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YO LO TENGOが好きだ

ヨ・ラ・テンゴ、というバンドをご存知でしょうか?
どこのバンド?タンゴとかそんな感じの音楽?
とか思われるかもしれませんが、アメリカはホーボーケン(頭に地図は出てきません)出身の、平たく言えばオルタナティブロックバンドです。

ちなみに、I got it!(野球で守備が打球を取った時に叫ぶ言葉)をスペイン語にしたものがYO LA TENGO!だそうです。

1980年代から活動していて、見た目は本当にパッとしないですが、本当にすごい音楽を作り、演奏するスリーピースバンドです。

細かくは知りませんが、日本では今でも人気があるみたいで、昨年2023年は日本国内3か所のツアーも行ったみたいです。
結構親日のようで、日本のバンド(ゆらゆら帝国など)とも交流があった模様。

僕の若い頃は、とにかく奇抜な、個性的な音楽を聴きたい!という欲求が強く、当時シーンを席巻していたオルタナシーン、例えばSONIC YOUTHやdinasour.jr、MY BLOODY VALENTINEなどなどなどなど、を聴き漁っていました。(オルタナだけでなく、サイケやプログレ、パンクもですけど)

それらを聴きながら自分も成長してしていく中で、だんだん好きなものが変わっていくわけですが、好みは大きく以下の3点に集約されていったような気がします。

1.どこか尖っていること。(わかりやすくなくてもよい。)

2.どこかポップであること。(わかりやすくなくてもよい。)

3.歳を重ねてもたましいを持ち続けていること。

1と2が同居していれば好きな音楽になります。尖っているだけだと、聴き続けることができないので頭に残らない。ポップなだけだと刺さらないので、聴き続けない。

尖りとポップが同居することで、スパイクのように心に、脳みそに刺さり、ポップにザクザクと音楽は流れていきます。気持ちの良いツボを押さえながら。

これらに3が加わると、同じ時代をずっと歩きつづけることができる。

これは持久力が必要で、50代になっても60代になっても、たましいを持ち続けることができるかってことなのですが、特別な才能なのではないかと思います。大体は長くやっていると丸くなりすぎるか、形だけになってしまう。

それだけにこれを持っていると、一生を添い遂げれそうな音楽になるのだな、と。

例えば、デヴィッドボウイや、キュアー。小説家で言えば、安部公房など、歳をとっても芯の部分がパンクで居続けることができるかってことだと思うんですよね。

それをまさに体現しているのが、YO LA TENGOというわけです。

ギターのIra KaplanとドラムのGeorgia Hubleyはご夫婦です。それにベースのJames McNewで、3人ともボーカルやキーボードができます。

最初に衝撃を受けたアルバムはAnd Then Nothing Turned Itself Inside-Out です。

いきなり雅楽(2000年当時そう感じた)のような、ドローン音から始まる1曲目のEVERYDAY、伝統?も押さえるかのようなYou Can Have It All (カバーみたいですね。ライブではみんな楽器弾かず踊ってた。)名曲Tears Are in Your Eyes、その自然な佇まいから放たれるノイズロック?Cherry Chapstick、表情豊かなアルバムです。本当に捨て曲がない!

この前のアルバム、I Can Hear the Heart Beating as One、


その前Electr-O-Pura、


さらにその前Painfulも最高です。

でもやっぱりすごいのは、今もすごいってこと。昨年2023年リリースしたアルバムThis Stupid Worldは彼らがどこか尖っていて、どこかポップで、たましいを持ち続けていることがわかる一枚です。(タイトルからヤバイ)

ざくざくと、僕らの心を、脳みそを気持ちよく押さえながら、彼らの音楽はドライブし続けています!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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