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海外マンガ情報誌「モリマチ。」Web版 海外マンガTOPICS―2024年1月

2024年最初の海外マンガ情報誌「モリマチ。」Web版です。
本年もよろしくお願いいたします。


ドイツの漫画家がパレスチナ、イスラエルの戦争を受けて「Wie geht es dir?(どうしてる?)」プロジェクトをスタート

2023年10月に始まったイスラエル軍とパレスチナ・ガザ地区への戦争を受けて、反ユダヤと反イスラムに二極化し、人種差別やヘイトが増大している。こうした状況を憂慮し対話を促すため、2024年1月2日、マッドジャーマンズのビルギット・ヴァイエをはじめドイツの漫画家らが「Wie geht es dir?(どうしてる?)」プロジェクトがスタートした。短編マンガを週1、オンライン上で公開していく。

また、2023年末には、イタリアの漫画家80人が自身のキャラクターの後ろ姿を描く「旗を掲げず、ハンダラと団結してすべての戦線での即時停戦を要求」するキャンペーンがおこなわれており、日本でも広まっている。「ハンダラ」はパレスチナ人の作家Naji al-Ali(ナージー・アル・アリー)パレスチナに生まれてに描かれる後ろ姿のキャラクターでパレスチナの人びとの存在意義と抵抗の象徴となっている。

トランスジェンダー当事者による韓国のマンガのクラウド・ファンディングが準備中

FtMのマラン、MtFのシャイエンというふたりのトランスジェンダーが性別移行に関するさまざまな思いを描いた韓国のマンガ『わたしはマラン/シャイエン、トランスジェンダーです』のクラウド・ファンディングが準備中。2月1日にスタート。

フランスのFnac France Inter BD賞2024のグランプリ決定

フランスの書店Fnacと情報局France Interが主催するマンガ賞「Fnac France Inter BD賞2024」が1月12日に発表された。グランプリはLaurent Hopman(ローラン・オプマン)、Renaud Roche(ルノー・ロシュ)作のLes guerres de lucas(ルーカス・ウォーズ)。スターウォーズシリーズの生みの親ジョージ・ルーカスの人生と映画製作の裏側を描く。

フランスのアングレーム国際漫画祭2024グランプリ決定

フランスのアングレームで1月25日から28日にかけてヨーロッパ最大規模のマンガの祭典、第51回アングレーム国際漫画祭2024が開催された。毎年、優れた漫画家ひとりを選出するグランプリには、2023年に久しぶりの新作『モニカ』が発売されたダニエル・クロウズ、『わたしが「軽さ」を取り戻すまで』のカトリーヌ・ムリス、ポンピドゥーセンターで大規模な回顧展が開催中のイギリスのマンガ家ポージー・シモンズという3人の候補者の中からグランプリにはポージー・シモンズが選ばれた。また、各マンガ賞も発表された。

書評・レビュー

『ローラ・ディーンにふりまわされてる』(福富優樹さん、アフター6ジャンクション2)

『ナビレラ』(ちゃんめいさん、mi-mollet)

『ベルリン1928-1933』(原正人さん、マンバ通信)

『ダーリンはネトウヨ』(瀧波ユカリさん、北海道新聞)

『台湾の少年』『綺譚花物語』(藤本由香里さん、東京新聞)

『ヘレナとオオカミさん』(書店員はなさん、Tiktok)

『ソリアを森へ』(NetGalleyラジオ番組「ネットギャリーで発売前の本を読む)

海外マンガの本棚


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