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U2が影響を与えた音楽⑧21世紀アメリカ編


U2が影響を与えた音楽⑦

Linkin Park

たしかにラップメタルをやっていたHybrid Theory時代のLinkin ParkはU2とは似ても似つかなかったが、バンドは段々マイルドになっていって、2007年のMinutes To Midnightで初めて聞かれたが、パワフルなバラッドであるShadow of the Dayで早めのピークを迎えた。メロディもリズムもまるでWith or Without Youのようだ。

The 15 Best Songs From This Century That Wouldn't Exist Without U2: Critic's Picks

ラップメタルの第一人者が3rdアルバム『Minutes to Midnight』でリック・ルービンを新たなプロデューサーに迎え大胆にイメチェン。この曲はあちこちでモロ「With or Without You」といわれていました。

社会的な活動など、最近様々な面でU2と比較されているリンキン・パークだが、これについてベーシストのフェニックスは、「U2は大好きなバンドだし、新作のサウンドも影響を受けたのは否定できないね」とコメントした

このPVも「Beautiful Day」と「Vertigo」を足して二で割ったよう。

『Minutes to Midnight』のジャケットも『All That You Can't Leave Behind』そっくり。

この2人もよく似ている。リンキンは4thも似たような感じで、ファンの評価は賛否に割れ、5thで元に戻ったようです。そう思えば、改革路線→従来路線というキャリアがU2ぽいの部類に入りそうです。

そして2017年10月27日に行われたチャスター・ベニントン追悼コンサートでは、「Shadow of the Day」を演奏した際、「With or Without You」が飛び出しました。R.I.P.。

Thirty Seconds to Mars

Thirty Seconds to Marsの作品はすべてスケールの大きいものであるが、彼らのヒット曲にU2との類似性を認めないのは難しい。彼らの曲はまるでジャレッド・レトの気まぐれな心の中でボノとトレント・レズナーが永遠にいがみ合っているかのようで、From Yesterdayや後年のKings and Queensや新曲のU2ぽいWalk on Waterのようなスケールの大きいポップロックソングを聴けば、このアイルランド人が勝利したことがわかる。

The 15 Best Songs From This Century That Wouldn't Exist Without U2: Critic's Picks
  • Streetsをカバーしライヴのセトリにまではいっている。

  • 3rd『This is War』のプロデューサーがフラッドとリリーホワイト。

  • だいたいアルバムのタイトルからしてU2の『War』の引用。

  • 収録曲に「Stranger in a Strange Land」とU2と同じタイトルの曲がある。

  • 「Closer to the Edge」とはU2のギタリスト、エッジの近くにいたいという意味。

  • 「Vox Populi」のVoxはBonovoxのVox

The Calling

イケメン実力派シンガーAlex Bandが率いているバンド。ウィキにはU2とBon Joviの影響を受けているとあります。

ライブで「One」をカバーしことがあります。たしかにU2の一番「分かりやすい」部分を引き継いでいる感じですね。バンドはアルバムを二枚発表して600万枚のセールスを記録した後、2005年、メンバー間の不仲により解散。

Alex Bandは2011年にソロデビュー。その名も「Without You」という曲を歌っていて、こちらはもろU2です。2013年にはAlex以外は新メンバーでThe Callingを再結成したとのことです。

Kings of Leon

カニエと同じくKings of LeonもVertigoツアーで何度か前座を務め、それから数年の潜伏期間を必要としたようだが、U2の日常生活を超越するロックアンセム的要素には、このアメリカ南部の4ピースバンドも取りつかれたようだ。Kings of Leonがメジャーになってからの最初のアルバムCome Around Sundownは明らかに大観衆向けに作られた作品で、ムーディーなオープニングナンバーThe Endとその物憂げなギターのメロディはまさにU2のようである。

The 15 Best Songs From This Century That Wouldn't Exist Without U2: Critic's Picks

デビュー当初はThe Strokesのフォロワー扱いされていたのに、いつのまにかKings Of U2フォロワーと呼ばれるようになってしまいました。ボノのお気に入りのバンドでもあります。

きみに聴かせたメロディがあるよ。キング・オブ・レオンだ。新譜の彼の声ときたら……ぼくらをノックアウトしようとする人々が増えたらいいと思う。

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The Killers

2004年にThe Killersがブレイクして、フロントマンのブランドン・フラワーズが「僕たちはアメリカのU2になりたいんだ」と発言したのを覚えているだろうか?それからここ10数年の間にバンドはスタジアム級のバンドに成長して、この4月には私たちも彼らを今世紀で3番目に偉大なコーラスワークの持ち主と呼んだが、今なお彼らはU2の壮大なメロディの影響下にあるように思える。彼らのセカンドアルバムSam's Townとそのよりストレートでスケールの大きいコーラスは、U2との比較がより強固なものになった証左だろう。

The 15 Best Songs From This Century That Wouldn't Exist Without U2: Critic's Picks
  • バンド名はJoy Divisionのイアン以外のメンバーが結成したNew Orderの「Crystal」のPVに登場する架空のバンド名から。

  • プロデューサーにリリーホワイトとラノワとフラッドとジャックナイフ・リーを起用。

  • 曲に「Miss Atomic Bomb」というタイトルを付けてしまう。

  • 初期ボノを思わせる暑苦しいヴォーカル。

  • 「AHK-toong BAY-bi」に「Ultraviolet (Light My Way)」を提供

  • この曲の間奏のギターがMitacle Drugそっくり。

U2とライブで共演し「In a Little While」を歌っています。他にもライブで「Pride」や「With or Without You」や「If God Send His Angels」をカバーしています。

ヴォーカルのブランドン・フラワーズの口からは次々にU2レスペクトの言葉が。

U2は本当に信じられないほど素晴らしい存在さ。でも、彼らだって年をとりつつある。今こそ、その(世代交代の)時だと思うんだ。このアルバムが、僕らをどこまで連れていってくれるか、見ものだね。限界を設けることなんて、何の意味も成さないしね。

僕らはU2の影響をすごく強く受けてると思うんだ。でも彼らの場合、既に存在が確立されていて「もう一つのU2」なんてのは決して現れない。だから、僕たちはU2の影響を受けながらも独自のものを見つけなきゃならない。本当に大変だよ。

出典

でも、それと同時に確かになにかが死に絶えてしまって、そのグルーヴをぼくたちはまだ取り戻せていないんだよ。野心的であろうとすることは汚いことだと見られてるからね。じゃあ、U2が野心的でなかったらどうなっていたんだろうっていう。U2から受け継いできているものもすべてなかったことになるよね。こういうことはこれまでも人に言ってきたけど、そうの度にこっちの言い分はちゃんと聞いてもらえずに、ただ「あいつニルヴァーナ嫌いなんだ、あのちんこ野郎」ってことになっちゃうんだよ。

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真正直にU2フォロワー道を歩むThe Killersですが、音楽自体はNew Orde+ブライアン・アダムスやBon Joviなどのアメリカンポップロックという感じです。
そんなThe Killersにボノからエールが。

ーーU2のゴールデン・ベルトに挑戦するのは誰だと思う?
ボノ「欲しがるやつがいるのかな? キラーズがそうかな」

Qmag // DID YOU MISS US? #6

2017年にリリースした『Wonderful Wonderful』のリードシングル「The Man」のPVでブランドンはマクフェストと同じ格好をしています。
また制作中にスラップに陥った時はボノにアドバイスを求めたようです。

もがき苦しんでる感じだったよ。まったく閃かなくなったっていう人たちの話とかも思い出したりしてね。僕はそれまでかなり多作な方だったから、自分がそういう状態に陥ってるっていうのがすごく変な感じだった。どこへ向かっていいのか分からなくなったけど、とにかくやり続けたんだ。僕は仕事にはいつもハードに取り組んできたし、それが僕の売りでもあるんだ。仕事についてはものすごくストイックに考えてるから、ピアノに向かったまま絶対に諦めなかった。そんな時にアドバイスを仰ぐのはボノみたいな人なんだ。そんなにしょっちゅう会うわけじゃないんだけど、ボノは経験豊富だし、僕が通ろうとしている道は彼もこれまで通ってきたはずだからね。

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OneRepublic

売れっ子プロデューサー・ライアン・テダーが結成したアメリカの人気バンドで、アメリカのColdplayといわれているらしいです。U2の前座を務めたり、3rd『Native』はその経験に影響されていると発言したり、そして『Songs of Innocence』『Songs of Experience』ではついにプロデューサーの一人に名を連ねました。

ライブで「With or Without You」をカバーしています。

彼はボノに強く影響されているようで、「あなたが曲作りをするにあたって最も心地よい状況は? 特定の誰か、もしくは何か、あなたにインスピレーションを与えるものはありますか? 」という質問に対して、こう答えています。

まず第一にリラックスして、頭を空にする事が重要なんだ。詞に関して言えば、僕の人生で経験した出来事が、そして音楽に関してはU2のボノに強く影響されているよ。

Imagine Dragons

ポストU2の呼び声の筆頭格。2015年の2nd『Get Smoke + Mirrors』のリードシングルのこの曲は臆面もなくU2ぽい。

Angels & Airwaves

Blink-182の前ギタリストでフロントマンの一人でもあったトム・デロングは、アイコン的なポップパンクバンドを脱退するずっと前からU2に夢中で、バンドサウンドをこのロックレジェンドに近づけるように主張していたと伝えられていた。Blinkのドラマー・トラヴィス・バーカーも2016年のインタビューでそう答えている。もちろんBlinkはそんなことをしなかったが、デロングのスぺ―シーな新バンドAngels & Airwavesはエッジのディレイギターと壮大なU2サウンドを嬉々として取り入れている。

The 15 Best Songs From This Century That Wouldn't Exist Without U2: Critic's Picks

Third Eye Blind

90年代初めから活動しているバンド。PopmartでU2の前座を務めたことあり。ギタリストがU2からの影響を公言。

ケヴィンは、U2のギタリスト、エッジから大きな影響を受けたと述べており、透明感のある硬質で繊細なギター・プレイが特徴である。その繊細さで曲を盛り立てる一方、激しく唸り、かき鳴らされるダイナミックなプレイも得意とする。繊細さとダイナミックを兼ね備えた彼のギター・プレイは、憂鬱と狂喜の間を絶えず揺れ動く、サード・アイ・ブラインドのサウンドの中核をなしていると言える。

『THIRD EYE BLIND / THIRD EYE BLIND』

Creed

厳格な家庭で育から逃げ出すため、ジム・モリソンとボノに憧れてロックンローラーになったスコット・スタップが率いていたハードロックバンド。2004年に解散するまで、6000万枚を超えるセールスを上げたそうです。サウンドはU2ぽくありませんが、宗教的な歌詞が多く、海外のU2ファンサイトでは、U2との類似性を指摘する声が多数ありました。

ちなみに「Running To Stand Still」 をカバーしています。

The Slip

ボストンのジャズバンド。

ジャズをベースとしながら、U2のギタリスト、エッジが奏でるアンビエント感や、ビルト・トゥ・スピルのような即興性の高いインディバンドのテイスト、さらにワールドミュージック的なリズム感覚などをミックスしたザ・スリップの音楽性を一言で表現するのは中々難しい。

The Secret Machines

エッジのお気に入りのダラスのバンド。U2の前座を務めたこともあります。

U2的な部分もある,と書かれているのをタワレコ(だったかしら?)で見かけ購入したSecret Machines。聴く限りではほのかにアクトン・ベイビーのころのサウンドがよみがえるかしら,とは思ったものの,それ以上にオリジナリティが目立っていました…アルバムよりはライヴのほうが荒れていて,そこがいい魅力になっていました。反面,アルバムの単調な部分はなお改善の余地あり…ちなみに我々はヴォーカルの声がMacphisto(ボノ)的だ,とか,いやいや,ハッチ(マイケル・ハッチェンス)のほうが近いとか言いながら観ていました。

Secret Machines@サマソニ06

ベン・レクター

オクラホマのシンガーソングライター。イントロからU2ぽいです。

The Airborne Toxic Event

ロサンゼルスのバンド。ヴォカールの人は元小説家で、母親の死、恋人との別れ、そして自身の病気を機にミュージシャンに転向したらしく、2ndアルバム『All at Once』がUSで17位、UKで61位を記録。これは臆面もなくU2ぽい。

西海岸はカリフォルニア出身のバンドだけど、UKロックの香りを感じさせる、湿り気のあるロック…今回のアルバムでもそんな時代の空気感を取り入れるかのような、シンセの音使いであったり、打ち込み風なドラムの音作りであったり、を聴くことが出来る…とはいえそれらはあくまでエッセンスであって、基本的な雛形は前作と全く一緒。美しいメロディと、それを引き立たせる美しいアレンジ。僕にとって似ていると思うバンドって、やっぱりU2だった。

The Airborne Toxic Event 「All At Once」

Turn Off the Stars

クリスチャンバンドの一例として挙げておきます。現在、クリスチャンバンドの世界はU2もしくはColdplayぽいバンドで溢れているそうです。

ヒルソングの讃美歌は多々ありますが、10曲ほど聴いた結果『(U2+Coldplay)÷2』といった曲調は共通していると感じました。U2 ならCity of Blinding Lights、Coldplay ならFix You といったところでしょうか。そのためか『P&W Rigs~』 にアップされる機材やペダルボードにも共通点があります。上記の『City of ~』で開始15秒ぐらいからドラムとともに入るのが、ギタリスト『エッジ』のトレードマークとも言える付点8分ディレイですが、P&W の曲ではこれを多用するため、まずタップテンポと付点8分機能がついたディレイは必須です。

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The Shins

ニューメキシコのバンド。インディーズながら評価もセールスも高いとのこと。インディーズのU2使用という感じ。

Augustines

ニューヨークのバンド。この曲の構成は「Where the Streets Have No Name」そのまま。

DIIV

ニューヨークのバンド。My Bloody Valentine+U2という感じ。

Maserati

R.E.M.と同じジョージア州アセンズ出身のインストバンド。「インスト界のU2」と自称しているそうです。

Tycho

スコット・ハンセンというアメリカ人の一人プロジェクト。ピットフォークのにもthe Edge's long-familiar tones in U2とあります。

U2が影響を与えた音楽⑨

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