNous sommes pas dangereux(俺たちは危なくない)と書かれていて恐らく移民系のホームレスなのかと思われる。そこを何事もなく通り、旧市街を駆け降りる。毎日こんな通りを通れたら幸せだろうなと思わずにはいられなかった。

クロワ・ルースの丘
旧市街

 下って再びメトロに乗って今度は動物園と植物園があるパー・ド・ラ・テットドールまで行った。地元民の憩いの場。緑も水辺もあって自然が大好きな方には是非行ってほしい。ここで身体に異変が起きた。急に重くなり、足取りが遅くなった。旅の無理は禁物。恐らく疲労の限界が来たのかもしれない。昨日エクスで4万2千歩、そして今日のリヨンでは既に4万歩を超えていた。適当にスーパーでサンドイッチやフルーツを買って宿に戻って休息した。寝ると明日の計画に響くと思い、Netflixで映画を見た。今回も日本では見れない作品" FIVE"(日本未公開作品)。昨日同様ピエール・ニネやフランソワ・シビルが出ているコメディー映画だ。字幕で見たが汚い言葉が満載。とにかく面白いのでオススメ。結局この後、横になって数時間寝たが夜はゆっくり寝ることができた。明日はまたリヨンを飛び出して旅に出かける。

パー・ド・ラ・テットドール
公園の中

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