見出し画像

フランスと繋ぐ理想の楽園 vol.3

コンフィヌモンのパリで


B : 念願かなって、さあローズバッドで研修だ!というときにコロナ禍でコンフィヌモン(仏語でロックダウンのこと)になってしまいましたよね。

Y:そうですね、2月から研修が始まって、コンフィヌモンになったのが3月中旬くらいだったと思います。
一か月くらいは順調に研修を進めてたんですが。私、まさかフランスがロックダウンするとは思ってなかったんですよ。それまではみんなマスクもしてなかったし、コロナ流行ってるけど、どうせ中国とかアジア圏の病気でしょ、みたいな認識で。じわじわフランスがコロナにむしばまれているとは誰も思ってなかったと思います。


B : まさかヨーロッパがあそこまでひどくなるとは思わなかったですよね。あれよあれよという間に広がって。じゃあ突然のことだったんですか?明日からお休み、みたいな。

Y:結構、突然でしたね。土曜日の夜だったかな、マクロン大統領が演説して、明日から外出禁止にします、って感じで突然の発表だったと思います。私も研修はどうなるのかなと思っていたら、由美さんから連絡があって、しばらくお休み、コンフィヌモンが緩和されたら再開しましょう、と。じゃあとりあえずじっとしておくか、という感じでした。

ローズバッドのディスプレイ


B : 結局、どれくらい続いたんですか?

Y:たしか5月の中旬くらいまでだったので、約2か月ですね。最初は2週間だったのが、延長、延長で結局8週間。

B : それは結構きついですよね。先が見えないというか。。それでも日本に帰らずにとどまろうと思ったんですよね。


Y:そうですね、いつになったら出歩かせてもらえるのかな、って、もやもやした雰囲気でした。
最初は乗り越えられると思ってたんです。でもさすがに延長、延長となってくると、これはよく考えないとな、、やっぱり帰ろうかなとも思い始めて。半年たってもこのままだったら、パリでずっと部屋に一人で、語学学校にも行けないし、街に出て誰かと会って話すこともできない。私はフランスでただ、食べて寝て、日々過ごしていて良いんだろうかと悩みました。

B : でも、思いとどまったんですね。帰国してしまったら、またいつパリに行けるかわからないから。


Y:そう、もうちょっと、もうちょっと、って。とりあえず貯金が尽きるまではいようかと。日本に戻るのも大変そうでしたしね。外出許可書を用意しなくてはいけなかったし、メトロも便数が減っていたり、空港までいくのも面倒だなと。警察に止められたらなんて言おう、とか。ここでもまた語学の壁が笑。

B : 何をするにも、フランス語が立ちはだかりますね笑。コンフィヌモン中は何をして過ごしてたんですか?

Y:あまり自堕落にならないようにと思って笑。体を動かしていました。ヨガとかストレッチとか。あとは自分でテキストを使ってフランス語の勉強をしたり、普段しない料理をしてみたり笑。瞑想してみたりも。時間はいっぱいあったので、夜はずっとアマゾンプライムで動画見てました。「セックスアンドザシティ」を見たことがなかったんですが、全シリーズ全話を見てしまいました笑。

B : そうなんですね!でも、一人で乗り越えるってすごいと思います。うちは子供が二人いて、3月からいきなり休校になって新学期も始まらず、2か月ほどずーっと家で過ごしてたんですね。中一と高一だったんですが、二人とも楽しかった学年の最後が尻切れトンボで区切りもつかず、だんだん何をやっても楽しそうじゃなくなって、なんとなく無気力になっていくようで怖かったです。私自身も、そんな感じで。これはいけないと思って、娘を無理矢理誘って、毎朝ラジオ体操したりしました笑。

Y:モチベーションが続かないですよね。。

B : そうなんですよ。だから、パリでレッスンをご一緒した由香里さんがロックダウンで閉じ込められてる!一人で残って凄いな、でも大丈夫かな、、なんて、勝手に心配してました笑。コンフィヌモンが明けて、研修が再開した投稿をみて、ああよかったなあ、ってほっとしてました。再開は5月くらいからでしたか?

Y:一大決心をしてパリに行ったので、帰るのもしゃくだと思って頑張りました。そう、再開は5月で、配達についていったり、スタッフさんが休む土曜日に手伝いにいったり。閉じこもってた後でしたし、なんでも新鮮で楽しかったです。何よりもおひさまのもと、外を歩けるのが本当にうれしかったです!

B : ほんとそうでしょうね~。でもそうやって乗り越えたことで、一段強くなったという自信がついたんじゃないですか?

Y:そうですね、何か辛いことがあっても大抵のことは乗り越えられるな、っていう感じはあります。一皮むけたというか。帰らなくてよかったなと思います。それにコンフィヌモンで研修期間がずれたので、2月の春の花から始まって5月の芍薬、そして夏の入り口までの花を見られたのはラッキーでした。間は空いてしまいましたけどね。

ランジス花市場のミモザ


コンフィヌモン中の様子は今だから笑って話せるけれど、その時はいつ終わるともわからない毎日、不安に押しつぶされそうな日もあったはず。私などは想像するだけで胃がキュッと痛くなります。そしてその日々を乗り越えた由香里さんには、初夏の日差しを浴びたパリがさらに美しく映ったことでしょう。それはきっとご褒美のような日々だったのだろうなと想像します。話を伺いながら、由香里さんと一緒に少しだけ追体験させて頂き、本当にすごいなと改めて思ったのでした。

そうしてフランス滞在後半になり、由香里さんが地方で何やら面白そうなことをしている投稿を見かけてずっと気になっていた私。次はその「農業体験」についてお話を伺いました!

next →ウーフィング

Back ←花材の栽培、憧れの海外へ

※このインタビューは2021年11月に掲載したものを加筆修正しています

この記事が参加している募集

この経験に学べ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?