連載・生駒里奈の言葉♯1「ここにアニメオタクがいるだろうが!」(2014年10月8日文化放送『レコメン』)

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 乃木坂46の10枚目シングル「何度目の青空か?」発売と同日の2014年10月8日、『週刊文春』によって乃木坂46初のスキャンダルが報じられた。メンバーの松村沙友理が大手出版社に勤務し妻子がいる男性とのデート現場を写真入りでスクープされたのだ。 

 スクープが出た同日22時からの文化放送のラジオ番組『レコメン!』に、松村は生駒里奈と共に生出演。 記念すべき10枚目シングル発売の報告がされるはずが一転、放送のほとんどが文春記事の釈明と謝罪に差し替わってしまった。

 涙ながらに話し終えた松村に生駒は次のような言葉を語りかけている。

 「(記事によって)これからたくさん悩みとか出てくると思うし、たくさん泣くこともあると思うけど、うちは全然話も聞くし悩みも聞くし。だから思う存分戦って自分のそういうところと向き合って反省して、(中略)色んなことに対して感謝の気持ちを伝えてほしいなって思います」 

「10枚目も出たことだし、うちはここで終わってらんないし。だからまっちゅんも今まで以上に活動に責任を持って。うちももっともっと乃木坂46の活動に今まで以上に全力以上で取り組んでいくし、一緒に頑張っていきましょう」 

 この日のレコメンのMCに生駒と松村が起用されたのは夏休みをとっていたメインパーソナリティのオテンキのりの代打という名目だったが、乃木坂メンバーからこの二人がこの日生放送に出演したことには偶然よりも強い縁を感じさせる。

 奇しくも松村がメンバーの前で記事について説明をした際、メンバーの中で誰より早く駆け寄り「バカヤロー」と叱責したのは生駒だったという。 

 そしてメディアを通して乃木坂46メンバーから「(松村を)支える」「守る」という言葉が出たことは大きい。恋愛スキャンダルへの対応、という意味ではもっと適切な人選があったかも知れないが(年長メンバーや運営スタッフなど)、デビューからもっとも前面で追い風も向かい風も受けてきた生駒の「赦し」と「決意」はファンを安心させるに十分だった。

  番組の終わり間際に駆けつけた桜井玲香と白石麻衣らが松村に言葉をかけていく。 

桜井「メンバーついているからね、そばに」

白石「これからも小さなことでも悩みとかメンバーみんないるから言ってほしい」

  それに生駒が引き継ぐような形で松村にかけた言葉が、

「アニメの話なんかさ、生駒ちゃんがいっぱいしゃべってるじゃん。ここにアニメオタクがいるだろうが!」

だった。

 これは、松村が謝罪の際に発した「(スキャンダルの相手との)会話の大半はアニメとかマンガとか趣味の話で…」への返答でもある。

 ともすればスキャンダルに踏み込む際どい発言だが、それだけに同じ二次元を愛する仲間へのやさしさが感じられる鼻息の荒い叱責だった。

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