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小品盆栽、東京支部講師陣の楽しみ方 (02-後編)

前編からのつづき

ーー今年3月の当会月例で、会員さんに、「忘れられない飾り」と紹介されるなど、印象深い飾りを作られる阿藤さんですが、そう称された飾りについて、そしてご自身は飾りに対してどのような思いがありますか?
とても嬉しかったですね。実はあの飾りは、私がもっとも好きなものでした。ご覧いただいたのは近年のものですが、同じ飾りをもっと以前に披露しています。
私は「木一本で景色ができるのが盆栽なのだ」と教えられたものですから。それが具現化できた飾りだったと思っています。

写真中央がくだんの飾り。2013年日本小品盆栽協会主催名品展(於:上野グリーンクラブ)での一席。


ーー鑑賞する人にどんなふうに感じてもらいたいですか?
そんなこと思ったことないよ。笑。
ただ、自分の意図していたふうに見てもらえたときは嬉しいですね。
「阿藤さん、この飾りすごいよ。」と、私が会長を努めていた会の年下の仲間が名古屋から連日見に来てくれたときは、感慨深くて本当に嬉しかったです。私は「木一本の飾り」への思いが強いのです。

【大事にしているコト】

ーー東京支部、清香会でのご指導など、後進育成にも力を入れてこられた阿藤さんですが、後輩の趣味者にもっとも伝えたいことは何でしょうか?
和気藹々。楽しくやりましょう。
心から盆栽を楽しむ同好の士が集まって、楽しい会、趣味の会としてずっと残ってくれたらいいよね。

ーー小品盆栽を続けていくうえで、阿藤さんが大事にしていることは何ですか?
楽しいからやってる、です。私はツイていたと思います。時々で種類の違う人とのつながりが次々とあったのです。恵まれていました。

ーー「阿藤さんのお気に入り」(盆栽・鉢・思い出その他何でも)を一つ教えてください。
50年は家にいる真柏です。紀州真柏で、すでに5〜6回は姿を変えていて、展示でも飾っています。

阿藤氏の、2018年3月の盆栽清香会春季展示会での飾り。当該真柏か定かではありませんが年季の入った板幹を持つ真柏が飾られています。写真の角度と距離が残念なのはご容赦を。


ーー最後に、ココだけのちょっぴりおトクな情報を1つだけ教えてください!
…おトク? そうねー、特別ないんだよなぁ。
やっぱり土屋さん(土屋憲三氏)の言うとおり、盆栽は水と肥料。
本来なら大地に水を求めて根を張り枝葉を伸ばして育って行く木を、我々が小さな鉢に無理矢理閉じ込めてしまって。木がギリギリのところで醸し出す風情を人間は楽しんでいるでしょう?
だから、人間は盆栽にもの凄く責任を持っています。大切なのは「水と肥料」です。
頑張って素晴らしい盆栽を作ってください。笑。


実は阿藤さんは、スキーの指導員を目指していたこともあるスポーツマン。スキーと盆栽、一見対極にありそうですが、「リフトに乗りながら好みの樹形を目で追っていた」と盆栽愛が見え隠れ。インタビューにもとことん応じてくださり、楽しませてくださいました。

阿藤さんご回答ありがとうございました。

(編・蛍)




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