電気回路屋さん

電気回路屋さんは、オームの法則が何時でも正しい、基本法則だと思っている人が多数います。何故なら、そういう教育を受けている人が多いからと、オームの法則で世の中のかなりの電気の現象が説明できてしまうからです。かなりのベテランの人でも理解できていない人がいます。ベテランの悪い癖の一つなのですが、経験が思い込みになっている事があります。成功体験はもしかしたら時の運だったかもしれず、偶然成功して理解出来た気になっただけかもしれません。正確な理解の為には、現象の正しい原理原則が分かった上で、事実確認とその条件を考えてみないといけないのではと思います。

オームの法則は線形の代数方程式で書けるので直感的に分かりやすいです。でも電気回路の実際の動作モデルは偏微分方程式になります。電気回路では空間の変化は基本的に無視し、周波数が高い時は伝送線路理論を用い、フーリエ変換やラプラス変換で単純化してきました。本質的意味はわからなくても問題の解き方がわかっていれば実用上は殆ど問題ありません。最近は優れたシミュレーションツールもありますので直感的に現象を理解できます。

キチンとやると数学の本質的理解が必要になるのですが、何がどうなるのでこうなった、その際の境界条件はこれこれ。という事と、自然が故意に嘘をつく事は絶対にありえないので、少しづつでも良いから事実確認をコツコツやった人が新しいことができるんじゃないかなと思います。

昔は良心的な先生がきちんと教えてくれたのですが、最近はどうなんでしょうね。


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