見出し画像

テレビの画面が賑やかです

 数年前からテレビを観る時間が減ったが、それまでの朝はいつもNHKの7時のニュースを観て、その後は民放のワイドショーを観ていた。その頃のワイドショーは朝から画面が賑やかだった(いまも賑やかだが)。
 よく観ていたある朝の某番組では、画面左上に時刻表示、そのすぐ右隣に地方別の気象情報、右端に中継地の地名やローカル局の名が出ていた。

 その番組の中で、別の日に収録されたVTRが挿入される場合には、画面下部に、インタビューされている人の受けこたえの文字が出て、さらに、その人の名前や矢印が出たりもした。
 ある日の放送では、VTRに数人組のグループが収録されていたが、後方の人物などは顔の上に文字が乗ってしまい、顔が隠されてしまっていた。
 しかも、すぐに別の人物に画面が切り替わってしまったため、その人は結局首から下しか映らないままVTRが終わってしまった。

 その気の毒な人は、収録してから放送されるまでの数日間、「おれ、こんどテレビに出るんだよ」などと、あっちこっちへ宣伝しまくっていたに違いないから、いざ放送されたら首から下だけで、さぞやがっかりしたことだろう。心中お察し申しあげます。
 そんな結果になって話のタネにされるくらいなら、いっそのこと収録されないほうがよかったかもしれない。

 画面上に文字や図形などを映しだす装置のことをテロップというのだそうだ。テロップが映しだす情報には、聴力が弱い人への助けになるなどの利点があるが、度をこせば過剰演出となるし、本末転倒ともなりかねない。
 ところで、そのテロップというのは、アメリカのグレイ社という企業の製品のひとつで、固有名詞なのだそうだ。私はそんなことは知らず、字幕や図そのもののことだと思っていた。

 さて、バラエティー番組などではいっそう派手さが増し、必要以上に大きい文字が使われたり、カラフルだったり、あるいは立体的だったり回転したりと、画面が騒々しくなっていることも珍しくない。
 いやなら観なければいいじゃないかと言われるかもしれないが、考えてみると、私のテレビ離れは、そういったことが原因のひとつになっているのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?