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WORK・LIFE MEETING 1月編議事録

昨年2023年11月から毎月1回開催中の「WORK・LlIFE MEETING」 。働くことと暮らすことを考えるこのトークイベントでは、BONUS TRACKの内外で活動される方に5分のピッチ形式でお話を伺っています。

本記事では1月編の一部抜粋を行った議事録をお送りします。

WORK・LIFE MEETING 1月
2024.01.18 木 19:30開始

登壇者:上村直人、郡司淳史、殿塚建吾、ヤマグチナナコ、山中散歩
進行:塚崎りさ子

集合と解散 1人目:ヤマグチナナコさん

…仕事のお話し…

今お話している中でも、友達や先輩との偶然の再会や紹介から、昔の知り合いと遊んでいたら、なんかやってみるか!ってなって、うまく着地したみたいなものがすごく多いなと思っていて。もうぐっちゃんぐっちゃんなんですね。

今回のテーマは「〇〇を中心に暮らしていく」、だと思うんですけど、私は、雑多さを保ちながら働き、暮らすことが、私の生活を回していくことなのかなっていう風に行きつきました。
見ての通り(ナナコさんのお家)、自分の暮らす場も雑多です。これ、私の机なんですけど、いろんなものを貼って、生活空間がぐちゃぐちゃ。パートナーが綺麗好きなのでどうにかなってるんですけど、いろんなものを並べてて。もうとにかく、いっぱいいっぱい面白いなと思ったものを集めて記録しておくとか。こういうことが、私の仕事でも暮らしでも結びついているので、説明しづらさも私らしさ。整理するんじゃなくって、私は雑多であるっていうことを説明するために、 今後『集合』という名前を名乗ろうかなと思ってて。

山中
肩書きが集合......?

ヤマグチ
編集、イラストレーターですって言うと、伝わらないんですよ。だけど「ヤマグチナナコ(集合)」って書いてあると、なんかわかんないけど、集合してんだっていうのが伝わって、無説明で突破できるんじゃないかなと思っていて。これが現状、私が仕事をする上での解決策です。

郡司
好奇心で動いてる感じですね。誰からの声も「全部やります」とか、「行きます」とか。 そこがいいっすよね。

塚崎:集合の中身で大切にすることはありますかっていうことと、あとは、差し支えなければ次のキャリアで何をやるか、質問が来ています。

ヤマグチ
あ、でも集合で大切にすることは「解散」です。

そもそも、私は固定された場所に居続けることが結構苦手なんだなっていうのがあるんです。履歴書をさっき投影したんですけど、どこに所属するのもそんなに長くないんですよ。それは多分、私が女性で、編集ってなかなか女性のキャリア事例があんまりないから。そこに身を投じていくことの困難さをすごい編集者として覚えていて。だから、まず編集者ということを名乗るのをどうしようかなって考えているんです。

集合の反対は解散。だから、また集合できる。集合するのが1番楽しいんですよ。なんか大体、「また遊ぼうね」って言って次の週に遊ぶと、先週の方が楽しかったなとかちょっと思っちゃう時あるじゃないですか。だけど、それが3か月に1回ぐらいの集合だと、「なんか私たちってさ、ずっと楽しいよね!」みたいになる。

もちろん毎週遊んで楽しい友達とかもいるけど、集合して解散できるっていう、ある意味短期的なチームが継続的にある方がいい。継続的に呼ばれたりとか。
私は最初に「集合!」って言ってみんな呼んで、「んじゃ!」って抜けてまたどこかに行くみたいにできるのが1番向いてるのかなって思ってるので、集合と解散はセットです。

郡司
面白い面白い。本質かもしれないですもんね。だって、いつか人生をね、解散しますから。

ヤマグチ
ずっと一緒にいようって言ってるから、大変だなって思うから、解散もするよね、みたいな。 「終電だから帰ろう」って言えるやつがやった方が楽じゃないですか。

今、「FOOD COURT」というフリーペーパーをやってるんですけど、あれ、仕事じゃなくて、ずっと遊びなんですよ。説明をしないことを前提としたプロジェクトっぽい友達との遊びなんです。クオリティは高いんだけど、固まっていないものをぬるっと続けるみたいなのをできたらいいなって思っています。もう少し具体的な話で言うと、私の友達や好きなライターさんとかがそのコンテンツを見て、 社会とそれが結びついて、頭がバチってなることあるじゃないですか。私は最近「エブエブ」を見てバチってなったんですけど。さらにそれを書き集めて、で、なんかみんなが楽しそうにしてるから読みに来るとか。

味が薄まっちゃうからみんなに読んでもらうとかは無理だと思っているので、まずは超狭いところに対して、これ書いたらあの10人は読むかな、みたいな。これを作ったら、あの10人は来てくれるかなっていうことを重ねていくのが、私の活路。これが会社になったら終わると思う。私が個人でやっていく上でのやっていきたいことかなっていう気はします。

山中
ライフワークの話ではないんですよね。そもそもそれをしない、というのがめちゃくちゃ好きです。

ヤマグチ
だから、もう常に財布が終わってるけど、これは天命。
でもそう、そういう風にでっかく転んでれば、なんか誰かが こんなって言ってくれるから、ちょっとそこを頼っていくしかないかなみたいな感じ。

俺の時間とあいつの時間 2人目:山中散歩さん

山中
「働くと暮らすの線引きをどうするか」っていう問いをもらって考えたんですよ。でも、なんかすごい難しくてですね、悩んじゃったわけですね。僕は仕事人間ってわけじゃないんで、暮らす時間を増やしていきたいなって。暮らす時間を頑張って増やして、仕事時間を減らしてみたいのやったんですけど、 なんかしっくりこない。

普段から文章を書く仕事をしてたりするんですけど、その時間を頑張って減らそうみたいな感じになっちゃって。文章書くのが好きだったのに、それでよかったんだっけ?、みたいな。

郡司
面白いね〜。

山中
ちょっと難しい話になるんですけど、ギリシャ語では「クロノス的時間」と「カイロス的時間」っていうものがあるらしい。

山中
僕らが普段意識してる時間っていうのは、クロノス的時間。つまり、時計とかで見てわかる、客観的で、僕にとっても、郡司にとっても一緒。今は、8時8分。 誰にとっても一緒で、過去から未来に続く。

でも時間ってそれだけじゃなく、カイロス的時間ってものがあると。これは何かというと、自分の中を流れてる時間。人によって状況や場面によって、早く流れたり、遅く流れたりもする。楽しい時間って早くすぎるけど、つまんない時間はもう早く終わんないかなみたいな感じじゃないですか。自分の主観的な時間みたいなのが、カイロス的時間っていうらしいです。

クロノス的時間は、僕なりの言葉で言うと「他人軸」の時間。何時何分の電車乗らなきゃいけないみたいな、自分じゃないとこにある時間。一方で、カイロス的時間は「自分軸」の時間が。何時何分とか関係ない、自分の中でどういう時間が流れてるかみたいなことだなと思って。

要するに僕としては、カイロス的時間とクロノス的時間をどういう風なバランス取っていくかみたいな方が、しっくりくるなって思ったんです。そういう意味で言うと、カイロス的時間、つまり「俺の時間」の豊かさを中心に働き、暮らしていきたいなっていう風に最近すごく思っていて。

他人の時間、ここでは「あいつの時間」って言っちゃいますね。「あいつの時間」を生きてるな、って思う時って、ネットニュース見てる時とか、SNSとかyoutubeのおすすめ動画ずっと見ちゃうみたいな時。あと、締め切りに追われてる時とか、即レスしなきゃいけない時とか。 
一方で、 俺の時間生きてるなって時って、例えば締め切りのない原稿を書いてる時とか。最近やってる音声配信するとか、 朝の読書をするとか。ネットニュースじゃなくて、新聞の方がなんか自分の時間な感じがする。日記を書くとか、散歩するとか。最近、ろうそくを灯して夜ぼーっとするみたいな時間がすごくいいんですけど。あと、ラジオ聞きながら料理をするとか。

これって仕事でもあるんですね。僕は今「ほしい家族をつくる」っていう家族をテーマにした連載をやってますけど、これは別に締め切りがないんですよ。誰も急かしてこなくって、自分のペースで取材して、調べて、書いてる。自分の時間でやってるので苦じゃなくて楽しいし、学びがあるし、やりがいがある。あとVoicyの音声配信。全然フォロワーはいないですけど、そんなの関係なく、自分の頭の思考の整理みたいな感じで。

要するに僕的には、働くと暮らすの境界よりも、自分の時間を生きてるか、他人の時間を生きてるかっていう問いの境界は大事で。僕はいかに仕事だろうと暮らしだろうと、自分の時間を増やせるかっていうことを意識してます。ということで、ぜひ皆さんに問いかけたいのが、「あなたは誰の時間に来てますか。」ていうことですね。ちょっと問いを投げかけて終わりにしたいと思います。

半径500mで暮らして働いて遊ぶこと。 3人目:上村直人さん


上村
今日のテーマに対してひねりとかなくてそのままなんですけど、何を中心にっていうところで考えた時に、「代々木上原を中心に暮らして働いて遊んでるな」と思うんで、自分のテーマは割とそこかなと思ってます。
自宅が上原で、朝ごはんとか基本近所のコーヒーショップで済ませて。オフィスは徒歩3分。所属するNo.で仕事をしてお昼ご飯は上原の定食屋。夜は近所のレストランに食べに行ったり。食べ終わった後は、近くのワインバーとかバーで飲もうみたいなことで、みんなで移動したりとか。風呂も大体家の裏が大黒湯なので、そこでお風呂入って。申し訳ないぐらい、もう本当、半径500メートルぐらいの中でしか生きてないので、電車とかも基本全然乗らなかったり、大体歩いて生活してます。こんな生き方をしてるような人間です。

そのNo.の入居する複合施設の運営が今1番楽しいプロジェクトなんです。 食住遊が溶け合う小さな複合施設をテーマに、コミュニティを立ち上げていくこと。リーシングの部分とかのお手伝いや、中で使ってるデザイン周りの、クリエイティブディレクションとかやらせてもらっています。20区画ぐらいあるんですけど、そこに誰を入れるかとか、この人たちにどう入ってもらうか、ひとりひとり対話していて。地元のプロジェクトっぽい感じがして、ご近所付き合いみたいな形で。今もこういうのやったらいいかもねと、マーケットやったりとか、入居者の人と一緒にファミリーデーとして一緒に飲んだりとかを、プライベートワークというか、もう生活の延長線上ですね、休みの日はここに来て、飲み飲んだりとかしてるんですけど、 そういうのをやらせてもらってます。

それで言うと、さっきの仕事と生活のバランスっていうところだと、僕かなりかぶっちゃってるところもあるんで、その大変さと面白さみたいなのをめちゃくちゃ全力で享受して辛い時もあったりしますね。まだ分けきれてないんですけど、そんな感じになってます。自宅ここで、会社ここみたいな感じですね(Google Mapで図示)。

郡司
近い。

上村
いい物件見つけて。

郡司
物理的な距離じゃないんですね、おそらく。

上村
知り合いとの人間関係がそこにあるんで、高いコーヒー買うよりも、知り合いのところで買う1杯のコーヒーで、友達が淹れてくれてるみたいなところに、意味があるっていうか。

コーヒーを買うのは、家でもコーヒー飲めるんですけど、話しに行くっていう方が大きい。きっかけとしてコーヒーがあったりとか、友達とちょっとご飯行こうよっていうのも、友達と会いたいからご飯をセッティングしたりとかするって感じなんです。

なんて言うんですかね、人間関係が1番濃いのが僕にとっては上原の周りなので、精神的な豊かさはものすごいあるかなと思ってますね。限定した方が豊かになりそうな気がしてて、エリアとか、ジャンルとかなのか、それ以外のところを、ある種そこに関しては諦めないで頑張ろうと思っています。


最後は現代版百姓。 4人目:殿塚建吾さん

…仕事のお話し…

殿塚
何を目指してるのかというと、僕は現代版百姓になりたいんだなっていうのは常々思ってます。百姓といっても、鶏を捌いて、 野菜を作って、小屋を建てて、というではない、僕だったら不動産もやるし、お米もやるし、なぜか芸術祭もやってるし、みたいな、いろんなことを複合して今の新しい百姓の姿を目指して、そこに向かっているみたいなのが僕の想像する百姓です。

ライフスタイルとしては、このように農家になりたい。ただ職能としては、不動産が得意。興味関心としては、一芸に特化して応援するみたいなのがあったので、それらを混ぜて作ったのがおこめを作る不動産屋になります。

これはやりたいことよりも得意なことをやると決めたタイミングがあってのことです。
きっかけは、僕が20代半ばぐらいの時に震災があって。同い年の人がソーシャルベンチャーをいっぱい立ち上げたんですよ。その当時僕は不動産を退職して一時ほぼニート状態。やっぱり比較しちゃったんですよね。

なんだけど、MAD Cityとか手伝っている時期、後々ADDA(BONUS TRACK内のカレー屋さん)の内装も手がけるデザイナーとなるニッシーと飲んでいて。「ニッシーはデザインで行きそうだね。俺、どうしようかな」と話すと「とのはいれば安心だから、それでいいんだよ」って。俺は、調整役しかできないのが嫌だったんですけど、僕が調整するとこういう人が喜ぶんだなと思って。確かにアーティストやクリエイティブの仕事をする人はそういう調整事とかやりたくなかったり不向きなのかもしれないと思ったら、もうそこに決めようと。

今までいろんなことやってたんですけど、最後はこうしていたいっていうのがあって。去年末、塚崎さんが、「管理物件でお餅つきやるんで練習したいです」みたいな風に言ってくれて、僕らの田んぼを手伝ってくれてるキイチさんっていう農家さんでのところでお餅つきやってるみたいだから一緒に行きました。

ワークショップみたいにみんなで参加型でやるんですけど、まずキイチさんと奥さんのマユミさんは凄いコンビネーションで餅をついていたんですよね。あと、この餅を売って生計を立ててるんです。結構いい値段で売っていて。やっぱり働くと暮らすみたいな話なんですけど、百姓って元々混ざってて、そこの線引きがなくて、生活でしかない。生きてる以外にないみたいなのがあるなと思ってて、こういう夫婦の姿みたいなのが、すごくいいなと思って。家に帰って、「70歳ぐらいだったら二人でお餅つきできるようになりたいんだけど」って奥さんに言いました。

こういうことをするために、今仕事とかいろんなことをしてるっていう感じです。
僕が楽しいのは田んぼの裏の作業で、2月とか3月に、 刈った後の稲を燃やすっていう仕事なんですよ。死ぬほど火を出していいんですよ。これが楽しくて、 次も早くやりたいなみたいな感じです。

諦めない。知覚動考(ともかく動こう)。 5人目:郡司淳史さん

郡司
僕もですね、先ほど山中さんや殿塚さんがおっしゃってたように、働くと暮らすで交わるところを認めつつ、「諦めない」っていうのをしたいなと思ってるんですよね。

会社をしているので、生活と暮らしが結構追いつかなくなる。でも2頭追うものは 一兎をも得ずという状態にならないようにしたいんですよね。人生一度きりしかないので、 どうせなら楽しみたいというところを、モットーというか、大切にしているということなんですけど。僕がすごく大切にしていて、よく書いたり話したりする言葉なんですけど 、「知覚動考(ともかく動こう)」というのを大切にしているんですよね。何をやるにも、知ることだったり、覚えることよりも、考えることよりも、まず動くことをすごく大切にしようと。

ほんとに、これがお金になるかならないかみたいなことは関係なく、どうやったら面白いことができるかみたいなことをやっているっていうのが、僕のやってることですね。
株式会社心電という会社を仲間とともにやっていまして、元々「ポストに投函できるお茶 VAISA」という自主プロジェクトから始まっています。ポストに投函できる10グラムのお茶パックを作っています。これが「コミュニティ(tea)」となる。お茶だけに。

殿塚
……ちょっと会場滑ってますね。

郡司
こういう感じで人生やってますが、 8つぐらい商品があって、結構真面目にやってるんですけど、コミュニティを作っていきながら、 最終的にカルチャー(茶)にして。

山中
全然笑ってないな。

郡司
大丈夫ですよ、あったまってるんで、大丈夫ですよ。そこから始まって、それをアメニティ(tea)としてホテルに卸す。それをお茶屋さんに還元しよう。そしてチャリティー(tea)として、それが社会に広まるっていうのをソサイエティ(tea)。

山中
おお。

郡司
次はサステナビリティ(tea)ですね。そんなこと考えていると、伊藤園さんから「お〜い」って、本当にそういう感じで、イベントをやらせていただいたり、THE NORTH FACEさんのオリジナルデザイン作ったりとか、ちょっとずつ自分たちが始めたプロジェクトが、結構面白くなってきてはいますね。

事業チームが始まったけど、会社にしないと信用がないから売れないよねということでじゃあ、会社にしようって話になり、会社にして。 VAISAを売っていくには、自分たちが稼がなきゃいけない。ということでそこからいろんな事業が始まってたという感じです。

元々は普通の会社員でした。今でもですが、人とちょっとずれちゃうっていうのもあったりするんで、このまま会社員で過ごしていると、成長が止まってしまってまずいなというのを思って、環境を変えることにしたんです。崖から飛び降りるぐらいのメンタル状態でした。当時の記憶はないんですよね。ちょっとお茶飲みますね。 

殿塚
JAVATEA。

郡司
ありがとうございます。こんな感じでやらせてもらってます。ほんと、逃げちゃダメだ。こんな感じだったんですよ。ほんと、あんま覚えてない。その時の記憶を。はい。そんなことをしていて、でもともかく動いたんですよ。

会場
👏

郡司
あ、ありがとうございます。すいません拍手まで。

塚崎
最初のお客さんはどのように見つけたんですか?

郡司
とにかく人に会ってましたね、未だにそうなんですけど。 面白いイベントに出向いたり、足を運んだりしてたりしましたね。それで興味を持ってもらうっていうところは多かった。

そして何にもできないんですけど、できますよって言い切って、打ち合わせの次の日資料にして出す。それを千本ノックくらいやりました。そういったところで、「君、面白いね。やり切るんだね」みたいなところから信頼を得ていったっていうのが 1つで。

一人の人に対して200%以上やりきるっていうのは すごい大切かなと思いますね。いかに相手が良かったと、お金以上の対価を得たと思ってもらえるような、体験に変えていくのか。みたいなところはしてましたね。

また諦めないうちに、暮らす。ちょっと欲張りな感じなんですけど。1年に1回、島にキャンプに行く。音楽イベントも12年ぐらいやってたりとかしていて。家族もいて、それもちょっと諦められない。仕事もがっつりしながら、家族だったり、友達とも遊んだり、 山登ったりとか、諦めたくないというところで、日々動いてるというとこです。

塚崎
そういえば郡司さんも、郊外に拠点を作っていますよね。

郡司
まさに今絶賛戦ってるところなんですけど、そこの今ちょっとプロジェクトということで、僕自身も結構なお金を投じて、これも諦めないと。もしかしたらほんとに僕の身も滅びるかもしれないぐらい覚悟決めて、今突っ込んでるところでございます。この建物が 結構な大金持ちの方が作られた物件で壊されるか、住宅になるかというところの瀬戸際で、だったら、自然も残しながら面白いことしてほしいというお話をいただいて、「じゃ、買います。頑張りますよ」というところで、ちっちゃな商業施設じゃないですけど、面白そうな場所を作ろうかというところで動いてるところでございます。

塚崎
その場所で、得られる豊かさって何ですか?

郡司
会社として僕たちがやってるのって、要はデジタルと言われる2次元の表現が多いんですよね。なので、例えば愛着。好きっていうのをウェブサイトとか、例えばロゴとかを持った時に、持ったりするものじゃないんで、「好き」だとかで終わるんですよ。

そこに「愛」がくっつかないみたいなところもあるんじゃないかっていうのもあって、じゃあ、自分たちが手掛けている愛着を持てる場所、それこそ精神的な豊かさや、物理的な豊かさを感じられる場所を作ろうとしてます。精神的な往来と物理的な往来。なので、オールライトみたいな、 これまたギャグなんですけど、そんなコンセプトも実は入れたりもしていて、そういったところは結構意識はしてますし、あとは、僕たちだけじゃなくて、 来る人たちに対してもオープンな場所に、井戸もあるので、そんな場所にしていきたいと思ってます。そういった物理的な豊かさとか、精神的な豊かさを作れるような場所になったらいいなみたいな思いもあってやっています。

山中
精神的、物理的な豊かさを両立するものを作るために、結構なお金を借りてるってのは、実はリアルなところっていうか。リスクを取って投資して、そこを作っていくみたいなところも、もしかしたら大事なところなのかもな。

郡司
そうそう。リスクを取るっていうことも、僕たちは意識していて、リスクがあるからリターンがあるんじゃないですけど。家の中にいて何かいいことがあるって言っても、家にいたら何も起こらないんですよね。毎日外に出て歩くことすら、もしかしたら死ぬかもしれない、石が飛んできて死ぬかもしれない、何かしらのリスクがある。でもそのリスクをとっていった方が面白い。自分にとって豊かな体験ができるのかなっていうのはちょっと思ったりしますね。

以上

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