2023年 私的ベストソング

はじめに

2023年もあと二日。今年も良い曲がたくさんリリースされました。
私が特に気に入った素晴らしい楽曲たちについて、簡単にコメントと共に紹介します。
なお、今回紹介する楽曲は以下のApple Musicプレイリストにもまとめています。こちらも是非ご参照ください。



DOCUMENT(2023) - TENDRE

日本のトラックメーカーTENDREのEPより。この曲は2018年にリリースされた楽曲のリミックスですが、バンド編成に変えたことが大当たり。ダイナミクスの変化が気持ちよく、華やかな印象に様変わりしました。
7月にあった冨田ラボの対バンライブの際の演奏が素晴らしかったのも印象的でした



Go The Distance - Disclosure

Disclosureはイギリスのトラックメーカー兄弟のグループ。2013年に発売されたLatchが世界的にヒットになったことで名を上げたグループです。
三年ぶりに発売されたアルバムはAlchemyは前作ENERGYの経過を汲んだハードなダンスアルバム路線でした。
この曲はコードの展開は少なく、ベースのリリースタイムの設定の変え方で主に展開を作っている楽曲ですが、なかなか意外性のある展開があり楽しいです。



Baile De Máscaras - Bala Desejo

2023年はBala Desejo旋風といって良い年でした。
Bala Desejoはブラジルの四人組のバンドで、伝統的な編成のパーカッションを駆使しつつ圧倒的にキャッチーな楽曲を作り上げ、今ブラジルのポップス界隈で最もノリに乗っているバンドの一つと言って良いでしょう。
この楽曲は展開が多く、一見すると全体像を掴むのが難しいように聴こえますが、ライブ版の演奏を見ると、有無を言わせず圧倒的にノリノリな様がうかがえます。
ブラジル音楽を知らない方にも是非聞いてもらいたい楽曲です。
(注:厳密には2022年リリースの楽曲です)

スタジオ版 完成度がすごい

ライブ版、熱気が凄まじい



Ditto - NewJeans

こちらも厳密には2022年末の楽曲です。
NewJeansは韓国の女性アイドルグループですが、デビューアルバムから楽曲の完成度の凄まじさ等が話題になり、世界的にヒットしたグループです。
Dittoは構成の新鮮さが光る楽曲でありながら、またいにしえのクラブミュージックを愛するリスナーからすると様々なオマージュを感じさせる楽曲でもあり、数多くのファンを獲得するに値する新旧の魅力が同居した楽曲になっています。



ラヴ・クラウド - Perfume

Perfumeは日本のアイドルグループであり、J-Popに大々的にケロケロボイスを導入させた歴史的なグループです。
本作はPerfumeのロンドン公演で初公開されたらしいのですが、英国のシーンを計算しているかのような構成が印象的です。
また、Bメロのコード進行はすでに売れ切ったアイドルグループにしかできない攻め方であり非常にワクワクします。



Lenz - bonntann

私の自作曲です。今年は歌物が一曲しか作れなかった…
ちょうど一年前の12月に作り込んでいたこともありクリスマスっぽさが滲み出ています。



Deep - Uno Trio

こちらも自作曲です。5年ぶりにUno Trioとしてちゃんとアルバム出しました。
中高の頃大好きだった上原ひろみさんの影響が強い楽曲です。




ON THAT SIDE - Moses Yoofee Trio

ドイツの新星ピアノトリオ・Moses Yoofee Trio。何より圧巻のドラミングが特徴と言って良いでしょう。
キレキレのキメが連発され、聴いていて非常に気持ちの良い楽曲です。



Want Your Body - Bill Bond

2023年はUK Garageがリバイバル的に流行した一年でした。
とくにこの曲のようにキャッチーでスピーディーなハウスとしての印象が色濃く出ている楽曲が印象的だったと思います。
GS dubsはこの楽曲のほかにもたくさんキャッチーで素敵な楽曲をリリースしていましたが、とくに私がよく聴いたこの曲を紹介したいです。
古き良きオルガンベースが印象的ですね。



Goodums(Sammy Virji Remix) - Unknown T & Sammy Virji

こちらもUK Garage - Grimeからの楽曲です。
Sammy Virjiは日本でも人気なイギリスのトラックメーカーで、近年のUK Garageリバイバルの中心的な存在と言って良いでしょう。
シンプルな高速のハウスの構成ですが、細かなキックの抜き差し、オルガンベースやフルートのフィルイン、ボーカルチョップなど気の利いたサンプル配置が光る楽曲です。
余談ですがこの曲のイントロのようないわゆる"枯葉進行"、最近ではジャズよりクラブミュージックでの方が聴く機会が多い気がします。



Green Light - Douvelle19

UK Garage・ハウスシリーズ第三弾。この楽曲は前2曲と比較するとトリッキーなコード進行が印象的な楽曲です。
気だるげなシンガーの声もあり、沈み込むような感覚が印象的な楽曲です。


Little Things - Jorja Smith

ハウス・UK Garageブームはクラブシーンに止まらずUKのジャズ・ポップス界隈を飲み込む勢力になっていると感じられます。
とくに、UK Jazzの先頭を引っ張っていく存在だと思われていたJorja Smithが、この曲のような無骨なハウスの影響を感じさせるアルバムを発売したことは印象的でした。
この曲はJorja Smithらしい内省的な空気感が気持ちよくスルメ曲感が強いです。




Cuchillos - Fabio Cadore & Hernán Jacinto

Fabio Cadoreはブラジルのシンガー、Hernán Jacintoはアルゼンチンのピアニストです。
Hernán Jacintoは端正なピアノソロ・バッキングが印象的なピアニストで、ボーカリストとの共演を多く行っています。
この楽曲では中盤の短調にいく展開が良いスパイスとなっており心地よい楽曲です。




Witchcraft(feat. Robert Glasper) - James Fauntleroy & Terrace Martin

Terrance Martinは内省的な空気感をジャズの文脈に落とし込む天才でしょう。この楽曲にもその能力の高さは存分に生かされています。
2010年代中盤にセンセーショナルな活躍をしていた彼らと比較すると、この曲はかなり肩の力が抜けた印象もあり、聴きやすいと思います。




Toronto 2014 - Daniel Ceaser

Daniel Ceaserは声がとにかく良い。この楽曲も捉えようによってはアメリカンポップスらしい抑揚の乏しい楽曲とも見えますが、特徴的なファルセットまじりの歌声の力が差し迫った印象を足してくれます。
Best Partのようなヒット曲になるポテンシャルを持つような楽曲ではありませんが、噛み締める喜びを与えてくれる楽曲です。




Too Much(feat. Nic Hanson) - edbl & friends

イギリスのトラックメーカー・プロデューサーとして2022年に一斉を風靡したedbl。このアルバムはJames Barkeleyと制作したアルバムと比較するとインパクトは薄いですが、印象的なベース、散りばめられたパーカッション、強いリバーブによって形どられた印象的な空間などが素敵な楽曲です。




Dreamer - Kiefer

Kieferはジャズ・ピアニストとしても超一流ですが、Lo-Fiな空間を構成する能力はそれ以上に素晴らしく、この楽曲も一聴してBGMのように聴き流せる耳障りの良さとKieferらしいジャズのエッセンスが密に絡みあっており、聞きごたえのある楽曲としてまとまっています。




Life is Beautiful - Q/N/K

奇妙なレイドバックのドラム、妙な節回しのラップ、にも関わらずとんでもなく耳障りの良いトラック。菊地成孔節らしさであり、大変印象深い楽曲になっています。
いわゆるDilla beatとも異なるこのドラムはどの影響から生まれたのでしょうか。もしご存知の方いたら教えていただけると嬉しいです。





おわりに

いかがでしょうか。2023年も良い曲がたくさんリリースされましたね。

また来年も素晴らしい音楽に出会えるでしょう。それでは、良いお年を。

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