創作ノート(1)カッティングマシン

創作系のお題でnoteに記事を書きたいと思っていたのですが、何かと立て込んでいてなかなか投稿できずにおりました。とにかく写真や画像無しのテキストだけでも書かないと進まないので、今回のお題は「カッティングマシン」でざっくりと書いてみます。

きっかけ

そもそも私がカッティングマシンのことを知ったのは2009年のこと。自由が丘でたまたまぶらりと入ったお店の店主様から「突然不躾ですみません、デザインやイラストをお願いすることは可能ですか?」とたずねられました。初めて入ったお店で初対面だったので、突然すぎて少々驚きました。凝ったミニチュア作品やレース編み、手作りキットなどたくさん並んでいるお店だったので、そこで興味深く商品をみていた私のことを創作が好きそうな人だと直感して下さったそうなのです。洋風のアンティーク調の糸巻きをデザインしてほしいと仕事の依頼がありまして、面白そうだったのでお受けすることにしたのです。そこで、型抜きをどうしたら良いか調べていた時にクラフトロボという名称のマシン、つまりプロッター(カッティングマシン)を見つけました。業務用と家庭用があり、当時の家庭用マシンの仕様では厚紙を抜くのは難しいようだったので購入をみあわせておりました。業務用だとある程度の厚紙も抜けるのですが10万円くらいしたと思うのです。その時の糸巻きは、業者さんに依頼して印刷と一緒にトムソン(ビク抜き)で型抜きしてもらいました。

創作ツールとして導入

後に、自分の創作ツールとしてカッティングマシンを導入したのは2014年だったと思います。その頃クラフトロボはシルエットカメオという名称に変わっておりました。シルエットカメオは今は3代目くらいまで出ているようですが私のは初代シルエットカメオです。

付属のソフトをパソコンにインストールし、切り抜きたい形をソフト上で描いて保存し、紙やカッティングシートなどを専用台紙に貼り付けてセッティングすれば、ソフトで描いた線通りにカッターが動いてくれて切り抜いてくれるというわけです。

が、私の場合は専用ソフトで形を描いて純正マット(台紙)に紙を貼り付けて使っているわけではありません。

IllustratorからDXF

普段使い慣れているイラストレーターの方がパスを描きやすいですし、印刷したい絵柄をPSDなどで配置して位置合わせするのも楽なのでそのように使っています。イラレの「書き出し」からdxfという形式で保存して専用ソフトに読み込ませています。(dxfはCAD用のデータ形式らしいですがシルエットカメオと互換性があるようです)

位置読み取り用トンボ

さて、そこで印刷物と型抜きデータの位置合わせが必要ですよね。専用ソフトから印刷すると、■とL字のトンボのようなマークが付いて来るのですが、これはシルエットカメオが読み込んで位置合わせをする大事な役割をはたしています。例えばA4で何かを作るのでしたら専用ソフトの「ページツールウィンドウ」でA4を選択しておきます。プリンタにはA4の普通紙をセットして専用ソフト「プリンターに送信」から(絵柄などは無しでいいので)印刷し、トンボマークの正確な位置を測っておきます。そしてイラレの中で同じ印(トンボマーク■やL字)を同じ位置にあらかじめ描いておき、型を抜きたい印刷物の絵柄を中に配置します。

型抜きのパスデータは印刷の絵柄とは別レイヤーに作って位置合わせしておき、型抜きパスを新規ファイルにコピーしてdxf形式で保存します。(このとき■とL字のトンボは印刷用データに置いて行きますが、dxfにも■の印をパスと一緒にコピーしておいて下さい)

dxfで保存したファイルを専用ソフトに読み込ませますが、このとき「位置合わせマーク」アイコンをクリックして表示しておいてくださいね。パスと■(dxfにすることでアウトライン化されていますが)が離れてしまわないように専用ソフトの中でグループ化しておき、ソフトの位置合わせマーク□とdxfから読み込んだ■の位置をぴったり合わせます。

位置合わせが終わったらグループ化を解除して■を削除し、型抜きラインだけを残します。これで型抜きデータは完成ですので保存して下さいね。

台紙マット・ポリセーム

データの次は台紙マットのお話です。接着力が強すぎると感じる方も多いのではないでしょうか。私は紙をカットすることが多く、紙を傷めたくないので純正マットは使っておらずポリセームというシートを買って来て、そこに紙をマスキングテープで固定して使っています。

最初はいろんなポリ系シートを買って試したのですが、ポリセームにした理由は0.75mmというほどよい厚みが繰り返しのカットに耐えるのと、ローラーの動きが悪くなるほどの重さでもないからです。それからあまり薄くてツルツルした素材だとローラーが滑ってしまうこともありました。裏にストライプの入ったポリセームだと滑りにくくて尚よしです。

ポリセームには純正台紙と同じ位置に、油性ペンでマージン線を描いておきます。上と左の線だけで大丈夫です。透明のポリセームだと裏から線を描いておけば透けて見えるので、消えにくくて良いですよ。

カットの準備

ここまで来たらあともう一息、カットの準備です。最初に作った印刷用データを紙に印刷します。ちゃんと絵柄と■とLのトンボが出力されていますよね?

ポリセームマットに印刷物をマステで固定します。それをマシンにセットしましょう(マシンのenterボタンで送ります)。

今度はパソコンのソフトで操作を開始します。

「カットの設定」で紙の厚みやブレード(刃出し量)、速度などの調整をします。この調整は非常に微妙で個々に違うと思うのですが、斤量100kg位までの紙でしたら「標準」「スピード6」「厚み27」「ブレード7」位で私は設定しています。

「silhouetteに送信」アイコンを押して>「印刷しない」をクリック>(5)続くをクリック>「自動的に検索する」をクリックすればローラーが動いて位置の読み取りを開始します。

いよいよカットです

位置合わせの動作が止まったら「カット」を押しましょう、自動的にカッターが動き始めます。

思い通りに型抜きできましたか? おめでとうございます!

おまけ情報

あと、おすすめなのがスコッチの「はってはがせる両面テープ」です。これだけで固定するには不安定なのでマステでの固定と併用しているのですが、型抜きされた紙が最後に動いてしまい機械にジャムってしまうことがあるので、型抜きされる内側部分(の台紙マット)に1箇所でもこれを貼っておけば、マットからずれないまま戻って来てくれますよ。

私の作品

私は主にオリジナルのレターセットを作って販売しているのですが、カッティングマシンを使って変わった形の封筒を作っておりますのでよかったらご覧になってみてくださいね。




さいごに

ポイントはDXF、イラレで読み取りトンボ、台紙はポリセーム、マステや貼ってはがせる両面テープです。

写真や図のない説明で分かりにくかったらごめんなさい! 時間ができたら図版も用意したいと思いますが、少しでも創作のお役に立てたら幸いです。





最後までご覧いただきありがとうございます。